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2023明治安田生命J2リーグ第41節レノファ山口FC対FC町田ゼルビアの個人的な見どころを紹介

シーズンもいよいよ終盤。レノファ山口FCにとっては今季のホーム最終戦となる一戦。勝利で喜びを分かち合い来年のシーズンに繋げていきたい

一方のFC町田ゼルビアは今季新たな歴史を創った

J2優勝、そして昇格。ただ、過去J2からJFLに降格という時期もあった
そこから2015年はJ3で戦い、山口と共にJ2昇格を決めた。2016年からJ2で戦った町田は、今季悲願を達成した

来季J1で戦う町田にとっては残りのアウェイ2連戦、しっかりと来季への積み上げをおこなっていきたい

縁のある山口と迎える、終盤の一戦。怪我無く、そしてタフに未来に繋がるプレーに注目したい

(J2リーグ 解説:中島浩司さん リポーター:トクダトモヨさん 実況:能政夕介)※追記・修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2023年11月4日時点)(リーグ戦のみ)

レノファ山口FC:10勝14分16敗で勝ち点44(36得点62失点)-26で現在20位

山口は前節アウェイの地で仙台と対戦

先発メンバーには累積出場停止明けのヘナン、吉岡が起用された
岡山戦では後半アディショナルタイムに池上の直接FKで2-2の同点に追いついた山口は勢いを持って入りたい一戦だった

しかし、序盤は仙台のプレッシャーに手を焼く部分が目立ちなかなかボールを前に運べない

逆に前からのプレッシャーを受けてボールを奪われ、ひっくり返される部分もあった

前半の19分にはボールを繋ぎ、裏を狙った仙台に押し込まれて失点し1点を追いかける形になる

吉岡が果敢な仕掛けでゴールに迫る部分を見せるも、前半は0-1で折り返し

後半の頭から高橋に代えて沼田起用。後半は速さとサイドの幅を使えるようになった山口と、少し運動量が落ちた仙台の影響もあり山口がボールを保持してゴールに迫る場面も増える

攻勢を強めた山口はサイドから梅木のパスに、途中から入ったシルビオジュニオールが上手く合わせて1-1の同点に

終盤は仙台が1人少ない状況にはなったが、追加点は奪えず1-1の引き分けで勝ち点1を積み上げた

後半サイドからチャンスをつくった点もあったが、ゴール前のでのフィニッシュにはやや過大も残った

古巣対戦だった関の好セーブに助けられた部分もあり、攻撃力のある町田相手に今節試合の入りの部分で変化を見せる事ができるか注目したい

FC町田ゼルビア:24勝9分7敗で勝ち点81 (74得点34失点)+40 で現在首位

アウェイ熊本の地で初のJ1昇格を決め、サポーターと喜びを分かち合った町田はホームにも戻り金沢を迎えた

他会場の結果を受けて試合前から今季のJ2優勝は確定
だからこそ試合の入りやモチベーションという点では難しい点もあったかもしれない

それでも、ホーム最終戦という事もあり、序盤から町田らしい戦いを見せていく

先発メンバーは熊本戦から平川、池田の2人を起用
すると開始3分、右サイドの鈴木準弥のクロスがディフレクションもあり、平河の下へ

平河はそのボールをダイレクトで上手くシュートを打ち、電光石火の先制ゴールを記録する

その後も波状攻撃でゴールに迫る場面は見せるも得点には至らず。徐々に金沢もサイドの裏のスペースを突き、チャンスをつくるも町田もゴールは割らせず、前半は1-0でリードして折り返す

後半はお互いにゴールに迫る場面は多くなかったが、後半のアディショナルタイムにセットプレーを絡めて金沢が町田ゴールに迫る。しかし、町田も全員で集中力を切らさずに、先制ゴールを守り切り今季5度目となる1-0での勝利を飾り、歓喜のシャーレをホームで掲げた

来季も町田を率いることが決定している黒田監督は「3-1よりも1-0の勝利」と話をしていた通り、しっかりと無失点で勝ち切りホーム最終戦を勝利で飾った。残り2試合のチームとして戦うマネジメントにも注目したい

過去の対戦成績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると18度対戦して山口の8勝、町田の10勝

今季は16節に町田のホームで対戦し2-0で町田が勝利(町田:下田北斗、ミッチェルデューク)

昨季は山口のホームでは3-1の勝利(山口:山瀬、田中渉、高木大輔 町田:太田 修介)

町田のホームでは1-0で山口が勝利(山口:沼田駿也が得点を記録)

昨季は山口がホーム、アウェイ共に勝利を飾っている
Jリーグでは2015年にJ3リーグで対戦。そこからここまで18度対戦し引き分けは一度もない

現在の所属選手の得点記録

山口は対町田戦では高木大輔が2得点(2018年と2022年)、山瀬(2022年)、前(2019年)が記録

町田は対山口戦では中島が2得点(2016年、2017年)ミッチェルデューク、下田(今季記録)

※古巣対戦
山口)なし

町田)奥山政幸(2016年)、沼田 駿也(2022年に所属し41試合7得点)松本大輔(今季14試合)

※松本はサガン鳥栖から期限付きで今季山口に加入。夏に町田へ移籍したため出場も可能
奥山、沼田ともにプロデビューのチームが山口だった

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

レノファ山口FC:10勝14分16敗で勝ち点44(36得点62失点)-26で現在20位

先制試合:14試合 10勝4分0敗(先制すれば負けなし)

先制された試合:22試合 0勝6分16敗(今季逆転勝利なし。前節先制されるも追いつく)

スコアレスドロー:4試合(22節栃木、23節藤枝、26節いわきFC、35節磐田戦)

ホーム:   6勝8分6敗 勝ち点26    24得点  32失点 得失点-8

アウェイ: 4勝6分10敗 勝ち点18    12得点  30失点 得失点-18

リーグ戦では16名が得点(梅木が6得点、池上・河野が5得点、矢島3得点、沼田圭悟・皆川・シルビオジュニオール・五十嵐が2得点、野寄・高木・山瀬・キムボムヨン・生駒・吉岡・ヘナン・田中が得点を記録)

複数得点:7試合 
複数失点:20試合
無失点:12試合 
無得点:13試合
※現在5試合連続得点中(今季3度目)6試合連続得点はなし(1-5節、11-15節、36-40節)

<得点>前半に13得点 後半に23得点 
<失点>前半は33失点 後半は29失点
後半16分~30分で11得点と最も多い。また、失点は後半31分以降に16失点

36得点中セットプレーでの得点は14点の38.9%。高木、山瀬、田中、シルビオジュニオールのPKで3得点。佐藤のFKや池上の直接FK2本、矢島・池上・山瀬・吉岡のCKから起点それぞれ得点を記録

62失点中セットプレーからの失点は20で割合は32.3%(FK7失点、CK6失点、PKで3失点等)

終盤までの残留争いとなった。今季を振り返れば、名塚監督が5/8に退任

暫定的に中山監督が指揮を執り、5/29にフアンエスナイデル監督が約5ヵ月指揮をとった

序盤の3戦負けなしで一時は3位を付けたが、そこからなかなか難しい時間もあった

6試合連続無失点で上昇のきっかけを掴みつつも上位進出は叶わなかった

それでも今季はホーム戦は6勝8分6敗と五分の戦績を残している

後押ししてくれるサポーターと共に、維新の地で勝利を来季に繋げたい

FC町田ゼルビア:24勝9分7敗で勝ち点81 (74得点34失点)+40 今季優勝確定

先制試合:27試合 22勝1敗4分(31節の清水戦のみ逆転負け)

先制された試合:10試合 2勝3分5敗(23節の大宮戦は2点差を逆転勝利、31節岡山戦で逆転勝利)

スコアレスドロー:3試合:1節仙台戦、33節群馬、35節藤枝戦でスコアレスドロー

ホーム:   13勝4分4敗 勝ち点43      41得点  22失点 得失点+19

アウェイ: 11勝5分3敗 勝ち点38       33得点  12失点 得失点+21

リーグ戦では18名が得点(エリキ18得点、デュークと藤尾8得点、平川と荒木が6得点、チャンミンギュ・下田が4得点、宇野・翁長・高橋3得点、沼田駿也・安井が2得点、黒川・鈴木・バスケスバイロン・松井・奥山・池田が得点を記録)

複数得点:23試合 
複数失点:7試合
無失点:17試合 (1-0の勝利は5度)
無得点:6試合

<得点>前半37得点 後半に37得点 
<失点>前半は16失点 後半18失点

今季は74得点中セットプレーでの得点は24点の32.4%。鈴木が直接FK、下田・池田・翁長が起点に
PKはエリキと藤尾が2本、下田も1本記録

34失点中セットプレーからの失点9で割合は26.5%(FKから4失点,CKから2失点、PKで2失点)
※町田の7敗中セットプレーからの失点は5試合

開幕から7試合負けなし。そこには6連勝も含むスタートダッシュを切った町田

1試合平均の失点数は1を割る堅守であり、得点力もある

9節の磐田戦で引き分け一時首位の座を譲ったが、今季はほぼずっと首位に立ち続けた

エースのエリキの負傷や、FWメンバーの代表招集もあり難しい時期もあった

それでも勝利にこだわり、そして駆け抜けた2023年シーズンは優勝&昇格という新たな歴史を変える1年になった

試合を通じての安定感や得点力。エリキの18得点、藤尾とデュークの8得点も素晴らしい数値だが、他のメンバーも出番の中でしっかりと結果を出した。だからこそ、残2試合。色んな思いを抱く選手たちもいる中で、チームとして、プロの選手として最後までどのようなプレーを見せていくか注目していきたい

個人的な見どころ

今季は16節に対戦し町田がホームで2-0で勝利をしている
この試合は中山元気暫定監督指揮の下戦い、町田が平河のアシストでデュークが得点
そして下田北斗が得たPKをしっかりと決めて前後半それぞれで1点を奪い勝利を飾った

フアンエスナイデル監督にとっては今季の町田との対戦は初

そして黒田監督は昇格・優勝を確定させ、前節ホームで喜びを分かち合ったチームを残りアウェイ戦2試合どのようにマネジメントしていくのか注目していきたい

個人的な注目ポイントは3つ

①町田のメンバー編成と徹底力
②前半の入り
③交代メンバーでの変化

①町田のメンバー編成と徹底力
町田は熊本戦で昇格、そして金沢戦はホーム最終戦。優勝は確定していたが、勝利で飾り歓喜の中でシャーレを掲げた

あの歓喜から1週間。残り2試合はアウェイ戦であり、この試合をどのようにチームとしてマネジメントをして戦っていくのか?

スタメン入りできるのは18人。その18人に入るために日々のトレーニングがあり、選手たちの積み上げがある。厳しい世界ではあるからこそ、出番をもらった選手たちは積み重ねてきた準備をピッチ上で見せる

山口戦でのメンバー編成。そして、その個々の選手たちがチームのコンセプトやプレーをしっかりと体現しながら90分間を戦い切る事ができるかどうか。チーム、監督、個人としてのプレーの軸をぶらさずに戦えるか注目したい

一方の山口も後述するが、前節は前半は仙台にペースも含めて上回られた

だからこそスタートから良い入りができるメンバー編成を選び、改善を図るはず。どのメンバーをチョイスし、しっかりと立ち上がりから果敢に戦えるか楽しみにしたい

②前半の入り
山口は今季先制すれば負けなし。そしてホーム戦に限れば3試合連続で先制に成功している(群馬・金沢・岡山戦)

特にFWの梅木は今季ここまで記録した6得点は全てホーム戦。強度の高い町田の守備に対して臆する事無く、ゴールに迎えるか?前半の入りでの変化に期待したい

一方の町田は前節電光石火の先制ゴールを決めた
鈴木準弥のクロスは意図通りではなかったかもしれないが、それでもあのようなクロスの形や、中に選手が入っている場面をつくっていることこそが序盤からゴールを狙いにいった証のはず

シュートは打たないと入る事はない。そうしたアグレッシブな気持ちを、起用された選手らが見せる事ができるかどうか注目したい
メンバーの入れ替えが仮にあったとしても、これまでの質を上回るプレーを代わった選手は見せていきたい

③交代メンバーでの変化
山口は前節後半のスタートから選手交代を行い、沼田圭悟選手を起用。サイドの幅を使い攻撃に変化を掴んだ

またこちらも途中交代のシルビオジュニオール選手が同点ゴールを決め、五十嵐選手や成岡選手がゴールに向かうプレーを見せ流れを変えた

今季の成績や前節の戦いを見ていく中で、山口にとって苦しい時間帯は長くなるかもしれない
そこをしっかり粘り強く戦い、交代で流れを変える事ができるかどうか

町田はセットプレーからの失点も少なく屈強なCB陣もいる
フレッシュな交代メンバーで山口は打開を図っていきたい

一方の町田は起用メンバーによっては変わる部分もあるかもしれないが、普段スタメンから出ている選手が控えからといった事や、久々の試合出場となる選手もいるかもしれない

そうした中で途中から試合にしっかりと入る事ができるかどうかは重要になりそうだ

与えられた役割を理解し、そのプレーを見せる+αの要素を出し切る事ができるかどうか?

メンバーの入れ替えでバランスを崩すことなく、誰が出ても良いクオリティーを見せる事ができるか、交代メンバーが入ったあとの全体の変化にも注目したい

さて、維新みらいふスタジアムで行われるレノファ山口FC対FC町田ゼルビアの一戦は11/5の13時5分よりキックオフ!

私にとっても今季最後のJリーグ中継になります。バスケットと連日の中継ですが、しっかり最後まで準備して臨みたいと思います。よろしくお願いいたします。


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