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#20 姉妹関係に苦しんでいた「30代の頃の自分」を癒すタイミングが到来

この連載は、長年生きづらさを抱えていた私(KOTOBUKI)が、セラピストのKANNA(かんな)さんとの出会いをきっかけに、初めて自己の内面と深く向き合い、本来の魂の道を生き始めるまでの完全実話の手記――。

サイキック能力のあるセラピスト、KANNAさんとの対話で、私自身が今世、圧が強い人たちにたびたび抑えつけられ、苦しんできたのは、「一つ前の過去生からのカルマによるものだ」と知った私。

つまり、私自身が過去生で下の人たちを圧でコントロールしていたことがあり、そのカルマが今世返ってきているという、信じがたい情報だった(詳しくは前回のお話↓↓)

天地がガラッとひっくり変えるような衝撃をおぼえた私は、この話題を皮切りに自分の内側にあるドロドロとした負の感情と向き合うこととなった――。



姉の圧から逃れられなくなった30代


まさか自分が過去生で圧強めの人間だったなんて、信じたくはない。

だけど、そのカルマによって、今世身近な人たち(姉や職場の上司)からキツく当たられていたんだと思うと、それも受け入れるしかないのかな……という思いも、少しだけ芽生えてきた。

とくに8歳上の姉には、子どもの頃からずいぶんとキツイ態度で抑えつけられていたし、大人になってからも、なんとも言えない「圧」で心を縛りつけられた。

そんな姉の圧から、どうにも逃れられなくなったのは、30代になってからだ。

長年、病気を患っていた姉は、私が結婚した31歳あたりから、ちょくちょく連絡をよこすようになった。

「最近、胸が苦しくて」とか、「歩くのもつらくて」と、主に自分の体調不良について、メールに事細かにつづられていた。

ときどき、母親に対する愚痴も書かれてあった。

「母親のこと嫌いなのに、なんで同居しちゃったんだろう」
「もう母親の面倒なんて見たくない。着替えの手伝いをするのも嫌……」

とにかく、愚痴と嘆きの長文メールが毎日のように送られてくるのだ。

私は一瞬、「ん? でも母親と一緒に暮らすって決めたのは姉なんだよな……」と思いつつも、「きっと病気でつらいんだろうな」「私には理解できないほど苦しんだろうな」と、姉のことが不憫に思うようになった。

「体調、大丈夫? 来週末、そっちに行くからね! 家のこと手伝うから安心して」

私は姉の苦しみや日常の負担を少しでも減らしたくて、姉家族と母が暮らす実家によく帰るようになった。東京から遠方の実家まで、月2回は往復していたと思う。

毎日のように来る姉からのメールにも、すぐに返事をして、なだめたり、励ましたり……。

でも、姉の愚痴はおさまるどころか、エスカレートする一方だった。そのうち姉からのメールの通知が来るたびに「ビクっ」として、恐怖を抱くようになった。

「私は楽しんじゃいけない」という罪悪感


メールの文字から、なんとも言えない「無言の圧力」を感じてしまう。

姉は決して言葉にはしないけれど、こう言われているような気がした。

「あんたは病気じゃなくていいよね」
「あんたは母親と同居せずに、東京で自由に暮らしていいよね」って。

いつしか私は、自分が特段大きな病気もせず、健康に暮らせていることに、そして東京で自由に仕事をしていることに、“罪悪感”を抱くようになった。

旅行に行くことも、友達と遊びに行くことすらも気が引ける。
楽しい予定があったとしても、姉には一切、話さなかった。

心のどこかで、私だけ楽しんじゃいけない。私が楽しんでいることを姉が知ったら、きっと不機嫌になるんじゃないかと思って、言えなかったのだ。

その頃からだ。私の具合が悪くなり始めたのは。

朝は起きられなくなり、一日中重だるい。
首肩も異常に痛くなり、動悸やめまいがするようになった。

病院では、「自律神経失調症かなぁ」と言われたけれど、今思うと「うつ病」になりかけていたんじゃないかと思う。

私はこのときに感じていた、姉から受けた無言の圧力やそこから生まれた苦しみについて、KANNAさんに自然と打ち明けていた。

すると、KANNAさんはこう問いかけてくれた。

「そのときの感情って、体のどのあたりに残っている感じがしますか?」

30代の頃に感じていた姉への負の感情を癒す


おっ! KANNAさんからこの質問が来るということは、「姉との関係性」について、とうとう向き合わなくちゃいけないタイミングが来たのね……。

そう感じ取った私は、姉とやり取りしていた30代の頃を思い返しながら、体のどのあたりが疼くのか、目をつむって感じてみた。

すると、胸のあたりにモヤモヤッとしたものがありそうな気がした。

「うーんと、胸のあたりでしょうか」

「そうです、そうです! よくわかりましたね! 胸の奥、ハートチャクラのあたりにお姉さんに対して思っていた感情が残っていますね。この感情は、何色に見えますか?」

「え? 色ですか?」

またもや難しいことを言うKANNAさん。この感情が果たして何色なのか、目をつむりながら、心の眼で感じ取ってみた。この際、当たっているかどうかは関係ない。自分が感じたことをそのまま口に出すことがきっと大事だ。

「薄汚れた緑色っぽく感じます。それがなんとも気持ち悪い感じで、ムカムカっとしますね」

「そんな感じがするんですね。その緑色さんはなんと言っていますか?」

わ、またこの難問が来た。もう、観念して、感じてみよう。

私は胸に手を当てて、自分の内側からやってくる声に耳を澄ませた。
すると、吐き気をもよおしそうな感じでオエっとなった。

「『ああ、もう嫌だ。うんざりだ。毎日重たいメールを送ってきて、大量の愚痴を聞かされるのも、もううんざりだ。なんでお姉ちゃんは私に頼るんだ。自分で何とかしろ!』と言っています」

「うんうん、いいですね! その緑色さんに、今のKOTOさんから優しい言葉を投げかけてみてください。心の中で伝えるだけでいいですよ」

内心、「え~自分で自分に言うの~? 照れ臭いんですけど!」と思ったけど、もうやるしか選択肢はない。今度は両手を胸に手を当て、ゆっくりと深呼吸をしながら緑色の物体に話しかけた。

『お姉ちゃんから毎日のようにメールが来るの、嫌だったよね。つらかったよね。でも、私はそのメールにちゃんと返事をしたし、励ましのメッセージも送った。どうすればお姉ちゃんの心や体が楽になるか、一緒に考えたし、体にいいサプリや健康器具を見つけて買って送ったりもした。結構、お金も使ったよね。

それはお姉ちゃんの苦痛を少しでも和らげたいと思ったからだよね。私、お姉ちゃんのためによく頑張ったし、耐えたと思う。本当に偉かったね』

当時の姉への対応は、未熟だったかもしれない。もしかしたら間違っていたとさえ、思う。

姉の愚痴を聞けば聞くほど、姉を助ければ助けるほど、姉はどんどん私に頼るようになって、姉は自分の力で生きることをしなくなったから。

でも、そのときの私は、姉をつき放すことはできなかった。もし私がつき放して、姉がどうにかなってしまったら、もっと大変なことが起きてしまいそうで怖かったから。

私が最も恐れていたのは、姉が家族に当たり散らしたり、誰かを傷つけたりして事件に発展してしまうことだった。もしくは姉が自暴自棄になって、不幸な死に方をしてしまうことだった。極端かもしれないけれど、私はそんな最悪の事態を勝手に妄想して恐れていた。

だから、あのときは、そうするしかなかったんだ。姉の話を全部受け止めて、姉の苦痛を和らげるしか、方法が見つからなかったんだ。

そのとき精いっぱいのことをした私を、抱きしめてあげよう。
緑色には、そんな思いを伝えた。

目に涙を浮かべながら、緑色の物体に話しかけている私の姿を、そっと見つめているKANNAさんの、あたたかい視線を感じた。

過去生のカルマは本当だったと確信した瞬間



「緑色の物体に優しい言葉を投げかけてみたら、ちょっとスッキリした感覚がありますね。でも、まだモヤモヤっとしたものが残っている気がします」

完全には取り切れなかったことをKANNAさんに正直に話すと、こう伝えてくれた。

「確かにまだ胸のあたりに感情が残っていますね。じゃあ、ちょっとアプローチを変えてみましょう。

今世、お姉さんから圧を受けることになったのは、KOTOさんの過去生のカルマによって引き起されたものだとしたら、どうでしょうか。その視点で、もう一度、お姉さんとの当時のやり取りを思い浮かべてみたら、違った見え方になるかもしれませんね」

「なるほど。ちょっと見方を変えて、当時を振り返ってみます」

想像したくないけれど、仮に自分の過去生で、自分の身近な人たちを圧で抑えつけていたとしよう。そのカルマによって、今度は姉に圧をかけられていたというわけか……ふむふむ。

ん? んん?? なんだろう、自分の中で思いもよらない言葉が出てきた。

「仕方なくないか? 私がこういう目に遭うのは。だって、過去に私がやってきたことの報いなのだから」

頭じゃない、心の深いところで、真新しい感覚が芽生えた。受け入れたくないけれど、やはり過去生からのカルマによって、今世苦しみを味わうことになったのではと、確信めいたものを感じた。

「今、ハートの奥にある緑色さんはどんな感じになりましたか?」

「あれれ? なんかモヤモヤしたものが減った気がします。うんざりな重た~い気持ちがないです」

「今、KOTOさんの状態を視てみましたけど、だいぶその感情が薄くなっていますね! KOTOさんにとっては、その気づきが大きかったみたいですね」

KANNAさんは、私の中でどんな思いが芽生え、どんな気づきを得たのか、全部キャッチした様子だった。

この気づき一つで重たさがグンと減るってことは、やっぱり過去の報いなのかと諦めに似た感覚をおぼえた。

「KOTOさんが今世体験した出来事は、カルマによって引き起こされたものだとはいえ、KOTOさん自身、お姉さんとのやり取りで実際に傷ついていますもんね。30代の頃に感じた緑色の物体はほぼ消えましたけど、子どもの頃に傷ついた感情はまだまだ残っているように視えます」

そうよね……私、子どもの頃もたくさん傷ついたよね……。
傷ついた感情たちをどんどん癒して、どんどん軽くなりたいと思った。

このときの私は、「溜まっている負の感情たちをサクサク癒して、1カ月後ぐらいには全部癒し終えるかな??」などと、お気楽に見積もっていた。

だけど、それがいかに甘い考えだったか、あとで痛いほど思い知るのだった。


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