ドリルと穴の話(副業サイトの応募ボタンをようやく押せた話)

こんばんは。
今日はマーケティング界隈で必ず1度は耳にするドリルと穴の話について、実際に体験したことをお話しします。

ドリルと穴の話とは

ドリルと穴の話を知らないという方のために、簡単にご紹介すると、ドリルを買いに来るお客様はドリルを欲しがっているのではなく、買ったドリルで開けた穴を欲しがっているのだというものです。売る側の目線で商品を売るだけでなく、顧客視点でお客様が本当に求めているものを売りましょう。というやつですね。

私もマーケティングの仕事に携わっているので、もちろんドリルと穴の話は知っていたのですが、売る側として実体験を通して、いかに自分が商品しか見てないかに気付かされました。

自分のドリルを棚卸ししてみたが....

実は、副業をはじめたいと思い、改めて自分ができることの棚卸しをしていました。(副業の経緯は前の記事もよければご覧ください。)

それなりに資格取得の勉強はやっていたので、名前のついたスキルをいくつか持っていました。

ウェブ解析士、SNSマネージャ、プロジェクトマネージャ、検索型広告認定資格などです。特にウェブ解析は日常的に行なっていたので、何かしらの仕事にありつけるといいなぁ、なんて思いながら自分ができることをリストアップしていきました。

ある程度リストアップもできたので、副業を探せるサイトを覗いていたのですが、全然マッチする案件が見当たらない.....。たとえば、「ウェブ解析ができる人求む」みたいな求人は見当たりません。

「これはダメだ。スキルや勉強が足らんのだ。勉強して出直しだ。」と諦めようとも思ったのですが、そもそもスキルも動かないと身に付かないので、ダメ元で一番面白そうな“潜在顧客へ訴求する”という案件に応募することにしました。

応募にあたって必要な入力事項は履歴書のような基本事項に、自己PRや応募動機を加えたものです。いつもならこうした応募フォームは、毎年年末に更新している職務経歴書から抜粋した文章を流用するのですが、今回は最近本で読んだコンサルの仕事の仕方を真似て、「私ならこうする」という作業の流れをパワポ8枚くらいの簡単な資料にまとめてみました。

そのドリルで開く穴はどんな穴?

今回のお客様が求めていることは“潜在顧客に訴求する”こと。
募集要項にはそう書いてあります。

ところで、この“潜在顧客”という言葉。ニーズが顕在化していない既存顧客ことなのか、ニーズが顕在化している未獲得の顧客を指すのか、もしくは、ニーズが顕在化していない新規顧客のことを指すのか、よく本業でも混同したまま相談を持って来られることがあります。

そのため、資料の一番目は“潜在顧客”についての定義付けを関係者各位と行うこととしました。

次に、上記の潜在顧客が何を求めているかについて、仮説の立案と検証を行います。仮説立案はお客様と一緒に考ます。仮説検証は私が得意なウェブ解析が使えそうです。未CVのユーザをセグメントして、参照元、検索クエリ、ランディングページを見たり、閲覧回数と滞在時間が長いページを分析する....。潜在顧客が何を探しているのか、検証できそうです。

さらに、潜在顧客が、いつ、どのチャネルでサイトに来ているのか、また、サイトに来た結果どうなって欲しいのかを検討し、合意形成を行います。そうすることで施策と数値目標を立てることもできそうでした。

あとは、施策の優先順位付けをして、集客とコンテンツの両面で改善を繰り返すことで、数値目標に向かって走っていけそうです。

資料もまとまり、あとは応募フォームを送信するだけ。

........あれ、この案件、出来そう。と思えました。
実際、応募フォームの送信は迷いなくできました。

穴が必要とされなければドリルは売れない

ここまで資料を作ってようやく、自分がいままでドリルを売ろうとして穴を売る観点を持っていなかったことに気づきました。

つまり、私は今までウェブ解析やプロジェクトマネジメントを売ろうとしていて、それらを活用して出来ること、たとえば、「潜在顧客へ訴求すること」を売ろうとしていなかったんですね。

パン屋さんがパンを売らずにパン工場を売ろうとしていたようなものです。(かえって分かりにくいでしょうか....)

とにかく、このことに気づけたために、私はもう少し売り物を増やすことができそうです。

危うく、永遠と何も生み出さずに勉強だけを続けるところでした。それは商品を産まない工場に延々と設備投資するようなものです。

副業にチャレンジしたことで(まだ応募しただけですが....)思いがけずにこれからの可能性を見つけたことができ、ちょっと嬉しかったです。というお話でした...。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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