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紅い。 まだ明けぬ闇の中、大地より出で木々を舐めた紅い熱の塊は、どろどろと断崖を走り…
ゴレルに入ってしばらくは、サークほどではないもののやはり緑の乏しい、乾いた大地が続いて…
久しぶりのみどりだな。 そんなことを考えながら、リュートは先に行かせたケイルとセイラ…
正午をすこし回った位の日の光の下。例によってケイルたち一行は魔物の群れに囲まれていた。…
「おおっこれはえーっとあの、セイラ、そうだセイラとかいう者ではないか。」 何やらほと…
「宿までお送りしますよ。」 「あなたに送っていただくわけには参りませんよ、リュートさ…
「でっかい・・。」 呆れたようにリュートが言った。レイラ、ケイル、セイラの三人もその後ろに並んで立って、眼前にそびえ立つ、意味がわからないくらい巨大な門を、ほとんど口をあけんばかりにして見上げていた。 サークを思わせる荒れた砂漠を何日も歩いてやっと辿り着いたその門は、一体どこからと思わせるような太い太い材木を組み上げた異様に背の高いもので、もちろんその幅もゆったりあった。それに繋がり、果てしもなく左右に伸びる、同じく木造りの頑丈そうな塀。 「どうやって開けよう・・。
勘定をすれば丁度ケイルがシーアを出発するかしないかという頃になるようだ。 永い眠りか…
はあはあ、と荒い息が、がらんとした暗い部屋に響いていた。リュートの胸に、足元の床に、返…
むこうに焚き火があってケイル様とセイラがいる。あたりは真っ暗で冷えたにおいがする。ほん…
はっと意識を取り戻した、と同時にリュートの神経を、締め付けられるような痛みが襲った。全…
そこはきっと客間だったのだろう。至って質素な大院の部屋の中でそこだけが少しばかりの装飾…