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1児の母、日英翻訳者・通訳者。言葉に興味があります。子どもとの生活の中で浮かんでは消え…

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1児の母、日英翻訳者・通訳者。言葉に興味があります。子どもとの生活の中で浮かんでは消える思考のうち、主に言葉まわりのあれこれを、備忘も兼ねてゆるーく綴っていけたらと思っています。

最近の記事

3歳児が「オレ」と言い出した

息子が3歳7か月のある日突然、自分のことを「オレ」と呼び始めた。 保育園のお友達の影響なのは間違いない。けれど、みんなが最近急に「オレ」を使い出したわけもなく、おそらく入園してからずっと、年長のお友達が「オレ」と言っているのを耳にはしていたはずだ。 それが、あるとき急に何かのきっかけで「オレ」スイッチが入ったんだろうなと思うと、なんだか面白い。身近なお友達も言い出したからなのか、急に「ボクよりオレのほうがかっこいいな」という意識が芽生えたのか。 「それはオレもできるから

    • 桜の花は何色?

      今週が桜のピークかなということで、2歳の息子と近くの桜並木へお散歩に。 スタスタと早足で前を歩き、段差を上り下りする息子を見て、去年来たときはまだよちよち歩きだったのに〜と感慨に浸りながら、写真をぱしゃぱしゃ。前回はむっつり顔しか撮れなかったのが、今年はいい感じにはじけた笑顔も撮れて、母は大(自己)満足。 そんななか、「桜いっぱい咲いてるねー、きれいなピンク色やねー」と話しかけると、息子は「ピンクちがうで、しろやで」ときっぱり。家に帰ってから「桜いっぱい見たねー、何色やっ

      • 古い絵本の味わい

        相変わらずきかんしゃトーマスが大好きな2歳の息子。テレビアニメ、絵本、グッズを問わず、トーマスがらみのものにはとにかくよく食い付くので、図書館でもトーマス本を片っ端から借りている。 『きかんしゃトーマス』の原作は、1945年にイギリスで創刊された『The Railway Series』という絵本シリーズ。その日本語版である『汽車のえほん』シリーズは、1973年以降に順次発行されていて、近くの図書館にはそのシリーズも置いてある。新しいトーマス本ほど貸出中のことが多いので、それ

        • 通園路の風景

          息子が保育園に通い始めてから、今月末で丸1年になる。この1年間、同じ通園路を一緒に何度も往復した。自転車で片道7~8分という短い距離なのだけど、道すがら息子が目を奪われるものは、それはもう目まぐるしく移り変わっていった。 入園当初は、たしか犬に夢中だった。犬を見かけるたびに「ワンワン!」と皆が振り返るほどの大声で叫ぶので、こちらも「ワンワンやね~かわいいね~」と飼い主さんを意識して声を掛けたものだった。生まれてこのかたペットを飼ったことがなく、動物への関心が薄かった私は、そ

        3歳児が「オレ」と言い出した

          『きかんしゃトーマス』のルースさんを通して考えた女性の役割語のこと

          『きかんしゃトーマス』が大好きな2歳の息子。脳のメモリの大部分をトーマスが占めているんじゃないかと思うほど、たくさんのキャラクター名や、各エピソードでこの次はこうなるといった場面展開まで覚えていて、日々感心させられている。 元々名前が分かるのは主人公のトーマスだけだった私も、息子と一緒にテレビアニメを見たり絵本を読んだりするうちに、だんだん詳しくなってきた。 そんななかで、ルースさんというキャラクターの話し方(日本語吹き替え/翻訳)に興味を引かれた。ルースさんは、日本のテ

          『きかんしゃトーマス』のルースさんを通して考えた女性の役割語のこと

          さようならを口にする生活

          子どもが産まれてから、「さようなら」という言葉をかなり久しぶりに使うようになった。 どのくらい久しぶりかというと、おそらく小学生以来ではないだろうか。小学生の頃ですら、先生に対して帰り際に使うか、「先生さようなら、皆さんさようなら」と皆で声を揃えて唱えていたくらいのもので、あとは「バイバイ」「またね」「じゃあね」などで済ませていたはず。大人になってからも、友達や年下の相手に対してはそのまま変わらず、先輩や上司に対してはもっぱら「お疲れ様です/でした」か「(お先に)失礼します

          さようならを口にする生活

          歌の影響を受ける言葉たち

          息子は、というか子どもは概してそうなのかもしれないが、歌を聴いたり歌ったりするのが大好きだ。普段家でもよく童謡を流しているし、保育園でも日々いろんな歌に触れている。Eテレにお世話になるようになってからは、昔ながらの童謡だけでなく、いろんなテーマ曲や挿入曲にも親しんでいる。 2歳を過ぎて、日々おしゃべりが進化する中で、たまに単語の言い方に歌の影響が色濃く表れていることがある。歌から覚えた単語や、歌の中に出てくる印象が強い単語が、歌のリズムやメロディーをまとっていたり、歌の中で

          歌の影響を受ける言葉たち

          死語の復活:「ジャンパー」

          この冬の時期、外に出るときは息子に薄手のダウンジャケットを着せているのだが、ある時から息子はそれを「ジャンパー」と呼ぶようになった。 私も夫も「ジャンパー」という言葉は使わないので、保育園で覚えてきたのは間違いない。息子が通う保育園では、年配の保育士さんも何人かいらっしゃるので、おそらくその方々が日頃から「ジャンパー着ようね~」などと声を掛けてくださっているのだろうなと推測している。 初めて息子の口から「ジャンパー」が飛び出したときは、まずその名前を自分で言えたことに感動

          死語の復活:「ジャンパー」

          「ひい、ふう、みい……」を先に覚えた2歳児

          「いち、に、さん……」で10まで数えるのも若干あやしく、「ひとつ、ふたつ、みっつ……」はまだまだこれからな2歳の息子が、「ひい、ふう、みい……」という古風な数え方を先にマスターしてしまった。 Eテレの『コレナンデ商会』で流れていた『ひいふうみいで数えよう』という歌のおかげである。 ご存じの方からすると何を今さらという話かもしれないが、『コレナンデ商会』視聴歴の浅い我が家では、最近初めてこの曲に出会い、そのぶっとび具合に衝撃を受けた。 ひい、ふう、みい、よう、いつ むう、

          「ひい、ふう、みい……」を先に覚えた2歳児

          抱っこしたい2歳児

          まだまだ抱っこ大好きな息子。抱っこをせがむとき、言葉が出始めた頃は「だっこ!だっこ!」だったのが、希望・願望を表す助動詞「~たい」を習得してからは、もっぱら「だっこしたい!」と言うようになった。 しばらく希望がかなわないと、「だっこしたいよ!」「だっこしたいって!」「だっこしたいから!」と語尾が変化したりもする。 本当なら、抱っこするのはこっち側であって、息子目線では「だっこして」「だっこしてほしい」が正しい。単にする/されるの概念をまだ理解できていないだけといえばそれま

          抱っこしたい2歳児

          ぐるぐるぐるぐる

          息子が「ぐるぐるぐるぐる」と言いながら、お絵描きしていたり、何かをかき混ぜたりしていると、ついつい「グルコサミン♪」と続けてしまう私と夫。何も考えなくても口をついて出てしまうくらい、あの世田谷育ちのサプリのCMソングはすっかり耳に染みついてしまっている。 普段あまりテレビを見ない私たちでさえそうなのだから、きっと今の親世代以上は皆そうなんじゃないだろうか(案外うちだけだったりして)。 最近は耳に入った言葉は何でもリピートするようになった息子。「グルコサミン」も、まだきれい

          ぐるぐるぐるぐる

          自己紹介

          初めまして。翻訳者・通訳者として働く、1児の母です。 子どもが産まれて、見える世界もがらりと変わり、子どもがいなければ一生考えもしなかっただろうことが頭の大半を占めるようになりました。 いつの間にやら子どもも2歳。母として色んなことを考え、悩み、面白がる毎日ですが、そんな日々のとりとめのない思考も、些細なことほど記憶からどんどん消え去り、半年前、1年前、産まれたての頃に自分がどんなことを考えていたか、もはや実感を伴って思い出すことができません。 思考といっても、脳のメモ

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