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2024明治安田J3リーグ第2節奈良クラブ対AC長野パルセイロの個人的な見どころを紹介

今季は2月開幕となったJ3リーグ。例年よりも早い開幕となる中で、両チーム欲しいのは今季初勝利だ

前節奈良はホームで琉球を迎え、長野はアウェイでFC大阪と対戦。共に1-2で敗れ、勝利を飾る事はできなかった

とはいえシーズンも始まったばかり。今季から昇格POが行われ、昇格へのチャンスは広がるシーズンとなる。シーズン終盤まで自分たちのチームの軸をしっかりと強固なものにしながら勝ち進むことができるかどうか?

今回急遽の実況担当となりますが、しっかりと準備して臨みたいと思います

(J3リーグ 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

昨季の成績と前節の振り返り(2024/3/2時点)(リーグ戦のみ)

奈良クラブ:15勝12分11敗 勝ち点57の5位  45得点 32失点(+13)

充実したJリーグ初年度だった。フリアン監督が積み上げた堅守をベースにリーグで最小の失点を記録。15試合の無失点試合を記録するなど自分たちの持ち味をしっかりと発揮したシーズンだった

堅守を支えた守護神のアルナウ、そしてストライカー浅川の移籍もある中でどのようにチームのベースを残しつつ再構築していくのか注目されるシーズンだ

前節はホーム開幕戦で琉球と対戦。結果は1-2で敗戦も奈良は随所に良い部分も見せていた

新加入の下川のアシストで、同じく新加入の百田がヘディングシュートでゴールを記録。岡田も随所で存在感を見せ、シュートの数でも琉球を上回った。2点ビハインドという中でもゴールに迫り、得点に繋げる事が出来た点も今節以降に繋がる部分だ

昨季同様、メンバーが変わっても規律のある守備は変わらず、出た選手たちはハードワークを見せた。ただ、失点に繋がるプレー連携や個人の判断など課題もある。昨季開幕からのホーム2連戦は勝利を飾る事はできなかった(1分1敗)

今季は昨季からの成長、進化を届ける事ができるか注目していきたい

奈良クラブVSFC琉球の試合記録(Jリーグ公式より引用)

AC長野パルセイロ:13勝11分14敗 勝ち点50の14位  52得点 60失点(-8)

昨季の長野は7節を終えた段階で首位に立ち、序盤は充実したシーズンを送っていた

ただ、11節からの4連敗と苦しい局面を迎えた。そして8月29日にシュタルフ監督から高木監督に指揮官を交代し巻き返しを図った

シーズン終盤は6戦負けなし(3勝3分)と最後まで上位に向けて健闘も悔しいシーズンとなった。今季は捲土重来を期すシーズンとなる

昨季8得点の山本大貴は引退。船橋は群馬、佐藤は琉球と昨季得点源となった選手の移籍の影響もある

新加入の浮田や、前節加入後初ゴールを決めた忽那など新加入の選手たちの躍動はチームの悲願に向けて必須となる

開幕戦となった前節はアウェイでFC大阪と対戦。立ち上がりはやや主導権を握られるも、GKキムミノのファインセーブなどもあり得点を許さない

前半の終盤は浮田のポストプレーや、三田のシュートなど長野らしいアグレッシブな攻撃も見えた

後半にCK、そして広報のFKからと悔しい失点の場面にはなった。大きく崩されての失点はなかったものの、1プレー1プレー集中力を持って今節臨んでいきたい

FC大阪VSAC長野パルセイロの試合記録(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

昨季初のJリーグ参入となった奈良クラブ。昨季は2度対戦し、奈良が2勝を挙げている

2023年3月19日:長野ホームの一戦は3-0で奈良が勝利
得点者:浅川・山本・寺村

2023年8月26日:奈良のホームの一戦は2-0で奈良が勝利
得点者:浅川・酒井

複数得点&無失点での勝利。そして奈良にとってはJリーグ初勝利の相手が長野でした

長野は昨季シーズン途中でシュタルフ監督から高木監督へ指揮官の交代もありました。高木監督にとっては長野を率いて奈良と対戦するのは初

高木監督は昨季今治を率いており、4月に今治VS奈良という対戦カードで奈良とは対戦し1-1の引き分けでした

3度目の対戦となる両チーム。今季初勝利をサポーターに届けるのはどちらのチームか?楽しみです

★古巣対戦
奈良クラブ:2名が過去長野でプレー
都並優太:2014-18年まで長野でプレー(51試合2得点)
吉村弦:2019-21年まで長野でプレー(64試合5得点)

AC長野パルセイロは過去奈良でのプレーした選手はいない
ただ、山口で共にプレーした神垣と浮田。鳥取で共にプレーした田村と石井など過去共に戦った選手同士の対戦もある

こうした1つ1つの関わりにも目を向けながら、好ゲームに期待したい

昨シーズンの成績(リーグ戦のみ)

奈良クラブ:15勝12分11敗 勝ち点57の5位  45得点 32失点(+13)

昨季は開幕戦敗戦も2節から8試合負けなし(5勝3分)で一時首位にも立った奈良クラブ

圧巻だったのは6節の琉球戦から9節の宮崎戦までの4連勝は無失点での連勝だった。リーグ最小の失点数を誇り、勝利を重ねてきた奈良だが昨季ホームではなかなか勝利を積み上げる事はできなかった

ホーム: 5勝6分8敗 勝ち点21  16得点  20失点 得失点-4

アウェイ: 10勝6分3敗 勝ち点36  29得点  12失点 得失点+17

最後にホーム戦で勝利したのは昨季の36節相模原戦(11/18)3カ月半ぶりにホームで歓喜を分かち合いたい

複数得点:11試合 
複数失点:7試合
無失点:15試合 
無得点:10試合

最大連勝は4連勝(1度)
最大連敗は2連敗(2度)

浅川はリーグ2位の16得点でチームトップ。現在負傷離脱中の酒井は9得点を記録。現状この2人がいない分新たなスコアラー、もしくはチーム全員で点を取り行く必要がある

アシストは山本宗太郎、中島が4アシストを記録。寺村・片岡・嫁坂も3アシストとチームに貢献。嫁坂は5得点3アシストとバランスの良い活躍を見せた

<得点>前半に20得点 後半に25得点 
<失点>前半は13失点 後半は19失点

セットプレーからの得点は45得点中8得点とリーグの中でも低い水準
そして堅守の中でも唯一の課題はセットプレーからの守備。昨季は32失点とリーグ最小の数値だが、内18失点と半分以上の失点はセットプレーからの失点となっている

AC長野パルセイロ:13勝11分14敗 勝ち点50の14位  52得点 60失点(-8)

奈良と同じく開幕から好調だった長野。10節までは6勝2分2敗と好スタートを切り首位にも立った

しかしながら、11節から14節の4連敗を含む9試合勝利なしという苦しい場面もあった。監督交代後終盤は6戦無敗(3勝3分)と奮闘も、結果は14位と悔しさの滲むシーズンとなった

ホーム: 6勝5分8敗 勝ち点23  27得点  34失点 得失点-7
アウェイ: 7勝6分6敗 勝ち点27  25得点  26失点 得失点-1

昨季はアウェイ戦での戦績は勝ち越し。自信を持ってホーム開幕戦を迎えるために次に繋がる戦う姿勢を最後まで見せていきたい

複数得点:15試合 最多得点は4得点
複数失点:18試合
無失点:7試合 シーズン序盤は無失点で3連勝を記録
無得点:10試合 

最大連勝は3連勝(2度)
最大連敗は4連敗(1度)

今季キャプテンに就任した三田は昨季9得点でチームをけん引

8得点の山本大貴は引退、5得点の船橋は群馬に移籍と得点力については奈良と同じく新加入選手含めて期待が高まる

ただ、長野は昨季11人の選手がシーズンを通じて複数得点を記録。FWだけではなく、どこからでも、誰でも得点を奪いに行くスタイルを今季も出しながら守備の再構築に努めたい

アシストは宮阪と船橋、杉井が4アシストを記録。山本と三田も3アシストとチームに貢献。特に杉井はチームの中でトップのクロス数を誇り、そこからアシストも記録。宮阪と船橋がチームを離れた中で、しっかりと副キャプテンとしてもチームを支えたい

<得点>前半に21得点 後半に31得点 
<失点>前半に21失点 後半に39失点

後半に試合を動かす事が多かった昨季の長野。先制試合が19試合とリーグの中でも上位だったが、勝ち切る事ができない試合もあった

ただ、昨季セットプレーでは何度も相手チームの脅威になった。52得点中22得点がセットプレーであり、このセットプレーから流れを変える部分も多くあった

一方で奈良同様にセットプレーに苦しんだ場面もある。60失点中21失点はセットプレーからの失点で、この良さと課題をどのように修正していくか

新たな長野の変化に着目していきたい

個人的な見どころ

昨季は奈良が2試合とも複数得点、無失点で勝利を飾った
▼長野ホーム戦▼

▼奈良ホーム戦▼

奈良は4年目の指揮となるフリアン監督が昨季のベースに積み上げる形で戦っていく。一方長野は昨季途中から指揮を執った高木監督が今季はスタートから指揮。ヘッドコーチには布啓一郎氏もおり、昨季以上の積み上げと結果が求められるシーズンだ

その中で注目したいポイントは3点

①新加入プレーヤーの躍動
両チーム開幕戦は敗戦も新加入プレーヤーが加入後初ゴールを記録した

奈良の百田は昨季特別指定選手としてプレーしJリーグデビューを果たし、今季はプロとしての一歩を踏み出した

23年度第101回関西学生サッカーリーグで20得点を記録し得点王に輝くなど実績も十分。浅川の移籍、酒井の負傷もあり百田にかかる期待は大きかったはず
ただ、それでもその重圧をはねのけて開幕戦でプロ初ゴールを記録した

奈良は開幕戦で百田、岡田優希、下川をスタメンで起用。下川はアシストを記録し、百田からは得点も生まれた

高卒ルーキーの國武に、タイから加入のグスタフソンも加入後初めてピッチに立った

一方の長野はスタメンに新加入選手の浮田、田中、碓井、黒石を起用。そして途中から入った新加入の忽那が加入後初ゴールを記録した。安藤、パクスピンといった昨季今治で高木監督の下で戦った選手たちも新たなチームでのデビューを果たした

今季は前節を踏まえて、どのようなメンバー編成で臨むのか。良い戦いは見せていたが勝利に結びつかなかった部分も踏まえて、監督の采配にも注目が集まる。両チーム新加入選手が記録に残る活躍をしただけに、2試合続けての躍動に注目したい

②流れを変えるセットプレー
長野は前節FC大阪からセットプレーから2失点。対応が難しい部分もあったが、昨季同様この部分を修正できるかどうかは重要になりそうだ

長野のGKキムミノはミドルシュートに対して冷静に好セーブを見せていた。だからこそ、チームで守るセットプレーでの守備はしっかりと跳ね返していきたい

加えて長野は自分たちの強みでもあるセットプレーを上手く生かしたい。ターゲットに高さのある浮田も加入。自分たちの強みと、課題点を上手く切り分けて修正を図りたい

一方の奈良は昨季堅守ながらもセットプレーには攻守で苦しんだ。昨季はホームで酒井が直接FKを決める等素晴らしい活躍もあった

前節悔しい複数失点を許しているだけに、持ち前のハードワークと体を張った守備でセットプレーに備え、相手に流れを渡さないプレーを継続していきたい

③集中力高く攻守で「やりきる」事ができるか

両指揮官が前節の試合終わりに語った言葉。フリアン監督は守備の部分での集中力について。高木監督は攻撃面でのあと一歩について

お互いに良いプレーがあった中、勝利に結びつかなかった部分を「最後の際の部分での集中力」ではないかと個人的には解釈をしている

開幕戦は緊張感のある一戦だ。ただ、両チームそこまでの固さは見れなかったが、あと一歩という部分での判断については今後の伸びしろという部分なのかもしれない。この点に関しては選手の起用や、この1週間での準備も含めての変化に期待したい

攻守で球際で激しく、フェアでアグレッシブな戦いを90分間やり切る事ができるかどうか。昇格を狙う両チームの強い想いがピッチで体現されることを楽しみにしたい

さて、シーズン序盤。もちろん1試合でも多く勝利を飾りたいのが両チーム、両サポーターの強い想いでしょう。だからこそ、1週間前からの変化や戦う姿勢をピッチ上で見れる事を楽しみにしたいと思います

私も急な担当にはなりますが、選手ら同様に良い準備をして臨みます

是非Jリーグ公式映像DAZNにて奈良クラブ対AC長野パルセイロの一戦、お楽しみください!

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