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ここは宇宙だっ!
固い握手のようにみえて、実に握力のない握り合いだったのかもしれない。
盲目の紳士と車椅子パーキンソンおじぃの握手。
盲目の紳士は力強い声で相手を称え、一方で車椅子パーキンソンおじぃは風船お空気が抜けていくようなかすれた力無い声で言葉を返す。
「今年もありがとう。元気でいつまでも頑張らないいかんよ」
「ありがとう、また来年もよ、、」
「体にきぃつけてまた来年も一緒にがんばろう」
「あんたもがんばらないか、、」
「じゃあな、元気でな、今年もお世話になりました」
会話のスピードが違うため、盲目の紳士に言葉を上書きされてしまう車椅子パーキンソンおじぃ。
こんな光景は、デイサービスなら当たり前の光景だ。
認知症おばぁと認知症おじいぃの抱擁。
若年性認知症のおにぃへ高血圧おばぁの激励。
低血圧おじぃへ足引きづりおじぃのアドバイス。
糖尿病インスリンおばぁからヨチヨチ歩きジジィへの忠告。
アルコール中毒から高齢者全員に向けた決意表明。
骨折ばあさんが難聴ジジィに囁いている。
歩行器じいさんは生活保護爺さんに寄りかかる。
なんなんだっ!
ここは宇宙かっ!
再会の握手が、たとえ力強い握手じゃなかったとしても。
握手できたことに意味があり、
握手できる場所に集まればいい。寄り添えばいい。
ぼくは両手を盲目の紳士と車椅子パーキンソンおじぃの握手の上に、そっと被せた。
介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。