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Bリーグ2022-23シーズン第33節広島ドラゴンフライズ対滋賀レイクスの個人的な試合展望

あと3週間でリーグ戦が終わる。過酷な連戦、熾烈な残留争い、そして地区優勝の向けて。もちろんCSを見据えた戦いもあり、ここからの約1か月は様々な感情が入り混じる

週末の激闘から中2日で水曜日のナイトゲーム。今季水曜日の試合は今節が最後。残りの6試合は全て週末、連戦の中で戦っていく

ホームの広島は上位争いで悔しい連敗を喫した。チームは史上初のCS進出を確定させた一方で、1つでも高い順位を狙いたい。広島は今季ホームで19勝6敗。節目の20勝目を飾り、他力もあるが1つでも上の順位を狙いたい

滋賀は残留争いという苦しい状況だが、前節西地区上位の琉球相手に堂々と戦った。結果は悔しい連敗も、滋賀はここから勝ち続ければ残留を手にできる。負けられないではなく、勝たなければいけない戦いが続く
そのプレッシャーをはねのけ、滋賀一丸で勝利を飾るか?

今季4度目の対戦となる水曜日。どんな結末が待っているか楽しみにしたい

解説:大浦祐斗さん
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(4/17時点)32節終了時点

広島ドラゴンフライズ【平均84.6得点(リーグ3位)平均78.2失点(リーグ12位)】38勝15敗で西地区4位(現在連敗中)

前節は同じ西地区の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦
GAME1は88-91、GAME2は83-91と悔しい連敗。勝敗数は同率も、得失点差で順位は4位に後退した

両日とも前半にリードを奪われる展開に。GAME1は終盤残り2分でリードチェンジを繰り返し、最後は3Pシュートを決められ3点差での敗戦となった

リーグ1位の36.9%の3P成功率を誇る広島だが、両日共に今季の平均を下回った。GAME2はTOも減らし、強度の高い守備を見せたものの、名古屋が高確率で3Pを決めて得点を積み重ねた。それでも両日とも終盤まで粘り強い戦いを見せた広島
タフなゲームだったが、今回の悔しさや課題をどう埋めていくか注目したい

今季の広島は高い攻撃力とその精度が持ち味だ。実際に得点力はリーグ3位。そして前述したように3Pの成功率もリーグ1位だが、FGの成功率も48.3%とリーグ1位。試投数は1試合平均63.5回でリーグ19位だが、多くない得点機会をしっかりとモノにしている(FTの成功率も77.2%でリーグ1位)
高いシュート精度がある一方で課題は平均35.5回のリバウンド

シュートが決まっているから数値が少ない部分もあるが、OR・DRともに取り切り序盤から流れを掴めば安定した試合運びができるはず
攻守で高い質の広島が、序盤から主導権を持って戦えるかどうか楽しみだ

広島の強みである攻撃力はスタッツ面でも表れている。寺嶋、辻、ブラックシアー、カイソット、エバンス、メイヨと実に6名の選手が2桁得点を平均でマーク。3Pの成功率もメイヨ、辻、ブラックシアーは40%を超える
全体的なバランスも良いエバンスだが、今季はブラックシアーの活躍がチームを支えている
ここまで全試合出場し平均15.4得点、3Pは成功率40.8%(73/179)、リバウンド平均は8.2回でチーム最多。アシストもできて守備も頑張れる好プレーヤーだ

名古屋D戦もGAME2は3/8以来のスターティング5で18得点8リバウンド5アシストと貢献。チーム全体で気持ちの良いバスケットを1試合通じて見せていきたい

滋賀レイクス【平均77.0得点(リーグ19位)平均86.4失点(リーグ22位)】13勝40敗で西地区8位(現在連敗中)

現在リーグ全体で見ると22位。今季は2チームが降格という難しいシーズンではあるが、2度のHC交代から選手も入れ替え厳しい局面をチーム一丸で乗り越えようとしている滋賀レイクス

過去2019年シーズン以来勝利のない琉球をホームに迎えての対戦は両日とも見応えのある一戦だった
GAME1は82-85、GAME2は81-89と広島同様に接戦を繰り広げるもあと一歩及ばなかった
それでも西地区2位の琉球相手に両日とも前半リードで折り返す
ゲームの締め方には課題も残ったが、残り7試合今回の結果を糧にどのように勝利に結びつけていくか楽しみにしたい

ゴールに積極的に向かっていく滋賀はFGの試投数が1試合平均67回とリーグ5位。3Pの試投数も1試合平均26.3回で9位と広島と比較するとシュートへの積極性は光る
あとは個々の打開ではなくチームとして得点をクリエイトして、勝ち切れるかどうか?アシスト平均は広島の21.3回と比較すると18.6回(リーグ22番目)となっている
ただ、リバウンドでは平均36.1回と広島を少し上回っている。頼れる外国籍選手ブバの復帰に加え、機動力のあるマーティンもリバウンド平均今季は7.0回と貢献
不要なTOを減らし、良いゲームの締め方ができれば上位相手にも十分通じる事を証明してくれるはず

大黒柱のブバは復帰後も堅調なパフォーマンスを見せている。3/8の島根戦から復帰後ここまで14試合連続で2桁得点を記録(ダブルダブル6回)
琉球戦もGAME1では20得点、12リバウント、今季最多タイのアシストも3記録しチームで戦う姿勢を見せた

今季途中から加入のジョーンズの活躍に加え、野本の復調、期待の若手湧川の躍動などシーズン終盤難しい状況ではあるが好材料も多い
滋賀一丸となって強敵広島相手に勝利を飾れるか、中2日とお互いタフな一戦だが怪我無く戦い切ってほしい

両チームのメンバー編成(★は今季加入)

広島ドラゴンフライズ
HC:カイル・ミリング
寺嶋良
朝山正悟
辻直人
アイザイア・マーフィー
船生誠也
★ケリー・ブラックシアー・ジュニア
★上澤俊喜
★カイ・ソット(2月から加入)
中村拓人(12月からプロ契約)
★ドウェイン・エバンス
佐土原遼
ニック・メイヨ

広島は今季琉球からエバンスが加入。またシーズン途中からフィリピンの若き才能溢れるビッグマンのカイソットが加入
今季加入のブラックシアーもここまで攻守で素晴らしい活躍を見せてくれている
2020シーズンは9勝46敗。そこから昨季は29勝28敗と勝ち越し
更に今季はここまで38勝15敗で初のCS進出を決めた
外国籍選手だけではなく、得点を取れる日本人選手も多く層は厚い

前節辻が負傷した事はチームにとっては大きな影響だが、後半も粘り強く戦った。CSもあるため怪我無く、チームで戦えるか注目したい

滋賀レイクス
HC:★ダビー・ゴメス(今季途中から就任)
★ケルヴィン・マーティン
★テーブス海
★杉浦佑成
柏倉哲平
キーファー・ラベナ
野本大智
星野京介
★デクアン・ジョーンズ(2月から加入)
★イヴァン・ブバ
★狩野祐介(3季ぶり復帰)
★湧川颯斗 ※特別指定
森山修斗
★金本一真
川真田紘也

例年大きくメンバーが入れ替わる印象もある滋賀。その中でも昨季から比較的多くの選手が残り今季を戦っている
ブバやテーブスの負傷もあったが、今季途中からデクアンジョーンズ選手の加入もあり、チーム全員で苦しい状況を戦ってきた
10連敗、18連敗にHCの交代。それでも3月は4勝3敗と勝ちが先行
残留争いはまだまだ熾烈だが、掲げる滋賀一丸でこの難局を乗り越えるはず

過去の降格があった2019年シーズン以前でも滋賀は終盤の粘り強さがあった。また、直近の試合を見ても残留争いをしているチームには見えないパワーを感じる場面も多い。状況は一戦必勝だが、残り7試合全員で勝利を目指したい

過去の対戦成績(広島7勝・滋賀4勝)リーグのみ

過去の対戦成績では広島の7勝、滋賀の4勝と広島がリード
今季はここまで滋賀のホームで対戦し全て広島が勝利を収めている

10月の滋賀ホームでの一戦は両試合とも接戦だった
GAME1はOTにもつれて、86-83で広島が勝利
GAME2も終盤まで接戦だったが、83-81で広島が勝ち切った一戦だった

直近の対戦成績を見ると5試合で実に4試合が3点差以内の接戦
2023年1月18日 88-73で広島勝利
2022年10月16日  83-81で広島勝利(2点差)
2022年10月15日  86-83で広島勝利(3点差)
2022年4月24日 82-80で滋賀勝利(2点差)※昨シーズン
2022年4月23日 97-96で広島勝利(1点差)※昨シーズン

現在広島が対滋賀戦は3連勝中。滋賀が最後に勝利したのは2022年の4月24日の試合となる

また、滋賀が広島のホームで試合をするのは、2021年の12月29日以来2年ぶり(広島のホームでは3勝1敗と相性が良い部分も)

滋賀の森山はプロキャリアのスタートを広島で切った(2019-21年まで在籍)
広島の上澤、中村は中部第一高校出身で、滋賀の星野も中部第一高校出身
特に中村と星野は中部第一から大東文化大学に進み共にプレー(星野が1学年先輩)
湧川は広島出身なので地元凱旋にもなる(広島市立古田中出身)
広島の船生と滋賀の柏倉は青山学院大学で共にプレーなど様々な縁もある

カイソットとラベナのフィリピン出身同士の活躍にも期待がかかる一戦。楽しみが多い対戦です

個人的な見どころ

今季3度目の対戦。前回対戦は1月18日。広島はこの試合に勝利し今季最多の9連勝を記録した一戦だった

あれから約3か月。広島は初のCS進出を確定させ、更なる上昇を目指す
一方の滋賀はブバが3月から復帰し3月は勝利が先行
前節の琉球戦は惜敗も、終盤で4連勝と勝利への執着心も見せている

お互い目指す目的は違えど、勝ちたい気持ちを強く持って連敗を止めたい一戦だ

平均得点では広島がリーグ平均で84.6点と爆発力を持っている。前節は前半の入り方に課題がありつつもGAME2は1Qから10点のランを見せる修正力を見せた。しかしながら前半で最終的にリードを許し、後半追いかける展開になってしまった
辻の負傷の影響もあったが、両日で得意の3Pが振るわず名古屋Dのディフェンスに苦しむ時間帯もあった。精度の高い3Pを気持ちよく決めて、長い時間主導権を握っていきたい
もちろん終盤の粘りや、メンバーを交代させながら勝つ執念を見せる等良いところも随所にあった。このあと、信州、島根、琉球と特に島根、琉球とCSも見据えた戦いも控えている
精度の高いシュートを決めて攻守で自分たちのバスケットを展開していきたい

一方の滋賀は試合の終わらせ方で修正を図りたい。もちろん週末に琉球と対峙して前半リードして折り返した。GAME2の立ち上がりなど相手が3Pを高確率で決めてくる中でも、粘り強く戦い接戦に持ち込んだ
滋賀のカギになるのはリバウントとTOの数だ
前節はTOを今季の平均13.6以下に抑えた(特にGAME2はわずかに6回)
リバウンド平均は広島を上回っている滋賀が攻守で自分たちのリズムをより多く保つために、このリバウント争いとOR後のセカンドチャンスを確実にモノにしたい
滋賀はテーブスが得点とアシストも取れ、ブバがインサイドで脅威にもなっている。ミスなく、琉球戦のようなアグレッシブな守備を見せて、終盤しっかりとゲームクローズができれば上位広島相手でも十分に戦えるはず

勝たなければいけないという要素は残留がかかる分滋賀の方が大きいかもしれない。それでも広島はホームで今季何度も熱いプレーを見せ、ブースターに勝利を届けてきた
初のCS、歴史を塗り替えるためにも残りの7試合共に1戦必勝

怪我無く、熱く、素晴らしいプレーを、今季最後の水曜ナイトゲームに届けて欲しい。私も初の広島のホーム戦担当ですが丁寧に良い中継にできるよう準備していきます。よろしくお願いいたします

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