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「つ」の字のばあちゃん

「く」じゃない「つ」なのだ。

背が縮んでいるなんてもんじゃない。
折りたたみ式ガラケーのよう。

行き先は見えていないだろう、顔面は地面と水平。
両手で握り締るシルバーカーの持ち手は、肩の位置より高い。さながら歩くヨガだ。

腰が悪いだけじゃなく、足の出も悪い。
歩くスピードは亀より遅い。500m先のコンビニまで30分かけて歩く。体力もない。そのコンビニまで歩くのに、10分の休憩を挟まなくては歩ききれない。失禁もある。施設で介助しているから知っている。

一人暮らしのばあちゃん。自分でコンビニに買い物に行かなければ、夕飯が食べられないのである。

「つ」の字のばあちゃんは、今日も40分かけてコンビニへ行く。辛いのひと言も口にせず。

僕を近所で見かけると「パンのお兄さん!」とニッコリ顔で話しかけてくれる。パンの買い食いを見つかってからというもの、あだ名がついた。

強く、逞しい、ばあちゃんだ。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。