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2024明治安田J1リーグ第3節セレッソ大阪対東京ヴェルディの個人的な見どころを紹介

2節を終えて連勝チームはなし。今季のJ1リーグはより混沌としそうなスタートになっている
ホーム開幕戦で勝利こそならなかったが新加入選手たちが良さを見せ、今季の戦いに期待を見せたセレッソ大阪
前節はアウェイで鹿島と対戦し1-1の引き分け。勝利こそまだないが、敗戦もなし。今季初勝利を目指してホームで東京ヴェルディを迎える

その東京ヴェルディは16年ぶりにJ1を舞台に戦う
熾烈な昇格争い。最後の最後まで戦い切りJ1復帰を勝ち取った。開幕戦は国立競技場で横浜FMと対戦。1-2の敗戦となったが、セットプレーから得点を奪いサポーターを大いに沸かせた
前節はアウェイで浦和と対戦し、終盤の失点で1-1の引き分け。16年ぶりのJ1での勝利は今節以降に持ち越しとなった

セレッソ大阪と東京Vの対戦は2016年以来、実に8年ぶりとなる
そしてJ1の舞台に限定すれば2005年以来の19年ぶり
新たな歴史を刻む一戦に期待したい

(J1リーグ 解説:木場 昌雄さん リポーター:加藤 綾さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/3/8時点)(リーグ戦のみ)

セレッソ大阪:0勝2分0敗 勝ち点2の14位  3得点 3失点(±0)

ホーム開幕戦のFC東京戦では主導権を握りつつも追いつかれで2-2の引き分け。それでも新加入の田中が得点を決め、ルーカスフェルナンデスも存在感を見せる等早くも今後が楽しみな開幕戦だった

そのセレッソは前節アウェイで鹿島アントラーズと対戦。開幕戦先発だった鳥海はベンチ外。アカデミー出身の舩木と西尾がCBのポジションについた

立ち上がりは鹿島の鋭いプレスに苦しむも、徐々にショートパスとロングパスを織り交ぜながらペースを握る
ミドルレンジからのシュートを含め、積極的にゴールに迫る場面を見せた

前半にルーカスフェルナンデスが負傷し為田と交代するアクシデントはあったが、後半にセレッソはカウンターから為田のクロスにレオセアラが反応して先制に成功し1-0とする

逃げ切りを図りたいセレッソだったが、セットプレーから押し込まれる場面もあり、終盤にFKから失点し1-1の同点に追いつかれ、結果は引き分けに終わった

それでも昨季終盤、なかなか得点が生まれなかった部分を考えると、ボールと人が連動し2試合連続の先制にも成功。負傷者などのアクシデントはあったが、負けていない部分にフォーカスをしてホームで勝利を狙いたい

鹿島VSセレッソ大阪の結果(Jリーグ公式HPより引用)

東京V :0勝1分1敗 勝ち点1の16位 2得点 3失点 (-1)
開幕戦は歴史的な対戦カード。横浜FMとの一戦だった。16年ぶりにJ1に戻ってきた東京V。サポーターや多くの人らが待ちわびた開幕戦は堂々と戦った

終盤の2失点で1-2の逆転負け。それでも、直接FKを沈めた山田楓喜や、守備面でも昨季同様にアグレッシブな守備を随所に見せ、J1の舞台でもタフに戦える部分を示した

前節はアウェイで浦和と対戦。翁長・稲見という両SBを深澤と山越に交代。DFを2人入れ替えて臨んだJ1復帰後初のアウェイ戦だった

東京Vは開幕戦と同様に強いプレッシャーをかけて自分たちのリズムをつくろうと試みる
ゴール前まで迫る場面を前半から見せるも得点には繋がらない
少しづつ浦和がボールをキープする時間をつくるも、4-4-2の丁寧なブロックを敷きながら守備。マテウスの好セーブも光り、少し膠着状態が続いた

プレッシャーをかけてゴールに迫る東京VはCKから、競り合いでこぼれたボールを木村が反転ボレーをたたき込み2試合連続で先制に成功
前節の山田楓喜に続き、京都から期限付きで加入している2人の若武者がシーズン序盤から存在感を見せている

後半も東京Vは昨季から積み上げてきた連携と献身的なプレーで得点機会をうかがう。それでも、浦和のメンバー交代とシステム変更もあり、少しづつ押し込まれる展開に。そして終盤にPKを献上し失点。ただ、その後は守り切り結果は1-1とJ1復帰後、初めての勝ち点をアウェイの地で勝ち取った

浦和VS東京Vの結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はセレッソの13勝、東京Vの14勝、引き分けが6回と五分の戦績が残っている

リーグ戦で最後に戦ったのは2016年11月12日のJ2での対戦
その時は2-1でセレッソ大阪が勝利をおさめている

過去の対戦成績では五分の戦績だが、セレッソ大阪は対東京V戦は現在8試合負けなし(5勝3分けで3連勝中)
ただ、2007年のJ2での対戦では東京Vが3勝1分けなど大きく勝ち越した

久々の対戦となる両チームでどんな戦いが見れるか注目したい

★古巣対戦
両チームで古巣対戦はないが、東京Vには大阪にゆかりのある選手が多く在籍している
関学出身の山田剛綺、山見、木村
林は大阪体育大出身でもあり、セレッソ大阪の田中駿汰には大きな影響を受けたと語っていた
河村慶人は大阪府出身でもあり、山田楓喜は京都のアカデミー育ちでもある
兵庫出身の翁長や、ガンバ大阪のユース出身の食野など、関西でのアウェイ戦だが関係者含め多くの人たちが彼らの戦うプレーを観に足を運ぶかもしれない

★過去のセレッソ大阪VS東京V戦での得点者
セレッソ大阪:2009年に香川が2得点を記録(2節と41節でいずれもアウェイ戦)
東京V:現在の所属プレーヤーではなし

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

セレッソ大阪:0勝2分0敗 勝ち点2の14位  3得点 3失点(±0)

先制試合:2試合 0勝2分0敗(昨季は先制試合18試合)
先制された試合:0試合 (昨季は被先制試合は14試合)
スコアレスドロー:なし(昨季は2試合のみ)

ホーム: 0勝1分0敗 勝ち点1  2得点  2失点 得失点±0
アウェイ: 0勝1分0敗 勝ち点1 1得点  1失点 得失点±0
※昨季はホームで9勝1分7敗、アウェイでは6勝3分8敗
最後にホームで勝利したのは10月28日のG大阪戦

今季はここまでカピシャーバ、田中駿汰、レオセアラが得点を記録
昨季はレオセアラが12得点を記録。カピシャーバは昨季4アシスト記録

複数得点:1試合 昨季は13試合
複数失点:1試合 昨季は8試合(開幕から3試合続けて複数失点)
無失点:0試合 昨季は10試合
無得点:0試合 昨季は11試合(終盤で7試合無得点)

<得点>前半に1得点 後半に2得点 
<失点>前半は1失点 後半は2失点

今季はここまでセットプレーからの得点は3得点中1得点
セットプレーからの失点は前節の失点が初めてで3失点中1失点

昨季は39得点中セットプレーからは10得点を記録(25.6%)
34失点中11失点がセットプレーでCKから7失点、FKから1失点、PKからは1失点、それ以外から2失点)
昨季は山中とクルークスからのセットプレーからだったが、そこまで多く得点は奪えず。今季はルーカスフェルナンデスや、多くの選手の復調にも期待がかかる

東京V :0勝1分1敗 勝ち点1の16位 2得点 3失点 (-1)

先制試合:2試合 0勝1分1敗(昨季は22試合)
先制された試合:0試合 (昨季は被先制試合は13試合)
スコアレスドロー:なし(昨季は7試合)

ホーム: 0勝0分1敗 勝ち点0  1得点  2失点 得失点-1
アウェイ: 0勝1分0敗 勝ち点1 1得点  1失点 得失点±0
※昨季はホームで8勝7分6敗、アウェイでは13勝5分3敗
アウェイで勝利を飾ればJ1でのアウェイ戦100勝目となる

今季はここまで山田楓喜、木村勇大が得点を記録
昨季は染野が6得点を記録。稲見、深澤、齋藤が4得点を記録し、前線の選手以外の得点も目立った
アシストでは齋藤が6アシストを記録。5得点4アシストの中原は移籍

複数得点:0試合 昨季は19試合
複数失点:1試合 昨季は10試合
無失点:0試合 昨季は23試合 失点数はリーグ最小
無得点:0試合 昨季は12試合

<得点>前半に2得点 後半に0得点 
<失点>前半は無失点 後半に3失点

今季はここまでセットプレーからの得点は2得点中2得点と100%
セットプレーからの失点は3失点中2失点でいずれもPKから失点

昨季は57得点中セットプレーからは16得点を記録(28.1%)
31失点中9失点(29.0%)がセットプレーでCKから5失点、FKから1失点、PKからは3失点だった)
今季はここまでFKとCKから得点を、前半のうちに記録
失点は前半は2試合とも無失点。後半の終了間際にPKでの失点があり、ここまで3失点は全て後半44分以降

昨季は後半31分以降の失点はわずかに「3」ただ、この3失点のうち2失点はCKからの失点であり、セットプレーからの失点は今節も警戒したい

個人的な見どころ

楽しみな一戦だ。新戦力の加入でベースアップしたセレッソ大阪は今季まだ未勝利ながらも、随所に昨季の積み上げも見える
一方で昨季終盤にドラマを見せ、16年ぶりにJ1で戦う東京Vは勝利こそないが、昨季のアグレッシブなサッカーの継続を攻守で見せ、ここまで2試合続けて先制点を奪っている

今節の個人的な注目ポイントは以下の3つ

①先制点と試合のクローズ
両チーム今季ここまで2試合連続先制に成功している
勝利に結びつける事はできなかったが、昨季終盤得点力で苦しんだセレッソ大阪からすれば変化でもあり、東京VにとってはJ1の舞台でも十分に自分たちのパフォーマンスが通用する自信に繋がっていると言える

一方で両チーム先制後に失点を許し、セレッソ大阪は開幕戦は取って取られての展開となり、前節は終盤にセットプレーから悔しい失点となった

東京Vも劇的な開幕戦の先制弾。そして前節のボレーシュートでの先制点を守り切る事ができなかった。後半の44分にPKを与えてしまい失点。前節はそこからの失点は許さなかったが、開幕戦では後半のアディショナルタイムに失点と悔しい敗戦となった

アグレッシブな攻守と切り替えの早さがある両チーム。その強度を試合終盤、メンバー交代を経た後でもチームとして集中力を保つ事ができるかどうか。終盤の采配や戦い方には特に注目していきたい

そして、先制点をどちらがどのような形で奪うかも楽しみだ
東京Vは2戦続けてセットプレーからの得点を記録。染野、木村、山田楓喜をはじめ中盤の4人と前線の2人は若さもあり、アグレッシブなプレーが光る

一方のセレッソ大阪はアンカーに新加入の田中駿汰。インサイドハーフに技術のある香川、運動量のある奥野。サイドはカピシャーバ、為田、クルークスとドリブルやクロスに特徴のある選手が並ぶ
前線はレオセアラが得点を記録。また新加入のブエノも得点力に優れた選手だけに、ポジション争いを含めた彼らの躍動にも期待したい

②プレスで奪いとるか、外して前進するか
両チーム失点は続いているが、昨季は安定した守備をベースに戦っていた。今季もこの部分は継続となりそうだ
東京Vは不動のSB宮原のコンディション次第ではあるが、彼が戻ってくればより攻守に安定感をもたらすはず
谷口・深澤のコンビは昨季も主力であり、今季はJ1のFWに対してどのように対峙するか楽しみにしたい

セレッソ大阪は進藤の負傷。前節は鳥海がメンバー外ということもあり、CBはやや手薄に。前節はセレッソ大阪のアカデミーコンビである舩木と西尾がプレー。鹿島のアグレッシブな攻撃に対して、チームで粘り強く戦っていた

東京Vは前線からプレスのスイッチを入れて、積極的にボールを奪いに行く。セレッソ大阪はスイッチのタイミングは異なるように見えるが、経験豊富なプレーヤーたちが取りどころを判断してスイッチを入れ、攻守の切り替えが非常にスムーズな印象だ

中盤のセカンドボール争いに加えて、球際の攻防は見応えがありそうだ。相手のプレスに対して、味方のサポートに加え、どのような意図を持ってゴールチャンスをつくっていくか。その攻防に注目していきたい

③両チーム強みと課題のセットプレー
アンカーでプレーする今季加入の田中駿汰は183センチあり、フィジカルも強い。新加入のブエノも高さはあり、ルーカスフェルナンデスやクルークス、そして復活が待たれる清武など、昨季以上にセットプレーからの得点でチャンスをつくりたい

東京Vは戦列なFKを見せた山田楓喜、キャプテンの森田も精度の高いキックを持っている。山越、林、谷口といったDFの選手は昨季このセットプレーから得点に繋げている
今季は直接FKと木村の素晴らしいボレーシュートで得点を奪っているが、押し込んでセットプレーを奪えればそこから流れをつくることができるはずだ

一方で両チーム前節は終盤にセットプレーから失点し追いつかれての引き分けとなった
特に東京VはVARも含めて、試合の締め方にはより集中力を持って臨みたい。


試合は3/9の16時からヨドコウ桜スタジアムでKOを迎えます
セレッソ大阪はチーム創設30周年目となる節目のシーズン、ホームで今季の初勝利を。一方の東京Vは昇格後の初勝利とJ1アウェイ100勝目を

お互いが勝利に向かってタフに戦う90分間に期待です。是非Jリーグ公式映像DAZNやスタジアムでお楽しみください!



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