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学ぶ人教える人 どっちも大事な4つのステージ

受験シーズンですが、学習やトレーニングは、学生だけのためではないのは当たり前。先日、偶然読んだブログで非常にわかりやすく図解されていたので、意訳してみました。ソースの「Learning Through Four Stages of Mastery」の作者は、Marc J. Rosenberg(マーク・J. ローゼンバーグ )という、教育設計や組織人材教育で著名な専門家です。今回のエントリーでは、学習をサポートする側がそれぞれの立場の人たちに、どうアプローチするかという視点で考えてみました。

人材育成施策は「研修」だけじゃない
http://hysmrk.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-5438.html

Beyond Competence: It's the Journey to Mastery That Counts
https://www.learningsolutionsmag.com/articles/930/beyond-competence-its-the-journey-to-mastery-that-counts


今回のエントリーでは、学習をサポートする側がそれぞれの立場の人たちに、どうアプローチするかという視点で考えてみました。

再認識したこと
・学習方法は、その人ごとのスキルレベルに応じて変えるべき
・マニュアル化できるレベルと、それを超えた学習ステージがある
・知識の共有によって、『もっと知りたい!』ニーズがさらに刺激される
・経験者や熟練者も、そのステージなりの学習を通じて、新しい発見を繰り返していく


初心者に対して
何が分からないかが分からないレベルなので、まずは定型的・汎用的な内容で学習でスタートします。教えられることを教えられるまま、忠実にこなしていく、押し付け型・詰め込み型。疑問や反論の余地はないので、新兵のトレーニングとしてのブートキャンプです。疑問を抱くほどの知識がまだ備わっていないため、取りあえず間違いのないインスタントなノウハウだけを提供するレベルです。ただ、経験者が気付かなかったような、初心者だからこその発見もあるのがポイント。
この段階は、具体的手順や、するべきこと・してはいけないこと、Q&A等によってマニュアル化しやすいのが特徴。新人研修などまさにそう。10言ったとして、1通じればまだましな方ですね。私です…。

有能な人に対して
基本的なことができるようになると、疑問や工夫が生まれてくるので、次のステージへと促します。具体的な手法を自分事としてイメージでき、知ることによって、さらに疑問が生まれます。OJTなんかで鍛えられるわけですね。教えられた通りではなく、自分の立場に最適な方法を探し出す一方、目的を達成するためのポジティブな「手抜き」も工夫しだします。ただ、基本に忠実な姿勢を忘れがちなステージでもあるのは要注意。私もよくやってしまっていました…。
現場をまとめるチーフ的な立場でしょうか。10のうち7ぐらいは通じて欲しいところ。

経験者に対して
スキルレベルがさらに上がると、通り一遍の内容ではなく、人や組織の状況に応じて学習内容をカスタマイズできるようになります。新しい機能や現場のニーズに応じてフレキシブルに対応できます。何をどうすれば、誰を動かせば目的が達成されるかは、十分知っているので、必要な知識とリソースへのアクセス経路を示すだけでOK。いろいろ勝手にやって怒られていたのも私です…。
10すべての内容を十分に知っています。『何かあったらあの人に聞けばいいよ』的な、百戦錬磨の現場のマネージャーといったところですね。カリキュラムを組む側に参加して欲しい立場です。

●プロに対して
自分のスキルレベルを上げるだけではなく、組織や業界にとってどうプラスになるかを常に意識しています。知りたいという人間の知的欲求を刺激することに長けていて、同業他者とすら建設的な意見交換ができます。自分が新しく知ったことや気づいたことを、ソーシャルメディアで発表することで、さらに新しい発見があることを知っていたりするのも特徴的。
グルであり、メンター、伝説、ワイルドカード的な存在!10は100の中から厳選された結果であり、その内容も常に変化することを知っています。私も少しでもこのレベルに近づきたい!

私は、仕事で学習や教育に携わることがありますが、スキルレベルと学習方法の違いは、いつも考えているテーマです。自分の今のスキルレベルや置かれた立場、所属する組織の考え方、技術やサービスのトレンドによって、必要なノウハウと学習方法は変わります。
スキルレベルが大きく違うのに、同じやり方で学習を進めるにはどうしても無理があります。スポーツジムに空き時間に通うぐらいの人と、オリンピックアスリートとが、全く同じプログラムで成長できるはずがありませんよね。初心者に対して、一方的に情報だけを押し付けてもオーバーフローしてしまいます。一方、飽きてしまった経験者は、マニュアルと全く関係ないことをし出します…私です。
受動的に見たり聞いたりするだけでなく、能動的に手足や頭を動かして、自分で実際に体験する。さらに、その結果を、新しく自分の言葉として人に説明することで、学習効果は高められます。『何となく知ってるつもり』の経験者にも、経験に応じた学習がとても効果的なのです。

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