2024明治安田J2リーグ第4節レノファ山口FC対V・ファーレン長崎の個人的な見どころを紹介
水曜日に行われたルヴァンカップではアウェイの地で勇敢に戦ったレノファ山口FC
前半は難しい時間帯もあったが、終盤まで何度も粘り強く戦い、延長戦後半の末3-3という結果に
トーナメントでもある今季のルヴァンカップ。PKの結果レノファ山口FCの挑戦は終わった。しかしながら大いなる収穫もあったように思う
新加入選手、若手、リーグ戦で現状出場機会がない選手を含めて、長いシーズンの中、公式戦でパフォーマンスを見せることはチームの競争にも繋がっていく
日程的には中3日で迎えるリーグ戦。山口はホームに長崎を迎える
今季の長崎はシーズン前に監督交代の騒動もあり、難しい準備を強いられた。ただ、その中でも前節は上位清水相手に対して強かさを存分に見せつけた
シーズンは序盤とはいえ、厳しくもタフな昇格への道のり。まずはしっかりと勝ち点の積み上げとチームの醸成を図りたい一戦だ
(J2リーグ 解説:中島浩司さん リポーター:トクダトモヨさん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります
順位と前節の振り返り(2024/3/15時点)(リーグ戦のみ)
レノファ山口FC:1勝1分1敗で勝ち点4(3得点2失点)+1で現在11位
まずはリーグ戦の振り返りから
リーグ戦はアウェイで岡山と対戦。今季岡山も好調。共に1勝1分けで迎えた一戦
開始早々に河野がシュートを放つなど、今季の山口はロングボールや、サイドを起点にチャンスをつくり、シュートで終える事ができている
一方で岡山は、サイドからアグレッシブに攻守で戦いゴールに迫った
試合が止まる部分もあった中で、決定機をつくった岡山だったが、守護神の関が素晴らしいセーブを見せて前半は0-0で折り返した
後半は岡山ペースで試合は進むが、山口も吉岡や佐藤が前向きなプレーを見せてゴールに迫る。ただ、得点は奪えずに終盤へ
終盤のセットプレーで岡山が先制点を奪い、その1点を守った岡山がホームで勝利を飾った。ただ、随所に山口は守備面で粘り強さを見せて、ゲームを崩さなかった。加えて、今季のスタイルを随所に見せた一戦だった
そして水曜日にはルヴァンカップの1stラウンドで松本と対戦
寒さのある厳し環境下での一戦で山口はメンバーを入れ替えて臨んだ一戦となった
今季公式戦初先発となる選手が多い中で、立ち上がりは松本が主導権を握って攻め込む展開となった
それでも山口は後半に山本の加入後初ゴール。そしてアカデミー育ちの末永はプロ初ゴールを記録。シルビオジュニオールにも今季初得点が生まれた
結果は延長戦でもつかずPK戦の末山口は悔しい敗戦。それでも、試合後志垣監督は選手たちが粘り強く戦った点を評価していた
V・ファーレン長崎:1勝1分1敗で勝ち点4 (5得点3失点)+2 で現在9位
今季初勝利をホームで狙う長崎は連勝と勢いに乗る清水との一戦だった
カップ戦を戦い、中3日とタフな日程にはなったが、メンバーを大きく入れ替える事無く、打ち合いを制したカップ戦の勢いの継続を狙った
飯尾、マテウス ジェズス、エジガル ジュニオ、松澤はカップ戦からの連戦となる起用。強豪清水相手に、長崎は狙い通りの戦いで先制点を生む
ロングボールに抜け出した増山が、GKの位置を確認して技ありのシュートで先制に成功。そして、再度ロングボールから抜け出したエジガルジュニオがチャンスをつくる。最後は増山からのボールを仕上げて2-0と前半でリードを広げた
清水は徐々に持ち前の攻撃の良さを見せて長崎ゴールに迫るも、前半は2-0で長崎リードで折り返す
後半も序盤は清水が主導権を握り、長崎ゴールに迫る。長崎は原田の素晴らしいセーブもあったが、乾のミドルシュートで失点し2-1に
ただその後CKからエジガルジュニオが今日2点目、公式戦3戦連発の得点で3-1
更には、途中交代のマルコスギリェルメが勝利を引き寄せる4得点目をマーク。快勝で今季初勝利をおさめた長崎はリーグ戦今季初の連勝を狙う
過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)
過去の対戦成績はリーグ戦で見ると山口の2勝、長崎の10勝、引き分けが2回と長崎から見ると優位な過去戦績に
ただ、昨季リーグ戦では山口のホームで1-1の引き分け。長崎ホームの試合は0-1で山口が勝利。山口は対長崎戦は現在3試合負けなし(2勝1分)となっている
昨季の山口ホームでは1-1で引き分け(山口は沼田圭悟が得点、長崎はフアンマがPKで得点)
長崎のホームでは0-1で山口が勝利(山口は河野の得点で勝利)
直近3試合では山口が粘り強い戦いを見せて、敗戦なしという状況だが、2019年~21年の際は長崎が6連勝かつ6試合全てで複数得点を奪っていた
今季はシーズン序盤での顔合わせとなる。指揮官も変わった両チームの戦いに注目したい
現在の所属選手の得点記録について
山口は対長崎戦では河野が2得点、池上、前貴之、沼田圭悟が得点
長崎は対山口戦ではフアンマが4得点(2017年はハットトリックを記録)、エジガルジュニオ、澤田が2得点、加藤、カイオセザール、中村、米田が得点を記録している
山口の河野はJ初ゴールが2020年7月29日の対長崎戦
長崎はフアンマが2017年の4月29日に後半だけでハットトリックを記録。またエジガルジュニオも2021年の9月25日に2得点を記録している(エジガルは現在公式戦3試合連続得点中)
※古巣対戦
山口)吉岡が在籍(2017-20の3年間※2018年は富山でもプレー)
長崎)なし
山口は対長崎戦についてはホームで勝利はなし。(1分6敗)昨季初めて引き分けで勝ち点1をホームで得た。今季はどのような結果になるか注目したい
今シーズンの成績(リーグ戦のみ)
レノファ山口FC:1勝1分1敗で勝ち点4(3得点2失点)+1で現在11位
先制試合:2試合 1勝1分0敗(先制すれば負けなし)
先制された試合:1試合 0勝0分1敗(今季逆転勝利なし)
スコアレスドロー:なし
ホーム: 1勝0分0敗 勝ち点3 2得点 0失点 得失点+2
アウェイ: 0勝1分1敗 勝ち点1 1得点 2失点 得失点-1
リーグ戦では3名が得点(若月・梅木・小林が得点を記録)
★昨季は梅木が6得点、河野・池上が5得点を記録
複数得点:1試合(秋田戦)
複数失点:0試合
無失点:1試合
無得点:1試合
<得点>前半に1得点 後半に2得点
<失点>前半は無失点 後半は2失点
今季ここまで前半、後半の立ち上がりで得点を記録
失点は昨季については前半の立ち上がり(15分以内)と試合の終盤(後半31分~45分)が多かったが、今季はここまで前半無失点を記録している
3得点中セットプレーでの得点は1点の33.3%。新保のCKから梅木のヘディングで秋田戦は先制している
2失点中セットプレーからの失点は2で割合は100%(CKから2失点)
今季はここまでCKからのみ失点。裏を返せば流れの中からの失点はない。ただ、カップ戦でもセットプレーからの失点があっただけに、チームとして強化をしたいポイントになる
昨季は37得点中セットプレーから14得点(37.8%)と割合は高い
池上が2度の直接FKで得点。PKでも4得点を記録
昨季セットプレーからの失点は67失点中22失点(32.8%)FKから7失点、CKから7失点、PKから4失点、スローインなどその他のセットプレーより4失点
V・ファーレン長崎:1勝1分1敗で勝ち点4 (5得点3失点)+2 で現在9位
先制試合:1試合 1勝0分0敗(先制すれば無敗)
先制された試合:1試合 0勝0分1敗(逆転勝利なし)
スコアレスドロー:1節(藤枝戦)
ホーム: 1勝0分1敗 勝ち点3 5得点 3失点 得失点+2
アウェイ: 0勝1分0敗 勝ち点1 0得点 0失点 得失点±0
リーグ戦では3名が得点(エジガルジュニオが3得点、マルコス ギリェルメと増山が得点を記録)
昨季はフアンマ選手がリーグ得点王となる26得点を記録。櫛引が6得点、米田が5得点、中村が4得点を記録したシーズンだった
複数得点:1試合 清水戦で4得点
複数失点:1試合
無失点:1試合
無得点:1試合
<得点>前半2得点 後半に3得点
<失点>前半は1失点 後半2失点
今季は5得点中セットプレーでの得点は1点の20%
前節秋野のCKからエジガルジュニオが頭で合わせて得点を記録
3失点中セットプレーからの失点1で割合は33.3%(FKから1失点)
※仙台戦でFKより失点
昨季は70得点中25得点がセットプレー(35.7%)内フアンマはPKから4得点、FKから1得点、CKから3得点とターゲットに
全体ではFKから3得点、CKから7得点、PKから7得点を記録している
一方失点は56失点中16失点(28.6%)
FKから4失点、CKから7失点、PKから2失点、それ以外の部分から3失点だった
両チームのここまでの特徴は全ての得点に対して、違う選手がアシストを記録している部分だ
山口はここまで、新保・梅木・ヘナンが1アシスト
長崎はここまで、飯尾・増山・笠柳・松澤・秋野が1アシストをマーク
様々なバリエーションでの攻撃を見せている両チーム。山口はホーム戦で勝利を。長崎は今季初のアウェイ戦での勝利を目指す
個人的な見どころ
昨季は山口が粘り強く勝ち点を手にした印象だった
今季は両チーム指揮官が代わり、チームスタイルにも変化が生まれている
戦う選手たちが大きく変わったわけではないが、シーズン序盤確実に勝ち点を積み上げていきたい
個人的な注目ポイントは以下の3つ
①両チームのFWとそこまでのプロセス
②攻めたい山口、ひっくり返したい長崎
③セットプレーの攻防。粘り強く90分間戦えるか
カップ戦から中3日の山口だが、カップ戦はメンバーを大幅に代えて臨んだ事もありメンバー編成に大きな影響はなさそうだ
ただ、岡山戦で退場となった梅木に変わる前線の選手に注目したい
河野を1列前に上げて起用するのか、カップ戦で得点を記録した山本やシルビオジュニオールなどこちらは連戦だがその勢いの継続に期待したところだ
長崎は前節の勝利は大きな自信に繋がったはず。特にエジガルジュニオは昨季怪我に苦しみ10試合2得点(リーグ戦)だったが、今季は復活を見せるここまでの3得点
過去J1で1度、J2で2度2桁得点を記録しているスコアラーに加え、カップ戦の愛媛戦で得点を記録した昨季のJ2得点王&ベストイレブンのフアンマと前線は個の能力が高い
メンバーの変更がある山口は、前線の選手に対してどのようなプロセスで得点に繋げていくか。一方の長崎はその良さの継続と、起用法に注目したい
②攻めたい山口、ひっくり返したい長崎
前節の岡山戦では攻めあぐねる部分も見えた山口
相手のプレッシャーや守備の構築によって変化を加えなければいけない部分も出てくる
それでも前節全く形がつくれなかったわけではない。少しでもゴールに近づいたフィニッシュを目指すために、相手の守備を突破してゴールに迫りたい
その一方でカウンターのケアも重要となる。長崎は攻めあがる清水の裏をついて、そこから得点を生んだ
山口は特に左サイドの新保が積極的に仕掛け前線に上がりチャンスをつくる
だからこそ攻守の切り替わり部分や、そのタイミングで山口から見るとボランチやCBのカバー、長崎から見れば空いたスペースに上手く配球しゴールに迫りたい
攻めたい気持ちと、ひっくり返されるリスクと判断が難しいところは出てくるかもしれないが、それをチームとしてどのようにデザインしてくるのか注目したいところの1つになる
③セットプレーの攻防。粘り強く90分間戦えるか
昨季の長崎はセットプレーに1つの強みを持っていた。もちろんフアンマの状況次第ではあるが、前節もCKから得点を奪っており、シーズンを戦う上でもこうした武器を磨いていきたい思惑もある
一方の山口は今季失点はCKからの2失点のみ。粘り強い守備が昨季よりも見えており、だからこそ集中力をもって戦いたい
開幕からの2試合は先制点を奪えており、その内の1点は開始早々のCKでもあった
今節梅木は不在だが、精度の高いキックか蹴れる新保や佐藤の良さを生かしつつ、両チームセットプレーでの攻守では集中力を持って臨みたい
今季リーグ戦ではまだ複数失点がない山口と、前節初の複数得点を挙げた長崎
前節からの修正と良い部分をより広げて、充実したシーズンを送るための戦いと変化。序盤ながらも、タフな好ゲームに期待したい
試合は日曜日の13時15分にキックオフ!是非現地の維新みらいふスタジアム。またはDAZNにてお楽しみください!
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