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2022明治安田生命J1リーグ第27節ヴィッセル神戸VS湘南ベルマーレの個人的な見どころを紹介

J2では新潟の昇格が決まりました。様々な事が決定するシーズン終盤。今節はACLの兼ね合いで延期となっていた試合が各地で開催されます

横浜FMと川崎Fの優勝争いに加え、セレッソ大阪とFC東京はACL争いの直接対決。加えて今回担当する神戸VS湘南は12位対13位で勝ち点差も「2」の直接対決
今節ではまだ残留は確定しませんが、今節勝利したいチームは大きく残留を手繰り寄せると言っても過言ではないでしょう
それだけ熾烈を極める各争い。現在の順位状況は以下になっています

32節終了時点のJ1リーグ順位表(2022年10月11日時点:Jリーグ公式HPより引用)

神戸は前節ホームで3位広島と対戦。セットプレーからのプレーで広島の今津がVARチェックの結果レッドカードで退場。前半9分で1人少ない状況となった広島は難しいゲームを強いられます

神戸は数的有利を活かし後半にはわずか4分間で3得点とリーグ戦4連勝で12位まで順位を上げました。神戸にとっては次節川崎F戦、最終節はホームですが首位の横浜FM戦と、優勝争いも熾烈なだけに何とかこの一戦で勝ち点を積み上げたいところです

一方の湘南は前節アウェイでFC東京と対戦。高さのあるウェリントンと機動力のあるタリクの外国籍2人が前線を任されました
カラーのある両FWの特徴は上手く生かしつつ、湘南は前半から押し込みシュートの数でも大きくFC東京を上回りますがなかなか得点には至りません
しかしながら途中から入った阿部と町野がそれぞれ得点を奪い、川崎戦以来となる複数得点で5試合ぶりの勝利
チームも4試合負けなしとこの終盤で確実に勝ち点を積み上げて13位につけています

前半戦では5月21日に対戦し湘南が今季初となる複数得点で2-1の勝利。神戸も終盤まで粘りましたが悔しい敗戦という結果でした。そこから再度、お互いににとって重要な局面での対戦となります。まさに両チームの意地とプライド、気迫が衝突する。そんな一戦になるはずです。

中3日とタイトなスケジュールにはなりますが、この試合が終わればリーグ戦は約2週間の間隔が空きます

死力を尽くしつつも、タフでクリーンな一戦に期待したいと思います

(J1リーグ 解説:橋本英郎さん リポーター:竹島麻里子さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2022/10/11時点)

ヴィッセル神戸:10勝7分14敗で勝ち点37の12位 (32得点36失点)得失点差-4

ホームで声出し応援適用試合となった一戦。試合前にサポーターのフラッグに出迎えられ神戸の選手たちは漲るパワーをもらいながら上位広島を迎えました
天皇杯から大幅にメンバーを変更した広島。立ち上がりに得たFKを浅野が蹴ると良い軌道でゴール方向へ。そのボールに合わせようとした今津と前川が接触。VARが介入し結果は今津にレッドカードが与えられ神戸は早い時間で数的有利となります

そこから目先を変えたセットプレーで山口、大迫の折り返しを武藤が合わせます。ボールはゴール前の混戦となり、そこを菊地が粘り強く押し込んで神戸が先制に成功します

しかし広島も前線に特徴のある選手おり、ゴールに迫るシーンを何度も見せましたが粘り強い守備で神戸は1点リードで後半へ

次の1点が両チームにとっては重要となりますが、神戸が約4分間で3得点と怒涛のゴールラッシュを見せる。小林祐希、酒井、汰木と得点を決め4-0
そこから集中力を切らさず複数得点かつ無失点でリーグ戦4連勝を飾った

2022明治安田生命J1リーグ第32節神戸VS広島の試合結果:Jリーグ公式HPより引用

神戸にとっては価値ある勝ち点3だった。今季好調かつ、現在上位の広島相手にホームで勝利。もちろんメンバーの交代や退場という要因はあったにせよ、残留争いに向けて大きな勝利を得た

神戸が残すリーグ戦は今節の湘南戦の後に川崎F、そして横浜FMと上位争いが続く。今季は熾烈を極める残留争い。他力ではなく自力で残留を勝ち取るために今節の湘南戦は中3日だがチーム全員で戦い、勝利を飾りたい

湘南ベルマーレ:8勝11分12敗で勝ち点35の13位 (26得点37失点)-11

対する湘南も神戸と同じく重要な局面を迎えている。前節アウェイでFC東京と対戦し前半から攻勢を強め、最後は交代選手が結果を出し2-0と川崎F戦以来5試合ぶりとなる勝利を得た
とはいえ、直近は4試合負けなし。川崎戦、清水戦、セレッソ大阪戦は後半アディショナルタイムに得点を奪い勝ち点を積み上げてきました

前節のFC東京戦では前線にウェリントン、タリクと特徴のある外国籍選手を起用。特に前半は湘南がFWの特徴を生かしつつ、自分たちのサッカーを展開し主導権を握る
しかしながら、なかなか得点を奪う事が出来ずペースは握りつつも0-0のスコアレスで折り返します

後半はFC東京も勢いを取り戻すも、GK谷の好セーブや粘り強い守備で得点は割らせず、運動量で上回る湘南が再びペースを握りはじめます

湘南は更に運動量や前への推進力のある瀬川と町野を投入し更に勢いをチームに与えます
そして78分には阿部が見事なミドルシュートを放ち先制。そして82分に町野がハーフウェイラインからドリブルで相手をかわしつつゴールを決めて貴重な追加点を奪い勝負あり。アウェイで湘南らしさを見せて2-0と勝利を飾り、大きな勝ち点3を得た一戦だった

2022明治安田生命J1リーグ第32節FC東京VS湘南の試合結果:Jリーグ公式HPより引用

ハードワークやスピード感を持った攻守はこれまで培ってきた湘南スタイルであり、課題である決定力は前節の2得点もありチームとしては良い雰囲気でアウェイ戦を迎えます。
4試合負けなし。そしてアウェイ3連戦だが、粘り強い戦いはこれまでの歴史が証明をしてくれています。今季は既に勝利数では昨季を上回っています
毎年素晴らしい好ゲームを見せてくれる両チームの対戦だけに、今節残留争いという構図にはなるが白熱した90分間に期待をしたい一戦です

過去の対戦戦績(ヴィッセル神戸の5勝・湘南ベルマーレの9勝・7度の引き分け)リーグ戦のみ

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると神戸の5勝、湘南の9勝、引き分けが7回です(J1、J2のリーグ戦のみ)

今季は14節に湘南のホームで対戦し2-1で湘南が勝利。リーグ戦5試合ぶりの勝利、今季初のリーグ戦ホーム初勝利、更には複数得点を記録(湘南:町野2得点 神戸:菊地)
★前回対戦時はカップ戦から中2日の対戦でした

昨季は神戸のホーム戦では3-1の勝利
(神戸:古橋・山口・中坂 湘南:タリク)
湘南のホームでは0-0のスコアレスドローでした

2020年の対戦では湘南が神戸のホームで2-0勝利(岡本と齊藤のロングシュートも)

現在の所属選手では
神戸は対湘南戦では中坂2得点、山口、酒井、菊池、郷家、佐々木が得点
湘南は対神戸戦で町野2得点、タリク、岡本、杉岡、大岩が得点

※古巣対戦
神戸)なし
湘南)ウェリントン(2018年-19年在籍しリーグ戦は43試合11得点と活躍)
米本も2008年に特別指定選手として神戸に帯同も出場はなし

神戸は2008年以来となるリーグ5連勝を狙います
一方の湘南は今季3度目となる連勝を狙い勝ち点の上積み、残留争いから抜け出る大きな勝ち点3を狙います

どちらにとっても重要な勝ち点の行方。神戸のホーム戦では、2010年にスコアレスドローがありましたが、それ以降は得点が生まれる試合になっています。今季も見どころ、そして順位や状況を見てもお互いに重要な一戦になりそうです

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)2022年10月12日時点

ヴィッセル神戸:10勝7分14敗で勝ち点37の12位 (32得点36失点)-4
先制試合:15試合 9勝3分3敗(6節京都戦、7節FC東京戦,17節柏戦で逆転負け)
先制された試合:12試合 1勝0分11敗(30節のガンバ戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:2節、5節、15節、29節の4試合

ホーム: 6勝3分6敗 勝ち点21  19得点  13失点 得失点+6
アウェイ: 4勝4分8敗 勝ち点16 13得点  23失点 得失点-10
リーグ戦では12名が得点(大迫6得点、武藤・汰木5得点、菊池が4得点、イニエスタ、小林祐希、山口が2得点、槇野、山川、橋本、初瀬、酒井が得点)
複数得点:9試合  
複数失点:11試合 
無失点:10試合 
無得点:14試合
リーグ戦は4連勝中。5試合負けなし。ホーム3連勝中と波に乗っている

<得点>前半に14得点 後半に18得点 
<失点>前半は14失点 後半は22失点
前半・後半開始15分以内に6得点、後半開始15分以内に9失点

今季は32得点中セットプレーでの10得点は点の31.3%。
汰木のFKやCKから得点にも繋がっている,大迫もPKで2得点を記録
36失点中セットプレーからの失点は13で割合は36.1%(FKから4失点、CKから7失点,PK1失点)


湘南ベルマーレ:8勝11分12敗で勝ち点35の13位 (26得点37失点)-11
先制試合:10試合 7勝1分2敗(5節鹿島戦、7節の名古屋戦は逆転負け。前節10試合ぶりの先制)
先制された試合:16試合 1勝5分10敗(28節の川崎F戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:5試合
ホーム: 4勝6分6敗 勝ち点18  12得点  22失点 得失点-10
アウェイ: 4勝5分6敗 勝ち点17 14得点  15失点 得失点-1

リーグ戦では9名が得点(町野10得点、阿部・池田3得点、ウェリントン・大橋・瀬川2得点、タリク・大岩・山本が得点)杉岡がチームトップの4アシスト

複数得点:5試合(前節5試合ぶりの複数得点 
複数失点:9試合(無失点も多いが、大量失点の試合も)
無失点:11試合 
無得点:12試合(最多得点として15節の川崎F戦で4得点)

<得点>前半5得点 後半に21得点 
<失点>前半は13失点 後半24失点
後半立ち上がりの15分間で10失点。今季最後に前半に得点したのは7/6の20節ガンバ大阪戦(前節押し込む時間も前半はあったが得点生まれず)

今季は26得点中セットプレーでの得点は7点の26.9%。杉岡・茨田のCK起点や、28節町野のPK等。37失点中セットプレーからの失点11で割合は29.7%(CKから7失点,PKで4失点)

前節も前半素晴らしい戦いぶりを見せつつも得点は生まれず。しかしながら途中から入った阿部・町野の得点で勝利を飾った

個人的な見どころ

前回は5月21日に湘南のホームで対戦し2-1で湘南が今季リーグ戦ホーム初勝利を飾りました

混戦極める残留争い。神戸が12位、湘南が13位と前節お互いに勝利を飾り順位を上げました
しかしながら両チームの勝ち点差は「2」今節の結果で順位が入れ替わる可能性もある。その一方で神戸は勝利すれば自動降格を免れる勝ち点40に乗せる事もできる一戦です

前節終了後湘南の山口監督は「勝利を飾れた事でホッとしている」とも語り、攻撃のための守備の強度とも話をしていました
また、ボールを上手くコントロールする時間などもあり、この終盤で新たなチームの良さが見える場面もあった
湘南の得点は阿部、町野と個の部分もあったが、それまでの粘り強い守備や戦いが実を結んだ結果でもあったように思う

前回対戦時は湘南の強度の高い守備、プレスに神戸は苦しみました
なかなか前を向けず、リズムを創り出す事ができず杉岡のシュートのこぼれ球を町野に押し込まれ、その後ビルドアップを町野にひっかけられて失点という結果でした
神戸は前回対戦時セットプレーで菊地の得点で1点を返し、終盤もFKから決定機を得ますが結果は2-1で湘南が勝利

約5か月が経過してお互いに夏の移籍でメンバー変更もありました
神戸はイニエスタが現在負傷離脱も大迫の復帰、小林祐希の加入、監督もロティーナ監督から吉田監督に代わり戦い方の変化はあります

湘南は田中聡の移籍はありましたが、阿部、中野の加入は影響がありそうです。アグレッシブな立ち上がりや守備の強度は変わらず、山田や米本、茨田等で試合コントロールもできる場面も見せました

連動したプレスではめて、守備のスライドも機能していた湘南に対して、神戸はどのような戦い方を見せるか?前節の広島戦では早い時間に相手の退場もあり、用意していたゲームプランは上手く機能できませんでしたが、その部分が今節生きるところもあるかもしれません

個人的には前半の立ち上がりの強度と先制点の行方
湘南は今季前半の得点が5得点と低迷。前節同様いい立ち上がりで前半の内に得点を決めきりたい
一方の神戸はサイドからの攻撃や、セットプレーからの得点でチャンスをモノにしたい
ホームの後押しを得ながら、最後の最後まで粘り強く戦い切れるか注目となりそうです
試合は最初から最後まで目が離せない試合になるように感じます

偶然ではありますが、神戸のホーム湘南戦は印象的な場面が多くありました

神戸にとっては2018年はイニエスタのJデビュー戦(この試合は湘南が勝利)

2019年公式戦9連リーグ7連敗を止めた試合がホーム湘南戦でもありました

他にも齊藤未月のスーパーロングシュートも神戸戦(2020年)

谷と飯倉のGKのセーブ合戦もサポーターの皆さんにとっては記憶に残っているかもしれません

たまたま5年連続このカードを担当しているのですが、神戸のホーム戦での湘南戦だけを切り取ると

2018年 3-0で湘南勝利
2019年 4-1で神戸勝利
2020年 2-0で湘南勝利
2021年 3-1で神戸勝利

と多くの得点が生まれ勝敗がはっきりつく直近4年の神戸でのホーム戦。今節はどんな戦いになるのか楽しみにしたいと思います

中3日タフな一戦ですが、激闘の90分間を楽しみにしたいと思います



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