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Bリーグ2023-24シーズン第25節大阪エヴェッサ対FE名古屋の個人的な試合展望

リーグ戦もいよいよ終盤。この水曜日の試合が終われば再び2週間のブレイクがあります。(天皇杯を戦うチームはあります)
そこからは終盤に向けてシーズンの締めくくりへ

地区優勝、CS進出、そして残留争いなどここからは様々な感情の変化がより多く出てくるかもしれません

ホームの大阪は前節アウェイで三河と対戦。1勝1敗としGAME2での勝利で連敗をストップ。約1か月振りにホームへ戻ってきます

一方のFE名古屋は好調の4連勝。前節はホームで信州と対戦し両日勝利を飾って20勝21敗と五分の戦績まであと1勝としました
CS進出に向けて、可能性のある限り目の前の試合に対して全力で向かう両チーム

大阪は前節金曜・土曜の試合だったため中3日。FE名古屋は中2日で迎える水曜ナイトゲーム。好ゲームに期待しましょう

解説:鈴木慶太さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(3/5時点)24節終了時点

大阪エヴェッサ【平均77.6得点(リーグ14位)平均82.5失点(リーグ19位)】15勝26敗で西地区7位(前節連敗ストップ)

大阪はバイウィーク明けの前節アウェイで三河と対戦。金曜日のGAME1は61-73で敗戦。リバウンドは40と奮闘も、TO15回が響きアウトサイドのシュートも難しい状況だった
ペイントエリアで得点は重ねるも、今季の平均38.1得点を下回る34点だった

しかし土曜日のGAME2ではFGが34/70と攻撃回数は増え、3Pの成功率もGAME1より6%向上。何よりTOが7回と1ケタ台を記録し、リバウンドも44回とGAME1を上回り結果は88-75で勝利を収めた

ロングがGAME2は27得点、14リバウンドと圧巻のプレーを見せた
カロイアロは3Pこそ0/3だったが、2Pの成功率は9/11で8割を超え、上手さを髄所に見せた
竹内や飯尾をコンディション不良で欠く中だったが、西川や多嶋も要所で輝きを見せ、チームで粘り強く勝利を飾り連敗を3で止めた

今季の大阪はここまでインサイドに強みを見せている。2点のFGは1試合平均で40.6回(リーグ5位)そして成功数は21.5回でリーグ2位を誇る
3Pの試投数はリーグ最小の1試合平均21.9回だが成功率は33.7%で7位と高い水準だ

一方で今季は1試合平均の失点数は82.5失点でリーグ19位。TOの数が1試合平均13.4回でリーグ18位。リバウンドも平均36.1回とリーグでは19位の水準だ

ただ、前節は失点を70点台に抑え、リバウンドも平均を上回る数字を見せた。チームでつくる展開に流れを持っていき、FE名古屋のタフな守備をかいくぐって勝機を伺いたい

FE名古屋【平均73.5得点(リーグ23位)平均74.8失点(リーグ7位)】20勝21敗で中地区5位

前節はホームで信州と対戦。GAME1は94-83とハイスコアなゲームを制した
特に2Pは27/41で65.9%の成功率
ファストブレイクで28得点をもぎ取り、スティールも13回を記録
まさにFE名古屋らしい良い守備からのトランジションで勝利を引き寄せた

ただ、GAME1で今季24試合プレー(内21試合スタメン)の相馬が負傷

そうした中GAME2は一緒に戦うメンバーも奮起
前半こそお互いにミスもあり、難しい展開にはなったが、後半にリードを広げて結果は50-74で勝利を飾った
GAME2もチームでスティールを13記録。リバウンドでも43回と相手を上回り、自分たちのリズムで勝ち切った一戦だった

FE名古屋はこれで4連勝で5分の戦績まであと1勝と迫っている
3連敗からの4連勝でチームは勢いに乗るが、目立つのはチームで一体感のある攻守だ

総得点の内55.6%が2Pで、割合だけでみればリーグ1位。ペイントエリアでの得点割合が49.4%でこれもリーグ1位
確実性の高い得点を堅実に積み重ねる。そこには相手チームのTOからの得点。そしてファストブレイクからの得点で全員が意思疎通をして、攻守の切り替えを行えているからかもしれない
スティール平均は1試合で7.9回でリーグ2位。前述したファストブレイク、TOからの得点はリーグ7位だが、得点数の割合でみればかなり高い水準になる

スタイルが確立されているからこそ、それを1試合集中して遂行できるかどうか?連勝を伸ばし、戦績を五分に戻してリーグの終盤を迎えたい一戦だ

両チームのメンバー編成

大阪エヴェッサ
HC:マティアス・フィッシャーHC(2年目)

■選手(継続)
橋本拓哉(9季目:2012-13のbjリーグ時代でのプレー含む)
竹内譲次(3季目)
合田怜(8季目))
飯尾文哉(昨季特別指定選手でプレー今季からプロとしてプレー)
木下誠(3季目)
鈴木達也(2季目)

■新加入(IN)
ショーン・ロング(北海道から加入)
西川貴之(佐賀から加入)
アンジェロ・カロイアロ(トルコのクラブから加入)
イアン・ハマー(ギリシャのクラブから加入)
土屋アリスター時生(三遠から加入)
多嶋朝飛(茨城から加入)
髙木 拓海(大阪産業大学より特別指定選手として加入)

■他チームへ移籍
エリエット・ドンリー(信州へ移籍)
星野零志(岩手へ移籍)
ショーン・オマラ(FE名古屋へ移籍)
アイラ・ブラウン(千葉Jへ移籍)
ディージェイ・ニュービル(宇都宮へ移籍)
カイル・ハント(新潟へ移籍)

FE名古屋

HC:川辺泰三(5年目)AC時代含めると7年目

■選手(継続)
エヴァンスルーク(3季目)
中村浩陸(2季目)大阪で過去プレー
満尾竜次(2季目)昨季特別指定選手でプレー
相馬卓弥(3季目)大阪で過去プレー(現在負傷中)
笹山貴哉(3季目)
ジェレミー・ジョーンズ(3季目)

■新加入(IN)
杉本天昇(新潟から加入)
ショーン・オマラ(大阪から加入)
川嶋勇人(秋田から加入)
鍵冨太雅(茨城から加入)
根来新之助(三遠から加入)
佐土原遼(広島から加入)
アーロン・ヘンリー(フランスのクラブから加入)

■他チームへ移籍
宮崎恭行(引退発表後、ヴィアティン三重へ移籍)
野﨑零也(川崎へ移籍)
宮本一樹(滋賀へ移籍)
林瑛司(奈良へ移籍)
葛原大智(佐賀へ移籍)
石川海斗(信州へ移籍)
アンドリュー・ランダル(香川へ移籍)
ストックマンJr.ケドリック(湘南へ移籍)

●自由交渉選手リスト
ジョナサン・ウィリアムズ→フィリピンでプレーし活躍

両チーム所属選手の縁はいくつかあります
FE名古屋所属で過去大阪でプレー経験のある選手
根來選手:2016-19シーズン大阪でプレー
中村選手:2019-22シーズン大阪でプレー
相馬選手:2013-17シーズン大阪でプレー
オマラ選手:2019-20,2022-23シーズン大阪でプレー
そして川辺HCも2012-13シーズン大阪でプレー(なので橋本と共にプレー経験も)

西川と川嶋は三遠で共にプレー(2019-21)
多嶋と鍵冨は茨城で昨季共にプレー(2022-23)
多嶋と杉本は北海道で共にプレー(2019-20)
竹内と川嶋はA東京で共にプレー(2013-2016)
飯尾と杉本は日本大学の先輩後輩(杉本が2つ先輩)
木下と笹山は名古屋Dで共にプレー(2018-21)
鈴木と川嶋は三遠で共にプレー(2017-21)

様々な縁がある一戦。コート内外でのコミュニケーションに注目したい

過去の対戦成績(大阪2勝・FE名古屋3勝)リーグのみ

今季は11月にFE名古屋のホームで対戦し82-74でFE名古屋が勝利をおさめている。この試合は前半で10点のリードを奪ったFE名古屋が3Qでもリードを広げ、4Qに粘る大阪を振り切り勝利を飾った

大阪は敗戦もカロイアロが22得点、飯尾・木下と日本人プレーヤーが2桁得点をマーク。橋本も3Pを3/5と高確率に沈めた

勝利したFE名古屋はアーロンヘンリー21得点。ジェレミージョーンズは3Pを3/6と高確率で決め18得点
佐土原、オマラは10得点と2桁得点をマークし勝利に貢献した

特にジェレミージョーンズは3スティール、3BSと攻守で大貢献だった
前回対戦時は合田、ロングとファールアウトという部分もあり、難しい展開となった大阪。今回はどんな戦いを見せるか注目したい

2023-24シーズン(FE名古屋1勝)

FE名古屋 82-74 大阪 2023.11.8

2022-23シーズン(大阪2勝・FE名古屋2勝)

FE名古屋 66-77 大阪 2022.10.26
大阪 81-72 FE名古屋 2022.12.17
大阪 72-83 FE名古屋 2022.12.18
大阪 79-90 FE名古屋 2023.03.08

大阪は対FE名古屋に対して2022年の12月17日以来勝利なし
FE名古屋は逆に対大阪戦は現在3連勝中だ

今季2度目の対戦となる大阪対FE名古屋
混戦の西地区で1つでも順位を上げたい大阪はホームで勝利を
そして、FE名古屋は戦績をまずは五分に戻し、初のCS進出を狙いたい

個人的な見どころ

バイウィークがあけてB1リーグは先週各地で熱戦を繰り広げた

4ヵ月ぶり、今季2度目の対戦で相まみえる両チーム
連敗を止めた大阪は、ホームで連勝を飾りたい
大阪が連勝となれば12/23-24で長崎に連勝した以来となる

FEは今季開幕4連勝。そして11/12の三河戦から12/9の長崎戦で5連勝を飾っている。今季2度目の5連勝、そして戦績を21勝21敗の5分に戻す事ができるか注目したい

試合の展開の中で、個人的に注目したい点は以下の3つ
①注目のインサイド対決
②大阪のオフェンス、FE名古屋の守備
③日本人プレーヤーの活躍がカギ

両チームインサイドが持ち味のチームでもある
前述したが、大阪とFE名古屋は総得点の内ペイントエリアでの得点が圧倒的に多い
数字で見ても大阪が49.2%でリーグ2位。FE名古屋が49.4%でリーグ1位だ
平均得点では大阪が上回っているので、実質のペイントエリアでの得点数は大阪が上回っているものの、特徴のある両チームと言える

大阪であればペイントエリアでの得点の上位はロングが1試合平均13.7得点、
カロイアロが9.0得点。そしてハマーが5.1得点と続く

一方のFE名古屋はペイントエリアでの得点の上位は、オマラが11.7得点、ヘンリーが7.5得点、ルークが5.4得点に佐土原・ジョーンズが3.9得点と続く

インサイドで言えば大阪はロング(チーム総得点の23.1%がロングの得点)一方のFE名古屋は古巣対戦にもなるオマラ(チーム総得点のうち20%がオマラの得点)
直近の4試合ではオマラはベンチからのスタートだが、4試合連続2桁得点を記録。今節はこの両者のインサイド対決を中心に、どのように他の選手がコントロールするか注目したい

そして2つ目の大阪のオフェンス、FE名古屋の守備
平均得点では大阪、平均失点の少なさではFE名古屋が上回っている

良い時の大阪はボールも良く回り、チームで得点を重ねていける。特にロングやカロイアロはインサイドでも強さを誇りながらアシストも記録できる

一方のFE名古屋は守備からの切り替えが素晴らしいチームでもあり、スティール数の平均はリーグ2位の7.9回。前節は両日13回と高水準を記録
けん引するのが外国籍選手であるジェレミージョーンズとアーロンヘンリー、そして過去スティール王にも輝いた川嶋だ
個人の守備ではなく、チームとしての守備と切り替えで自分たちのリズムをしっかりとつくってくる

対する大阪はオフェンスで上手くコントロールしながら、相手の圧力をかいくぐりミスなく集中したプレーを長く続けたい
前回対戦では大阪も気迫のこもった守備は見せたがファウルトラブルにも陥った。こうした攻守のバランスでお互いの良さが出せるか注目したい

最後に日本人プレーヤーの活躍がカギという部分では、大阪は橋本や木下、鈴木。FE名古屋は佐土原や笹山、杉本に期待がかかる
もちろんコンディション不良から飯尾や中村も戻ってこれば、若い両者のエナジーが試合の流れを大きく変えてくれるかもしれない

インサイドではロングとオマラ。そしてカロイアロとヘンリーは器用で万能型のプレーヤーだ。大阪は帰化選手はいないが、竹内や土屋など高さのあるラインナップもオプションとして持ち合わせている
外国籍選手同士による個々のマッチアップに加えて、彼らを活かし、自分たちも生きるプレーを展開できるかどうか

膠着した状態になればなるほど、その中で特に日本人プレーヤーのステップアップが勝敗を分けるかもしれない

今季2度目となる大阪対FE名古屋の一戦。水曜平日のナイトゲームですが、好ゲームに期待しましょう!

お時間のある方はおおきにアリーナ舞洲。またはバスケットLIVEなどで是非お楽しみください!

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