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Bリーグ2023-24シーズン第8節京都ハンナリーズ対信州ブレイブウォリアーズの個人的な試合展望

11月の3連休からバスケットが各地で盛り上がり、水曜日のナイトゲームもOTにもつれる接戦もあり、平日の夜を楽しませてくれました

今週末も各地で熱い試合が行われます
上り調子のチームもあれば、もちろんなかなかうまくいかない事に歯がゆい思いをしているチームもあるかもしれません

長いシーズンではありますが、1つ1つの試合にストーリーがあり、転換点があるはずです。そうした1試合に出会えることを私も楽しみにしています

今週末は京都ハンナリーズはホームに信州ブレイブウォリアーズを迎えます
水曜日の試合、京都は琉球に敗戦。信州は川崎に敗戦もこの週末どのように気持ちを切り替えて臨む事ができるかどうか

京都は今季ここまで秋田戦での1勝のみ。ホームではまだ未勝利ですが、今季は本当に多くの方が会場に積み重ねてくれています。その中で勝利を届けることができるか?そのエナジーに注目です

一方の信州はアウェイ連戦。スタントンキッド、更には川崎戦では石川も負傷と少し心配な状況が続きます。それでもプレータイムを得た選手たちが、チームのために走り強い気持ちを持って戦いました

古巣対戦となる岡田選手や青木選手、デイヴィットサイモン選手等もいます。流れを掴むことができるのはどちらのチームでしょうか。怪我無く、熱くてタフなゲームに注目です

解説:内海慎吾さん(2014-2022 京都ハンナリーズでプレー)
実況:能政夕介

※加執・修正の可能性もあります

両チームの今季と前節について(11/10時点)7節終了時点

京都ハンナリーズ【平均72.2得点(リーグ21位)平均84.1失点(リーグ20位)】1勝11敗で西地区8位(現在6連敗中)

苦しい状況が続きます。先週末の広島戦GAME2、そして前節の琉球戦では前半非常に良いプレーを見せていました
勝利のために足りないピースを、準備期間の少ないこの週末に向けてどのように取り組んでいくか、そしてプロセスに加えて結果にも各選手がこだわる事ができるか注目したい一戦です

今季の京都はリバウンドについては大きく改善し平均42リバウンド(リーグ3位)あとはこの確保できているリバウンドを勝利にいかに繋げていくかだ

現状アウトサイドで見ると3Pは1試合平均が7.7回/24.8回で成功率は31%
試投数や成功率も現状はリーグ全体で下位に沈んでいる
一方で2FGのアタックは平均40.6回とリーグ全体で見ても6番目に多いもののその成功率は46.6%に留まっている(リーグ23位)

新チームはメンバーが大きく代わり、チームとしてのシナジーを創る部分に苦慮している印象だ。しかしながら徐々に個々の特性、良さが出ていく場面も増えている
確保できているリバウンドから、ミスが減り、チームオフェンスが機能することで攻守の底上げに繋がるはず
まずはホーム初勝利に向けて、勝ちたい気持ちとその遂行力のバランスをとり、勝利を目指したい一戦です

信州ブレイブウォリアーズ【平均77.8得点(リーグ13位)平均83.6失点(リーグ19位)】4勝8敗で中地区6位

今季はジョシュホーキンソン、京都に移籍した岡田を含め、前田や熊谷の移籍もあった
それでも、秋田の点取り屋キッド、古巣復帰の石川、昨年からの躍進を見せたい栗原ルイスなどチームとしてこちらもシーズンの中でステップアップしていきたい信州
その信州が現状負傷者も出ており難しい状態になっている
IL入りしているマーシャルや生原。そして、富山戦でスタントンキッド、前節の川崎戦で石川が負傷。ドンリーやマシューアキノの欠場も続く中で、プレータイムを伸ばす選手たちの躍進に期待したい

メンバーは変わっても信州らしさのあるアウトサイドへのトライと守備へのエナジー
現状失点数こそ平均83.6とリーグ19位だが、新加入の選手との連携が進めばより強度の高いチームディフェンスが機能するはず

今季ここまで3Pは1試合平均で11.0/33.7成功率は32.7%と成功率はリーグ14位も、試投数と成功数はリーグ3位という積極性
栗原ルイスは成功率40.7%、三ツ井も回数こそ少ないが今季はここまで7/16で43.8%と高確率で成功
前節も川崎戦苦しい時間帯も長かったですが、星野とサイモン拓海が3本の3Pを成功させた

怪我人の状況は読めませんが、出場するメンバーがエナジーを持って勝利を目指す姿を楽しみにしたいところです

両チームのメンバー編成(★は今季加入)

京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(続投)

■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史★過去信州でプレー

■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)★古巣対戦
前田悟(川崎から加入)
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)

■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
シェック・ディアロ(NBA復帰)
ザック・モーア
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)

メンバーが入れ替わった京都は2季目を迎えるロイラナHCがチームをつくっていく。個々のメンバーのポテンシャルは十分だが、あとはそのシナジーをどれだけ生んでいけるかどうか
守備の強度を上げること、そして上手くチームオフェンスが機能できるようになること
個人の能力だけで守り切れない、チームオフェンスの幅が広がれば、より個人のプレーも脅威となる
シーズンの前半のうちにしっかりとチームをつくれるか注目したいところです

信州ブレイブウォリアーズ
HC:勝久マイケルHC(続投)

■選手(継続)
栗原ルイス
マシュー・アキノ
サイモン拓海
三ツ井利也
ウェイン・マーシャル(IL入り)
⽣原秀将(IL入り)

■新加入(IN)
エリエット・ドンリー(大阪から加入)
石川海斗(FE名古屋から加入)復帰
星野京介(滋賀から加入)
ロン・ジェイ・アバリエントス(韓国のクラブから加入)
スタントン・キッド(秋田から加入)
デオン・トンプソン(韓国のクラブから加入)
小玉大智(練習生から選手契約)
山本楓己
デイヴィッド・サイモン(10/26に契約)

■他チームへ移籍
岡田侑大(京都へ移籍)
前田怜緒(A千葉へ移籍)
熊谷航(秋田へ移籍)
ジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷へ移籍)
アンソニー・マクヘンリー(現役引退)
ドゥレイロン・バーンズ
ウィリアム・モズリー

6季目を迎える勝久マイケルHC。昇格後確実にチーム力を上げ、信州という地にバスケの熱を根付かせている
主力が抜けた事は間違いないが、それでもチームをつくりながらしっかりと勝利も積み重ねている
現状負傷者が多いという事実は変わらないが、これまでの引き出しと長く信州でプレーする選手たちのエナジーを共有させながらどのように新加入選手とチームを創り上げていくか注目したい
今の苦境を乗り換えれば確実に長いシーズンの先に実りがまっているはずだ

過去の対戦成績(京都3勝・信州7勝)リーグのみ

リーグ戦での過去対戦成績は京都の3勝、信州の7勝と信州がリード
昨季は2度対戦しお互いに1勝ずつだった
GAME1では京都は4Qに逆転勝利を飾り、GAME2では前半からエナジーを持って臨んだ信州が最終的に逃げ切って勝利を飾った

2022-23シーズン(京都1勝・信州1勝)
京都
72-71 信州 2022.12.03
京都 85-90 信州 2022.12.04

2021-22シーズン(京都0勝・信州4勝)
信州
98-69 京都 2021.12.29
信州 82-58 京都 2022.02.05
信州 72-51 京都 2022.02.06
京都 69-71 信州 2022.04.06

2020-21シーズン(京都2勝・信州2勝)
京都
69-66 信州 2020.12.05
京都 51-63 信州 2020.12.06
信州 82-67 京都 2021.03.31
京都 74-71 信州 2021.04.14

過去の戦績では信州が有利ですが、京都は3勝しているのは全てホームという結果が残っています(京都ホームでは6戦3勝。逆に信州はホームでは4戦4勝)

上昇気流に乘りたい両チームが今季はどのような戦いを見せてくれるか?
特に京都は3勝の試合は全て接戦(3点差2回と1点差1回)
逆に信州はメンバー構成が読めませんが、粘り強く戦い勝利を信州に持ち帰りたい戦いです

個人的な見どころ

京都と信州は今季初めての対戦
京都は現在6連敗中と何とかこの連敗をホームで止めたい一戦
信州は7連敗と苦しい時期もありましたが、ホームで富山に連勝、前節こそ敗戦しましたが、アウェイの地で勝利を飾りたい一戦

個人的な見どころは3つ
①メンバー編成と古巣対戦
②ディフェンス強度とチーム連携
③アウトサイドシュートの意図と結果

①メンバー編成と古巣対戦
京都は前節ホームで琉球と対戦
スタートのメンバーは水野・チャールズジャクソン・前田・ケビンジョーンズ・岡田でした
現状全試合でスターティング5なのがチャールズジャクソンとケビンジョーンズのみ(岡田は広島戦GAME2で初のベンチスタート)
琉球戦では水野が今季最長の33分41秒のプレーで9得点4R5アシストを記録
またステイシーデイビィスも17得点6Rとベンチから活躍
特に日本人選手の起用と、誰がベンチから流れを変えるエナジーを見せる事ができるか注目したい

一方の信州は前節の川崎戦ではロスターは10人。マーシャル、生原に加えて、スタントンキッド、エリエットドンリー、マシュー・アキノが負傷中
外国籍選手として古巣対戦となるデイヴィットサイモンが加入するも、前節川崎戦で石川が足首を負傷しプレーは2分19秒のみ
各選手の状況は不明だが、最も難しい状況だと9名でのロスターという可能性もある
オンザコート1以下の際にインサイドで集中した守備を見せる事ができるかどうか?注目したい

古巣対戦は京都側から見ると
岡田侑大:2021-23シーズンの2年間信州でプレー
青木龍史:2019-20シーズンの1年間信州でプレー(特別指定選手)

信州側ではディヴィットサイモンが2018-22シーズンの4年間京都の主力でプレー。現在の京都所属だと共にプレーしたのは小西のみだが、ブースターやコーチ陣には大きな想いがあるかもしれません

②ディフェンス強度とチーム連携
ここまで京都が平均失点84.1点でリーグ20位。信州が83.6失点でリーグ19位

京都はリバウンドではリーグ上位を記録するも、1試合平均のTOが14.1という部分とシュートの成功確率が上がってきていない状況です
アシストも平均15.8回とリーグ20位
良いボールシェアから、確率が高くなるシュートを狙いたいところ
信州は苦しいメンバー状況にはなりますが、特に守備面では個々の頑張りとチームとしての守備を試合通じて継続できるか注目したいところです

オンザコート1の時間帯もある中で、守備で粘り強く戦えば、切り替えて得意のアウトサイドに繋げる事もできるはずです

一方の京都は信州が今季得意にしているアウトサイドをどれだけ抑える事ができるか。そして高さで優位性を示せる部分をどこまで生かす事ができるか注目したいところです
京都は今季スティール平均が5.5回でリーグ22位
ジャクソンや岡田が1試合平均1つのスティールを記録していますが、他の選手たちが個々の守備の役割に加えて、気持ちよく相手にボールムーブさせないチームとしての守備の完成度を高めたいところです

③アウトサイドシュートの意図と結果
京都は昨季3Pの1試合平均は8.5/24.9で成功率は34.0%(今季は7.7回/24.8回で成功率は31%)と試投数には大きな変化はなく、この成功確率を誰が、どうクリエイトしていくのか?その意図がチームとして成熟すれば、リバウンドで優位性を取れる分より脅威になるはず

信州は昨季3Pの1試合平均は9.2/29.9で成功率は30.9%(今季は11.0回/33.7回で成功率は32.7%)と今季はアウトサイドの確率を向上させ、結果的には平均得点が昨季の75.1点から77.8点と向上
守備面は負傷者の影響は大きいが、キッドが仮に不在のままであればこのアウトサイドシュートでの得点を誰がどのように担っていくのかは注目したい
今季最も3Pのシュートを打っているのはキッドだが、24/82で成功率29.3%
その後50本前後でアバリエントス、石川、栗原、星野が並ぶ
試合の流れもあるが、京都は信州の3Pをクリエイトさせないタフな守備に加えて、ゾーンプレスを用いた守備での一体感を出してくるはず
そこを信州がどのように強いエナジーで打開をしていくのか
前節素晴らしい活躍を見せた星野やサイモン拓海のようにプレータイムを伸ばす選手たちの躍動に期待がかかる

個人的なこぼれ話

最近アスリートの方のアウトプットが増えている印象です
ヴィッセル神戸の齊藤 未月選手が全治約1年の大けがを負ってからスタートしたnoteでの発信

オフシーズンに聴けるBリーガーのVoicy(琉球の牧選手が展開)

そして、今節の京都VS信州では山本楓己選手がnoteを不定期に更新。Xやインスタグラムなどアスリートの方も発信している方は多いが、自分の思いや言葉を文章に綴る事は決して簡単ではありません
ただ、そうした内側に持っている想いや熱意を知る事で共感や応援する気持ちが生まれその人のファンになっていくのかなとも思います
負傷者が多くいるチーム状況の中で、どのようにコート上で戦うのか、注目したいと思います

今週末も各地で熱戦が繰り広げられます。京都VS信州でも好ゲームを期待。古巣対戦がある中で、お互いのファンブースタに強い気持ちで戦う姿勢を見せたい一戦
11/11の土曜日は15時5分からティップオフ!現地またはバスケットLIVEでお楽しみください!

サポートいただいた内容は今後の記事や取材等に充てさせていただきます。少しでも良い内容をお届けできるようにしていきます。