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広報は見た!「なんちょうなんなん」誕生物語 No.3

冷静と情熱の間。

「なんちょうなんなん」作成~誕生はこの一言に尽きます。

冷静=空気株式会社・白川さん。
情熱=情熱おじさん・岩尾。
間=広報・私。

***

間(あいだ)=双方の窓口担当としてまず取り掛かったのは、オリエンテーション資料作成でした。

「岩尾さん。オリエンはオリエンテーションの略です。 いろいろな考え方がありますが、伝えたい内容や予算・スケジュールなどを確認する場で、“方向づけ”です。オリエンが全て、オリエンが命です。たたき台は私が作ります」

「なぜオリエンが大事かというと、それが今後全てにおいての判断基準となるからです。迷った時は、オリエンに戻る、という考えが大事です」

「『何を言うか どう言うか』という考え方があります。『何を言うか』を考えるのは、私たちで『どう言うか』を考えるのは空気さん。『何を言うか』を徹底的に考えましょう」

 いつも以上の早口で(偉そうに)岩尾に伝えたと思います。かつて、メーカーの広告宣伝担当としてCM制作に携わる中で、たくさん失敗も苦労も、悔しい経験もたくさんしました。すがる思いで自主的に宣伝会議の講座に2年半通ったことも……。支援者さまの想いを載せた本動画は、絶対失敗できない。そのためにはオリエン資料をしっかり仕上げる必要があったのです。

「うん、わかった。ここは俺が作るよ!」

試行錯誤を重ねオリエン資料が完成し、いよいよオリエンテーション当日。Zoom画面越しに白川さん(ディレクター)、古城戸さん(制作コーディネーター)と初対面です。緊張もありましたが、私たちの伝えたい想いをしっかりと汲み取ってくださいました。

膨大な情報をお伝えしたにも関わらず、筋道を立てて考えて、その場でアイデアをポン! とご提案してくださる姿は、さすがの一言。「悩んで」いたことを「整理」してくださるといったイメージで、さすが世界の空気さん~と思っていたところ、「岩尾砲」こととんでもないワードを突っ込んできました。

「きめつ……、鬼滅の刃がすごく流行ってますよね。あんな感じになれな……」

 ギャーーー! やめてやめて~。なんてことを。さすがに支離滅裂すぎん? え? 画面固まってる? 沈黙が支配する……と思った瞬間、白川さんが非常に丁寧に解説を始めたのです。(詳しくは情熱おじさん編)

白川さんから発せられる一言一言には、発注者・受注者といった一方的な関係性でなく「共に良いクリエイティブをつくろう」という気持ちがあふれていました。

 ***

 時は流れ、粛々と制作が進んでいきました。

方向性が決まり、歌詞制作に入り、楽曲の話が出始めた頃、ふと疑問が湧きました。

 「そういえば、楽曲の判断って、どうすりゃいいの?」

 CM制作で15~30秒の楽曲や、サウンドロゴ(企業が企業名や企業ポリシーなどを伝えるために作る音・短い楽曲)は仕事上経験があったものの、3分近い楽曲に、私があれこれ言えるはずがありません。そうだ、あの人に聞こう! もちろん白川さんです。

 「白川さん、楽曲の判断というか……、どうやって決めていけばいいのでしょうか?」

「信頼のおけるスタッフなので、より良いものになるよう進めていきますから、そこは心配しないで大丈夫です。ワンチーム、で取り組んでいきましょう。」

 ワンチーム。なんと安心できる言葉でしょう。

空気さんに頼んで良かった! 白川さんが担当してくださって良かった!と心から思えた瞬間でした。

***

映像制作が始まってからというもの、岩尾と私の長い闘い、いや長いLINEのやりとりが続きました。こちら、一例です。

動画制作も終盤に差し掛かった頃、岩尾が細かい修正点を空気さん直接連絡したことがありました。情熱が溢れすぎた故なのですが、この進め方はNGだと(それなりの)怒りを込めて岩尾にLINEしました。

 「窓口は私です。こちらの総意として先方には伝えたいので、必ず私を通してもらって良いですか。あと、ここまで来たら私たち素人では踏み込めないクリエイティブの領域です。制限を設けない方が、予想をはるかに超えるいいものがきっとできるはずです」

我ながら厳しいことを書いたな、と思ったのですが、これが自分の役割です。怒っちゃったかな~、機嫌悪くしてないかな~……。

「了解! 俺あんまりわからんけん。良かったら電話できるよ」

ズコー。夕飯の支度で魚を焼いていたこともあり笑、丁重にお断りしましたが、岩尾に若干キレそうになったのは、今のところこの一度きりです。ちなみに、だいぶ時間が立ってから本人に確認したところ、

 「怒っとったの? 気づかんかった(^^ゞ」

時間差で、ズコー。

これが岩尾の良いところです笑。LINEしてもいつもすぐ返事くれて、オンラインで話長くなっても共感しながら話を聞いてくれて、わからないことはわかるまで聞いてくる。オンライン会議〇分遅れますと直前で言っても、「(^^ゞ」しか返ってこない笑。なかなか真似できることではありませんよね。(ほめすぎたので情熱おじさんミニ情報をひとつ。相当な音痴だそうです)

 オリエンテーション資料が、歌詞になり、絵コンテになり、デモ動画になり、楽曲が出来上がっていく。この上なくワクワクする体験でした。

 そして迎えたレコーディングの日。歌詞に命が吹き込まれます。
それはまさに「なんちょうなんなん」誕生の瞬間でした。

 (続く)

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【STAFF】
ディレクション&アニメーション:白川東一(KOO-KI
うた:永山マキiima
楽曲:中村優一(株式会社インビジ
デザイン&アニメーション:斎藤悠実、永田健人(有限会社アイメージ
監修:福岡国際医療福祉大学 言語聴覚専攻 平島ユイ子教授
制作コーディネーター:古城戸利香(KOO-KI

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