2024明治安田J1リーグ第7節ヴィッセル神戸対横浜F・マリノスの個人的な見どころを紹介
昨季の優勝争いでJ1リーグを盛り上げてくれた両チームが今季初めて対戦する一戦
今節のピックアップマッチにもなり、注目度の高い一戦となる
神戸は札幌戦から、アウェイ鳥栖、そしてホームに戻り今節の一戦を迎える
一方の横浜FMはACLの兼ね合いもありリーグ戦は1試合未消化
今節が終われば、中2日で水曜日にもガンバ大阪戦を控えている
連戦が続く中神戸はこの3連戦ここまで1勝1分け。一方の横浜FMは1分1敗。連覇を狙う神戸、王座奪還を目指す横浜FM、共に勝ち点3を積んで順位を上げたい一戦
強度も、切り替えも、連動性も高いレベルにある両チーム。流れを掴み、大きな勝ち点3を手にするのはどちらのチームか?楽しみです
(J1リーグ MC:ハリー杉山さん 解説:福田正博さん・橋本英郎さん リポーター:竹島 麻里子さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります
順位と前節の振り返り(2024/4/6時点)(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:3勝2分1敗 勝ち点11の4位 10得点 3失点(+7)
神戸は大量得点で勝利を飾った札幌戦から勢いを持ってアウェイ鳥栖戦へ
連戦ではある中で先発メンバーの交代は1名
本多に代えて初瀬を先発メンバーに起用。残る10名は同じメンバーでのスタート起用となった
神戸は長いボール、前線からの守備を明確に行いながら鳥栖ゴールに迫る
特に前半は武藤がクロスからチャンスをつくり、ミドルシュートも積極的に放つも得点は奪えず
またセットプレーも多く獲得し、チャンスをつくるもあと一歩及ばず
逆に、雨風が強くなってからはボールのコントロールも難しくなり、鳥栖がゴールに迫る場面も見せた
前半の途中に広瀬が負傷交代。更に、ハーフタイムで途中交代で入った飯野が交代になるなどアクシデントが続いた
後半は佐々木のクロスから大迫がチャンスをつくる場面もあったが、鳥栖の集中した守備もありゴールを奪えない
終盤はお互いにチャンスシーンをつくったが、粘り強い守りもあり得点は奪えず0-0のスコアレスドロー。連戦の中でメンバー交代は3名に留まった
とはいえ神戸もセットプレーは多く獲得し、多くのチャンスをつくった。天候が難しかった中で決めきり、勝利を積んでいく事は今後への課題かもしれない
神戸は昨季スコアレスドローは1度のみ。安定した守備に加えて、勝ち切る強さを次節以降発揮できるか注目していきたい
横浜F・マリノス:2勝1分2敗 勝ち点7の14位 6得点 6失点(±0)
ACLを並行して戦うマリノスはリーグ戦ここまで1試合未消化
ただ、今節が終われば中2日の水曜日に試合があり連戦は続く
ハードな日程の中だが、ケガ人の復帰もあり少しづつチームの再構築が進んでいる印象だ
前節はホームに川崎を迎えてのダービーマッチ。悪天候ではあったが、素晴らしい空間の中で試合は行われた
横浜FMは名古屋戦から宮内、植中、畠中、ポープウィリアム(出場停止明け)を起用
先発メンバーを4人を入れ替えて臨んだ一戦は立ち上がりにピンチを招くも、その後はマリノスのペースが続く
特徴であるサイドからのクロスに加えて、セットプレーでもゴールに迫ったが得点は生まれず0-0で前半を折り返した
後半は川崎がプレー強度を高めて主導権を握るも、退場で1人少ない状態となり再びマリノスペースに。数的有利で試合を進める中、決定機をつくるものの決めきれず試合はスコアレスドローで決着
両チーム10本以上シュートを放つも得点は生まれなかった
ただ、ゴール前の攻防も含めて球際も激しく見応えのある一戦だった
名古屋戦で復帰を果たした畠中が先発起用で存在感を見せ、コンビを組んだCB上島も素晴らしいプレーの連続だった
神戸には大迫や武藤といった前線のタレントに対して、どんなプレーを見せてくれるか楽しみにしたい
過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)
過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、神戸の10勝・横浜F・マリノスの28勝、引き分けが12回と横浜FMが上回っている
昨季は4月に神戸のホームで対戦し2-3で横浜FMが勝利
この試合は神戸が汰木の得点で先制し、大迫の追加点で2-0と神戸がリードするもアンデルソンロペス、渡辺皓太の得点で前半は2-2で折り返し
後半にアンデルソンロペスの得点で横浜FMがアウェイで勝利をおさめた
そして9月に横浜FMのホームで迎えた一戦は前半に大迫・武藤の得点で神戸が2点をリードし、そのまま0-2で勝利をおさめた
2023年シーズンはお互いに1勝ずつ
神戸にとっては昨季の勝利が2020年以来3年ぶりとなる対横浜FM戦の勝利となった。更に神戸はホーム戦に限ってみると、横浜FMには2011年以来勝利なしという状態が続いている(リーグ戦のみ。カップ戦では2012年にホームで勝利。それでも約11年はホーム戦で勝利なし)
今季はどんな結果になるか楽しみにしたい
■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手
ヴィッセル神戸:大迫と武藤が2得点、汰木1得点
横浜F・マリノス:アンデルソン ロペスが2得点、渡辺皓太、エウベル、天野、小池龍太が得点を記録
■古巣対戦
ヴィッセル神戸
扇原 貴宏:2017-21年在籍し144試合3得点
オビ パウエル オビンナ:2020-23年在籍し9試合プレー
広瀬 陸斗:2019年に在籍し20試合1ゴール
吉田監督:1999-2000、2006-2007年に選手として在籍
横浜F・マリノス
飯倉 大樹:2019年-2022年在籍し63試合プレー
扇原にとっても特別なチームの1つである横浜FMとの対戦。特に2019年、15年ぶりのタイトルを獲得したシーズンでは複数キャプテンを採用したチームの中で喜田・天野と共に3人でチームを引っ張った
喜田とは中盤でコンビを組んだシーズンもあったが、神戸移籍後両者が同じタイミングでピッチに立つ事はなかった
今節はスタートからこの両者の戦いを観る事ができるかもしれない
今シーズンの成績(リーグ戦のみ)
ヴィッセル神戸:3勝2分1敗 勝ち点11の4位 10得点 3失点(+7)
先制試合:2試合 2勝
※昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗。唯一の逆転負けが横浜FM
先制された試合:2試合 1勝1敗(3節のFC東京戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦(昨季は1試合のみ)
ホーム: 1勝1分1敗 勝ち点4 6得点 2失点 得失点+4
アウェイ: 2勝1分0敗 勝ち点7 4得点 1失点 得失点+3
リーグ戦では6名が得点(宮代3得点、大迫・武藤2得点、佐々木・汰木・山川が得点を記録)
複数得点:3試合
複数失点:0試合
無失点:3試合
無得点:3試合(昨季は4試合のみ)
<得点>前半に4得点 後半に6得点
<失点>前半は無失点 後半は3失点
※前半開始15分以内に2得点、後半開始15分に3得点と出だしに強い
10得点中セットプレーでの得点は5点の50%。大迫直接FKで1得点
初瀬がFKとCKから起点をつくる(CKから3得点、FKから2得点内1本は直接)
3失点中セットプレーからの失点は1で割合は33.3%(CKから1失点:3節FC東京戦)
安定した守備は健在の神戸。今季まだ複数失点はなく、ロングボールと切り替えの早い攻守、前からのプレスで自分たちのペースをつくっていく
そして今季はセットプレーからの得点が目立つ
昨季は大迫のPKで6得点。FKとCKからは10得点だったが、今季は既にFKとCKを起点に5得点を記録している。この強さを活かして流れをつくっていきたい
横浜F・マリノス:2勝1分2敗 勝ち点7の14位 6得点 6失点(±0)
先制試合:2試合 1勝1敗(5節名古屋戦で逆転負け)
先制された試合:2試合 1勝1敗(開幕戦の東京V戦で逆転勝利)
スコアレスドロー:6節の川崎F戦で今季初のスコアレスドロー(昨季は2度)
ホーム: 1分1敗 勝ち点1 無得点 1失点 得失点-1
アウェイ: 2勝1敗 勝ち点6 6得点 5失点 得失点+1
リーグ戦では4名が得点(アンデルソンロペスが3得点、水沼・松原・永戸が得点を記録)
複数得点:2試合
複数失点:2試合
無失点:1試合(6節の川崎F戦)
無得点:2試合(昨季は6試合のみ)
<得点>前半2得点 後半に4得点
<失点>前半は3失点 後半3失点
今季は6得点中セットプレーでの得点は2点の33.3%。PKとスローインを起点にそれぞれ得点を記録
6失点中セットプレーからの失点4で割合は66.7%(FKからの2失点はいずれも直接,CKから1失点等を記録)
2月からのACLではバンコク戦でCK、PKで得点を奪っている
横浜FMにとってはチームの歴史を変える初のACLでのベスト4進出を決めている今季。リーグ戦との並行で難しさもあるが、怪我なく、よりチームの完成度をどのように高めていくのかも楽しみにしたい
個人的な見どころ
昨季はお互いに1勝ずつ。今季のJ1リーグは3チームが降格というレギュレーションもあり、勝つサッカー・負けないサッカーなどシーズンはまだ序盤だが、戦いの中で色んな変化が求められてくるかもしれない
とはいえ軸を持つ両チームの戦いは相手も重要だが、どれだけ自分たちのサッカーを徹底し結果、成果に繋げる事ができるかが重要になる
注目ポイントは3つ
①連戦のメンバー編成。負傷者の代わりと次節への意識
②切り替えとサイドの攻防。得点王に仕事をさせない守備
③流れを変えるセットプレー
①連戦のメンバー編成。負傷者の代わりと次節への意識
神戸にとっては3連戦の3試合目。横浜F・マリノスにとっては6連戦の3試合目となる
神戸は前節の鳥栖戦で前半に広瀬が負傷、更に飯野もアクシデントで後半からプレーができない状況だった
佐々木の復帰は神戸にとっては大きいが、サイドでプレーできる選手の負傷が相次いている状態をどのように判断していくのか注目したい
恐らくスタートの前線は佐々木・大迫・武藤の可能性が高いが、交代のメンバーで誰がどのようにギアを上げる事ができるか?チーム内での競争も激しくなりそうだ
一方の横浜F・マリノスも前節途中でエウベルが負傷。渡辺皓太も名古屋戦と前節決してベストな状態ではないように映っている
少しづつケガ人も戻ってきている横浜F・マリノスにとってはプレー機会に飢えている選手も多くいるはず
エウベルが難しければ前線は宮市・アンデルソンロペス・水沼を予想
昨季アンデルソンロペスとホットラインを開通させたヤンマテウスの復帰も待たれる中、インサイドハーフの競争も過熱
天野や植中、ナムテヒに山根などスタート起用でプレーする選手と、変わってから流れを変える両面でのチャンスメイクに期待したい
②切り替えとサイドの攻防。得点王に仕事をさせない守備
両チームの特徴の1つにサイドを起点として得点パターンがある
サイドまでのプロセスに違いはあるが、切り替えから素早く自分たちの得意な形をつくっていきたい
神戸はポストプレー、競り合いに強い大迫におさまることでそこを起点にサイドへの展開もある
FC東京戦では大迫がおさめ、そこからラインを押し上げて、最後はクロスから宮代がヘディングでゴールを仕上げた。SBや前線の選手らが、サイドを活用し良い状態でフィニッシュまでの流れをつくりたい
横浜FMはビルドアップでサイドのスペース、そして中央を使いながらの展開も含めて選手たちがスペースを上手く活用しながらサイドを有効的に使っていく
京都戦ではアンデルソンロペスのプレスからボール奪取。そこから切り替えて逆サイドの水沼へクロスを送り先制ゴールも記録
また、インサイドハーフの選手が外に流れて、そこからクロスを上げてフィニッシュまで持っていく場面もある
サイドの選手だけではなく、中から外への動きやそのスペース対応も神戸はケアをしていく必要がある
そして注目度の高い昨季の得点王大迫とアンデルソンロペスに対して、どれだけ個とチームで守る事ができるかどうか
前節の川崎戦ではCBの上島が今季好調のエリソンに対して、臆する事無く戦い仕事をさせなかった
神戸も体を張った守備で、個々だけではなくチームで球際を制して両チーム前節は無失点を記録
1チャンスをモノにできるストライカーを要する両チームに対して、仕事をさせない守備ができるかも楽しみなポイントの1つです
③流れを変えるセットプレー
前述したが、今季神戸はここまでセットプレーから流れを掴んでいる
開幕戦となった磐田戦、逆転勝利のFC東京戦、大量得点の札幌戦と勝利した試合は全てセットプレーからの得点を記録している
昨季のターゲットは大迫や武藤が多かったが、今季はセカンドボールを宮代や汰木などがしっかりとカバーしており、二次攻撃も積極的に行いゴールに迫っている。神戸は今季ここまで成果が出ているセットプレーから流れを変える得点を記録したい
一方の横浜FMは前節の川崎戦ではセットプレーから多くのチャンスをつくった。結果的に得点には結びつかずも、CBの上島をはじめ空中戦に強い選手たちが高さと強さで主導権を握った
ただ、失点の部分で見ると今季2試合直接FKからの失点も記録。2年連続直接FKを沈めている大迫、初瀬も昨年直接FKを沈めている
球際の攻防は激しくなるだけに不用意なファウルは避けながら、徐々に完成度が高まるセットプレーから流れをつくっていきたい
昨季も無得点が少なかった両チーム。今節も得点が生まれそうな予感はする。高い守備強度を誇る両チーム、どちらがチームとして上回る時間を長くつくれるのか注目していきたい
ピックアップマッチに選出されている今節の一戦
シーズンは序盤ですが、連覇と奪還を狙う両クラブにとって重要な一戦。私も解説の福田さん、橋本さん。そしてリポーターの竹島さんと共に精一杯の準備をして臨みます。宜しくお願い致します。
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