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天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16ヴィッセル神戸VS柏レイソルの個人的な見どころ

公式戦の連戦が続く両チーム。神戸は7月に入り鳥栖、清水、磐田とリーグ戦3連勝を飾り最下位脱出に成功した
鳥栖から加入の飯野やステファン ムゴシャは天皇杯に登録上出場できないが、次節からの起用が最速で可能となる

神戸は中3日、柏は中2日かつアウェイの地での連戦と厳しい日程だが、チームとしての総力戦。出場機会に飢えている選手もいる中、全員で準決勝の切符を手繰り寄せたい

Jリーグ公式HPより転載(https://www.jleague.jp/standings/j1/)

柏は前節アウェイ鳥栖戦に勝利して連敗を3で止めて5位に浮上。ACL圏内までは勝ち点差4と迫っている
そして、神戸は連敗からの3連勝で16位まで順位を上げた。公式戦連勝を飾る中で中3日とタフなスケジュールですが、天皇杯・カップ戦・ACLとタイトルがかかる試合が残る中、一戦必勝で戦いたい

(天皇杯 解説:加地亮さん リポーター:林智美さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります。また、個人的な意見となります

順位と前節の振り返り(21節終了時点)

ヴィッセル神戸:5511敗で勝ち点2016 (20得点27失点)

神戸は今季三浦監督からシーズンがスタートし、そこからリュイス暫定監督、ロティーナ監督、そして鳥栖戦より吉田監督へと今季4人目の監督が指揮を執っている

その中で吉田監督は難しい状況ではあるものの、アウェイ鳥栖戦で今季初のアウェイ戦勝利を飾り、順位が近い清水・磐田に勝利をし残留争いから少し抜け出た状況だ

鳥栖戦では武藤が2得点。清水戦では汰木、大迫が得点を決めて勝利。前節の磐田戦では前半でチャンスをつくるも0-0のスコアレスで折り返し、後半に途中から入った大迫がPKを決めて1-0の勝利を収めた
磐田戦の神戸は中2日にも関わらず連勝の勢いを鑑みてメンバー交代は菊地のみだった。前線の武藤が再三のスプリントを見せ、イニエスタのパスでチャンスを多くつくったが得点を奪えず
後半もメンバー交代でチャンスをつくった、神戸は武藤が獲得したPKを大迫が決めて、前節同様決勝ゴールを決めて勝利を得た

チームとして良い状況なのは間違いないが、7/2→7/6→7/9と連戦を経て中3日で柏と臨む。今季はリーグ戦17節で対戦し3-1で柏が勝利
今季2度目の対戦、更にはネルシーニョ監督と吉田監督という神戸時代共に指導に携わった2人との対戦ともなる。神戸は2019年シーズン以来となる3年ぶりの天皇杯でのタイトル獲得を狙う

柏レイソル:1038敗で勝ち点336 (27得点22失点)

今季のレイソルは主力の流出もあったが、ユースからの昇格組みを含め若手と新加入選手の融合が進み現在リーグでは5位とACL出場圏内まで順位を上げている

得点はリーグから6番目に多く、失点はリーグから5番目に少ないと攻守でのバランスが取れている印象だ
リーグ戦は3連敗と厳しい状況だったが、前節鳥栖戦で1-0の勝利を飾り連敗を3で止めた(前節リーグ戦7試合ぶりの無失点)

柏も神戸と同様公式戦5連戦の真っただ中。ただ、7/2→7/6→7/10を経て天皇杯を迎える事になる。前節は中3日のアウェイ戦だったが、今回の試合は中2日のアウェイスタジアムでの試合となる

柏は前節鳥栖との一戦は相手にボールを握られつつも、相手のプレッシャーを上手くひっくり返し前半に武藤雄樹の得点で先制に成功
そこから鳥栖の攻撃を集中して跳ね返し、対鳥栖戦久々の勝利はチームとしても連敗を止める大きな1勝となった

今節は連戦となる中で、特に柏はメンバー編成が注目される。神戸はリーグ戦でも大きな変更はなかったが、アウェイの地での連戦となるだけにメンバー変更の可能性は高いと見る

とはいえ、森や升掛等試合機会を求めている選手も多く、フレッシュな選手で持ち前の試合運びを見せ、2012年以来の天皇杯タイトルを手にしたい

今節リーグ戦での対戦結果

2022明治安田生命J1リーグ第17節柏VS神戸の試合結果(Jリーグ公式HPより転載)

この試合あ橋本の移籍後初ゴールで神戸が先制するも、椎橋の得点で同点。また、戸嶋 祥郎がPKを獲得し、サヴィオが冷静に得点を決めて勝ち越し
追加点を武藤雄樹が奪い柏が勝利を収めた

今季2度目の対戦となり、天皇杯後は約2週間後の7/30に再びノエスタでリーグ戦を戦う。ネルシーニョ監督と吉田監督の対決も非常に興味深く、面白い一戦になりそうだ

過去の対戦戦績(神戸の13勝・柏の29勝・5度の引き分け)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると神戸の13勝、柏の29勝、引き分けが5回

今季は17節に柏のホームで対戦し3-1で柏が勝利(神戸:橋本  柏:椎橋、サヴィオ、武藤雄樹の得点)
昨季は神戸のホーム戦では1-2の敗戦(神戸:小田 柏:クリスティアーノ、細谷)
柏のホームでは2-1で神戸の勝利(神戸:郷家、OG 柏:椎橋)

現在の所属選手では
神戸は対柏戦では郷家2得点、イニエスタ、橋本、小田が得点を決めている
柏は対神戸戦で椎橋が2得点、大谷、細谷、マテウスサヴィオ、武藤雄樹、三原が得点を決めている

2005年、2009年、2010年には天皇杯3回戦で戦った両チーム
2009年は神戸が1-0で、2010年は柏が2-1で勝利。2005年は4回戦で対戦し2-2の延長戦でPK戦の末柏が勝利を収めています

また、古巣対戦では柏から見ると、
ネルシーニョ監督、ドウグラス、三原が在籍。また移籍をしたが今季キムスンギュもプレーしていた

今季の天皇杯の戦績

◇ヴィッセル神戸
6/1 VS富山(2回戦)3-2で勝利(2点リードされるも、大迫の2得点、佐々木の得点で勝利)
6/22VS山口(3回戦)2-1で勝利(1点先行されるも、初瀬、酒井の得点で逆転勝利)

◇柏レイソル
6/1VS筑波大学(2回戦)1-0で勝利(高橋の得点)
6/22VS徳島(3回戦)2-1で勝利(立ち上がりに先制を許すも、土屋、森と若い世代の得点んで逆転勝利)

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:5511敗で勝ち点2016  (20得点27失点)

先制試合:10試合 5勝2分3敗(6節京都戦、7節FC東京戦,17節柏戦で逆転負け)
先制された試合:8試合 0勝0分8敗(先制されると全敗)
スコアレスドロー:2節、5節、15節の3試合

ホーム:   3勝2分5敗 勝ち点8     11得点  10失点 得失点+1
アウェイ: 2勝3分6敗 勝ち点6      9得点  17失点 得失点-8

リーグ戦では10名が得点(武藤5得点、大迫3得点、イニエスタ、菊池、汰木が2得点、槇野、山川、橋本、初瀬、山口が得点)

複数得点:5試合  
複数失点:9試合
無失点:6試合 
無得点:10試合

<得点>前半に8得点 後半に12得点 
<失点>前半は9失点 後半は18失点
前半開始15分以内に5得点、後半開始15分以内に8失点

今季は20得点中セットプレーでの得点は6点の30.0%
14節にイニエスタのCKから菊池が得点
16節札幌戦ではユルキのFK→武藤、イニエスタCK→山川、ユルキCK→武藤と3得点をマーク。前節の磐田戦では大迫がPKを決めた

27失点中セットプレーからの失点は10で割合は37%(FKから3失点、CKから6失点,PK1失点)

柏レイソル:1038敗で勝ち点335  (27得点22失点)

先制試合:8試合 7勝1分0敗(5節の名古屋戦は先制するも追いつかれる)
先制された試合:11試合 3勝0分8敗(2節横浜FM戦、11節広島戦、17節の神戸戦)
スコアレスドロー:2試合(12節浦和戦、14節FC東京戦)

ホーム:   5勝1分5敗 勝ち点16     14得点  13失点 得失点+1
アウェイ: 5勝2分3敗 勝ち点17     13得点  9失点 得失点+4

リーグ戦では10名が得点(マテウスサヴィオ・細谷が6得点、森4得点、小屋松・武藤雄樹3得点、戸嶋、ドウグラス、大南、椎橋、高橋が得点)小屋松は5アシスト、サヴィオは4アシスト

複数得点:7試合  
複数失点:4試合
無失点:7試合(前節リーグ戦7試合ぶりの無失点)
無得点:8試合 
最多得点として15節の札幌戦で6得点

<得点>前半12得点 後半に15得点 
<失点>前半は13失点 後半は9失点
前半30分までに10失点もそれ以降は12失点と特に後半9失点は堅守

今季は27得点中セットプレーでの得点は8点の29.6%。サヴィオのCKやPK等
22失点中セットプレーからの失点は10で割合は45.4%(FKから4失点、CKから2失点、PKで1失点等となっている)

後半に失点の少ない柏を神戸がどのように戦っていくのか?また柏はセットプレーからの失点も多い中で神戸は優位性を持ってその部分を活かしていくのか?この点も楽しみなポイントになる

個人的な見どころ

勝利すればベスト8。準々決勝に進むことができる。天皇杯を制すればACLへの出場も確定するため、チームにとっても大きなタイトルの1つとなる

神戸は3年ぶり、柏は10年ぶりに天皇杯のタイトルを目指して戦う
今季は過密日程なだけに、まずは選手選考に注目したい

神戸は勝利の流れを継続してメンバー変更をどのようにしてくるか?また週末にはアウェイ鹿島戦があり、リーグ戦では厳しい状況が続く中でもあるので、誰が選考されるのかは非常に興味深い

一方の柏は中2日でアウェイの連戦という事もありメンバー変更の可能性も大きい。カップ戦等では積極的な若手起用もあっただけにリーグでACL圏内を勝ち取ることを考えるとターンオーバーが濃厚かもしれない
その中で久々に公式戦で戦う選手がどのような躍動を見せてくれるか楽しみでもある

コンディションとチームコンセプトが上手くマッチしたチームが主導権を握り可能性は十分にありそうだ

また、試合の中ではセットプレーが1つの流れを変えるポイントになるかもしれない。今季神戸はなかなかセットプレーからの得点が生まれていなかったが、16節の札幌戦ではセットプレーからの得点で勝利を飾ると、前節の磐田戦もPKが決勝ゴールとなった

一方の柏は後半の守備が固く、先制してからの試合運びも上手い。その中で相手の良い位置でセットプレーを与えず、強度を高く保ちながら勝利を手繰り寄せたい
今季セットプレーからの失点が多いだけに、最後まで集中し全員で勝ち切れるかどうか

2017年シーズンの神戸はネルシーニョ監督が途中で契約解除となり、その後を当時ヘッドコーチを務めていた吉田監督が監督として就任し指揮を執った

共に神戸で指揮を執った両指揮官同士がどのような形で今回ぶつかっていくのか?19時からノエビアスタジアム神戸で、またはスカパーで是非お楽しみください!



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