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死語の復活:「ジャンパー」

この冬の時期、外に出るときは息子に薄手のダウンジャケットを着せているのだが、ある時から息子はそれを「ジャンパー」と呼ぶようになった。

私も夫も「ジャンパー」という言葉は使わないので、保育園で覚えてきたのは間違いない。息子が通う保育園では、年配の保育士さんも何人かいらっしゃるので、おそらくその方々が日頃から「ジャンパー着ようね~」などと声を掛けてくださっているのだろうなと推測している。

初めて息子の口から「ジャンパー」が飛び出したときは、まずその名前を自分で言えたことに感動し、そして少し間を置いてから、「ジャンパーって久々に聞いたなぁ」と笑ってしまった。

もちろんジャンパーで何も間違っちゃいないし、せっかく覚えたのにわざわざ他の言い方を教えて混乱させるのもおかしいし、そもそも自分は何と呼んでいたかというと「ダウン」とか「上着」とかで、そっちの方がどうなんだという気もして(今どきの若者なら「アウター」?「ブルゾン」?)、結局今では家でも「ジャンパー」で通している。

外出前に「青いジャンパー着ようね~」と言いながら息子の腕に袖を通すとき、はじめのうちは頭の奥に「ジャンパーて」と突っ込む自分がいたが、もはやすっかり口に馴染み、自分の語彙として完全に再定着してしまった。

昔に比べて家に祖父母のいない核家族が増えた今の時代、こんなふうに、家庭(親世代)ではいったん死語化した言葉が、外で年配者と触れ合った子どもによって家に持ち込まれ、再び息を吹き返す現象って、まあまあ起きているんじゃないだろうか。

もちろん「ジャンパー」パターンとは逆に、息子がお友達や若い保育士さん、先生方から言葉を吸収してきて、自分が普段使っている言葉が実は死語だったと気付かされることも出てくるだろう。実際、まだまだ「ジーパン」とか「セーター」とか普通に使っているアラフォー母なので、そっちのパターンの方が増えていくのは間違いない。

まだまだ言葉獲得の旅が始まったばかりの2歳息子。これからも、私の守備範囲外の言葉をどんどん外から仕入れてくることだろう。我が家の語彙にどんな影響を与えてくれるのか、今からとても楽しみだ。

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