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2024明治安田J2リーグ第18節レノファ山口FC対清水エスパルスの個人的な見どころを紹介

J2リーグも間もなく折り返しを迎えます。この6月は天皇杯やカップ戦を戦うチームもあり、連戦が続きます

山口も清水も6月の中旬には天皇杯が控えており、暑さが増してくる時期の連戦となり総合力が試されます

リーグに目を向ければ、折り返しを迎えると今季2度目の対戦となり、スカウティングや夏場のチーム編成なども相まってより競争と変化が生まれてくるかもしれません

ホームの山口は充実の5月を過ごしました。3連勝を含む、3勝1分1敗と勝ち点を積んで昇格PO圏内の6位に

前節の大分戦はスコアレスドローと連勝は止まりましたが、4試合負けなしは継続。今節の清水との一戦は、昨季からの成長を見せる大きな機会かもしれません

一方の清水は首位を快走。2位長崎とは勝ち点差は「4」
5月は4勝1敗と横浜FCには悔しい敗戦は喫するも、勝利した試合は全て複数得点を記録(5試合で13得点・4失点)昨季得失点差で悔しい想いもしました
色んな経験を糧に、今季も戦っています

前節の水戸戦は苦しむ時間帯はありましたが、2-1の勝利で連敗はせずに勝ち点3を積みました

連戦もある6月。良い状況でリーグ戦を折り返すために、必勝で迎える週末です

(J2リーグ 解説:中島浩司さん リポーター:トクダトモヨさん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/5/29時点)(リーグ戦のみ)

レノファ山口FC:8勝4分5敗で勝ち点28(22得点13失点)+9で現在6位

3連勝と好調な状況で乗り込んだアウェイ大分戦は、ゴールに迫る場面を見せるも0-0のスコアレスドローで終わった

それでもこれで4試合負けなし。3試合ぶりの無失点を記録し、5月は上昇気流をつくった1か月になった

この試合は体調不良から復帰した梅木と、先日負傷が発表された相田に代えて佐藤謙介が起用された
前半はお互いにセットプレーや、コンパクトな攻守でゴール前で良い攻防を見せた

山口は前線でターゲットになれる梅木や、サイドからのアクションでゴールに迫る場面を見せるも得点は生まれず
守備面ではGKの関が素晴らしい判断を見せてゴールに鍵をかけた

後半から佐藤謙介に代えて池上を起用。河野が負傷交代とアクシデントもあったが、前向きの矢印は変えずに立て続けにゴールへ迫るも得点は生まれず

終盤は大分のポジション変更に対して、志垣監督も冷静に対応
シュートやチャンスの数では上回った部分も見せたが、結果はスコアレスドロー。J2でのクラブ初となる4連勝はならずも、無失点で試合を終え、アウェイで勝ち点1を得た

ただ、山口も今季主力の相田と河野の負傷はチームに与える影響は大きいはず。河野の状況は不明だが、ここから暑さも増してくる中、チーム一丸となって戦いたい

2024明治安田J2リーグ大分VS山口の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

清水エスパルス:13勝1分3敗で勝ち点40(33得点17失点)+16で現在首位

破竹の7連勝から、アウェイで横浜FCに敗戦
仕切り直しとなったホームでの一戦は秋葉監督にとっても古巣かつ、昨季の終盤で対戦で悔しい思いもした水戸との一戦だった

フォーメーションを3-4-2-1から4-4-2で対峙し、宮本に代えて白崎、そして住吉に代えて高木を先発に起用

立ち上がりから背後のスペースを積極的に狙い、ピッチを広く使いながらアグレッシブな入りを見せた清水
水戸の果敢なプレスを受ける場面をありつつも、剝がしながら前進しチャンスを試みる

今季ホームで負けなしの清水はゴール前で獲得したFKを矢島が鮮やかに直接ゴールを奪い先制に成功
ただ、水戸も良い出足からゴールに迫りCKを獲得。そのCKのこぼれ球を長井が素晴らしいミドルで同点に
お互いに勝ちたい気持ちが見えた前半は1-1で折り返した

後半、清水は特徴の1つでもある両SBが躍動
山原の攻撃参加、好調な北川が前で起点となり、そこから右SBの原が丁寧に上げたクロスをボランチ白崎が冷静にヘッド
上手く角度をつけたシュートはゴール隅に突き刺さり勝ち越しに成功

その後は水戸に押し込まれる場面はあったが、CBと権田が中を締めて失点を許さず。結果は2-1で勝利し、敗戦後の試合で勝ち点1ではなく3をホームで積み上げた

ただ、前半で交代したカルリーニョスジュニオのコンディションに加えて、ハイラインで生じる守備の課題も一部見えた一戦だった

試合後秋葉監督は、白崎や高木といった久々の先発メンバーを讃え、そしてベンチやベンチ外の選手を含めて一丸となって戦っている事を述べていた

敗戦後の難しい試合でしっかりと勝ち点を積んだ清水。再び連勝街道に乘るために、より気持ちを込めて戦いたい一戦だ

2024明治安田J2リーグ清水VS水戸の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると清水3勝、引き分けが1回と清水から見ると優位な過去戦績に

昨季は山口のホームでは6-0で清水が勝利(井林2得点、北川、ディサロ、中山、チアゴサンタナが得点を記録)

清水のホームでは1-0で清水が勝利(カルリーニョス ジュニオが得点を記録)

2016年の8月の試合は2-2で引き分け。山口は8年ぶりとなる対清水戦での勝ち点奪取を狙う

一方の清水は再び連勝街道に乘るために大切な1戦となる

★所属選手が過去の試合で得点を決めた記録

山口は対清水戦ではなし(昨季は無得点+その前が2016年シーズンのため)
清水は対山口戦では北川が2得点、カルリーニョスジュニオ、白崎が得点を記録している

※古巣対戦

山口)キムボムヨンが2016年途中から2017途中までプレー(J2で8試合プレー)

清水)
成岡輝瑠2022年、2023年と2年続けてシーズン途中から山口に加入(2年で18試合3ゴール)

矢島慎也2023年シーズン所属し36試合3ゴールと主力としてプレー

山口は対清水戦についてはまだ勝利なし。今季は好調な状況で迎える一戦となる

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

レノファ山口FC:8勝4分5敗で勝ち点28 (22得点13失点)+9

先制試合:12試合 8勝1分3敗(8節熊本戦、11節水戸戦、13節仙台戦で逆転負け)
先制された試合:3試合 0勝1分2敗(今季逆転勝利なし)
スコアレスドロー:2試合(9節栃木戦、17節大分戦)

ホーム: 4勝1分3敗 勝ち点13  13得点  7失点 得失点+6
アウェイ: 4勝3分2敗 勝ち点15 9得点  6失点 得失点+3

リーグ戦では12名が得点(梅木・平瀬・若槻・河野が3得点、山本・野寄が2得点、新保・ヘナン・小林・五十嵐・池上・末永が得点を記録)
★昨季は梅木が6得点、河野・池上が5得点を記録

複数得点:7試合(群馬戦で4得点記録) 
複数失点:3試合(昨季は22試合)
無失点:7試合(昨季12試合)
無得点:4試合

<得点>前半に9得点 後半に13得点 
<失点>前半は6失点 後半は7失点

今季ここまで前半、後半の立ち上がりで得点を記録(前半15分以内に4得点、後半の15分以内で6得点を記録)

失点は昨季については前半の立ち上がり(15分以内)と試合の終盤(後半31分~45分)が多かったが、今季は前半・後半開始15分以内の失点は1失点(ただ、後半30分以降の失点は5失点)

22得点中セットプレーでの得点は9点の40.9%。新保のCKとFKを起点に5得点を記録
キムボムヨンのFKと池上のCKからも得点。PKでの得点は今季まだなし

13失点中セットプレーからの失点は7で割合は53.8%(FK1失点、CKから3失点、PKで3失点)★セットプレーからの失点は7失点中6失点が後半に記録


昨季は37得点中セットプレーから14得点(37.8%)と割合は高い
池上が2度の直接FKで得点。PKでも4得点を記録

昨季セットプレーからの失点は67失点中22失点(32.8%)FKから7失点、CKから7失点、PKから4失点、スローインなどその他のセットプレーより4失点
★昨季はアシスト最多が沼田の3が最大だった


清水エスパルス:13勝1分3敗で勝ち点40 (33得点17失点)+16

先制試合:13試合 12勝1分0敗(先制すれば無敗。現状先制試合は8連勝中)
先制された試合:4試合 1勝0分3敗(開幕戦の熊本戦で逆転勝利)
スコアレスドロー:なし

ホーム: 7勝1分0敗 勝ち点22  19得点  5失点 得失点+14
アウェイ: 6勝0分3敗 勝ち点18 14得点  12失点 得失点+2

リーグ戦では14名が得点(北川が8得点、ルーカスブラガ4得点、山原・乾が3得点、松崎・矢島・住吉・西原が2得点、中村・西澤・白崎・ドウグラスタンキ・カルリーニョスジュニオ・宮本が得点を記録)

複数得点:10試合 栃木・鹿児島戦で4得点
複数失点:5試合
無失点:7試合
無得点:2試合

<得点>前半14得点 後半に19得点 
<失点>前半は9失点 後半8失点

今季33得点中セットプレーでの得点は8点の24.2%。矢島は前節直接FKでゴール。山原のCKを起点に4得点など(主に矢島と山原で得点に繋げている)

17失点中セットプレーからの失点6で割合は35.3%(FKから1失点,CKから4失点,PKで1失点)

昨季は78得点中16得点がセットプレー(20.5%)FKから3得点、CKから11得点、PK2得点など

一方失点は34失点中10失点(29.4%)FKから2失点、CKから3失点、その他5失点を記録

昨季は乾が10アシスト、北川は8アシスト、山原が4アシストを記録した

個人的な見どころ

6月は天皇杯を含めて連戦のある月。リーグ戦も折り返しを迎え、後半戦へいよいよ入ってくる

今季清水は昨季の悔しさをバネに、敗戦後も連敗することなくここまで戦ってきている

首位清水とPO圏内の6位に位置している山口(17節終了時点)
好調同士の一戦、好ゲームに期待したい

Jリーグからも既にプレビューが記載

個人的な注目ポイントは以下の3つ

①先制すれば負けなしの清水。両チームの入り方
今季の清水は先制すれば負けなしを記録。ただ、ホームでは無敗もアウェイでは今季ここまで3敗中。守備についても失点はリーグ7位の17失点
ただ、今季リーグ2位の33得点を誇り、5月は敗戦もあったが大量得点で勝利する試合も見せた

山口は高さもあり、空中戦が強い梅木の累積警告出場停止の影響もある。山本も高さはあるが、若月とのコンビネーションでどのように清水から点を奪うか注目したい

お互いに立ち上がりからアグレッシブな姿勢を見せてゴールに迫りたい。その中で、清水はしっかりと前への矢印と、SBや中盤の選手の積極的な攻撃参加でしっかりと仕留めたい

逆に山口はハイラインでできたスペースを突く部分と、相手のアグレッシブな攻撃を防いだ後のカウンターに勝機を見出したい
山口は今季ここまで13失点と、志垣監督らしい堅実な部分も多く見せている

入りの部分でお互いに攻守で我慢できるかどうか。早めに仕留めたい清水と、焦れた部分で一刺しをしっかりと狙いたい山口
その先制点の行方に注目したい

②ピッチを縦に、横に広く使えるか
前述した通り、今節は梅木が出場停止となり、前線のメンバーの組み合わせは恐らく山本・若月の起用が過去の戦いを見ていると可能性として高そうだ

攻撃時は裏へ抜けるアクションに加え、守備時にはアグレッシブなプレスで攻守にスイッチを入れたい
そして、左SBの新保や、ドリブルの打開でチャンスをつくれる野寄や吉岡が存在感を示したい
そのためには中盤でボールを配球する、田邊や佐藤謙介、池上の活躍が不可欠になる

コンパクトな距離感でボールを繋ぎつつ、時にピッチを広く使う選択をしながらゴールに迫る部分と、清水の攻撃を凌いだ後の切り替えのアクションが重要になる

そして清水は前節良かった時間帯のようにSBの攻撃参加や、ボランチが連動して前へ行く場面を増やしたい
そのためには、北川が前線で体を張る部分や、そこへのパスの供給についても注目したい
今季の清水は3バック、4バックと相手に合わせてフォーメーションを変え、中盤の並びも4-4-2から4-2-3-1までこれも相手によって変化する

仕掛ける選手と、スイッチを入れる選手と、山口同様に自分たちが主導権を握る時間でのクオリティーをより高く見せて得点を奪いたい

③鍵を握るセットプレー。流れを変える攻防
山口は今季セットプレーを1つの武器にしている
22得点中セットプレーでの得点は9点の40.9%。新保のCKとFKを起点に5得点を記録と、セットプレーは大きな得点源だ

CKや良い位置でFKを得るためには早い攻守の切り替えや、アグレッシブな仕掛けが不可欠になる
なので良い場面や時間帯で得たセットプレーでしっかりと結果に繋げていきたい

一方の清水は前節矢島の直接FKで先制ゴールを記録。その矢島は古巣対戦にもなるため、また1つ気合を入れてゲームに入る可能性もある
ただ、CKからの流れで失点している部分もあり、横浜FC戦に続いてCKからの失点はより集中して臨みたい

ただ、鹿児島戦では矢島のFKとCK、そして山原のCKが得点に結びついた
精度が高いキッカーがいるだけに、清水もバリエーションの豊かでアグレッシブな攻撃だけでなく、その流れで得たセットプレーをしっかりと得点に結びつけたい

昨季山口にとっては悔しい試合となった清水とのホームゲーム
ただ、あの時とは異なる、進化した部分を見せたい一戦

一方清水も昨季は昇格をあと一歩の部分で逃した悔しさがある。同じ轍を踏まないために、今季覚悟を持ってプレーする選手が、シーズン中盤盤石な戦いを見せる事ができるかどうか

6月最初の重要な一戦。タフでフェアな一戦に期待しましょう

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