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風と砂の地物語

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大昔に書いた小説です。 荒れ地サークの案内人であるリュートは、請われて少年修道者ケイルと供のセイラの旅に同行することになった。魔物に狙われるケイルを守りながら旅をする「ただひとつ…
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記事一覧

一・旅立ちと月下の出会い

 紅い。  まだ明けぬ闇の中、大地より出で木々を舐めた紅い熱の塊は、どろどろと断崖を走り…

Mel
5年前
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二・これも、月下の出会い

 ゴレルに入ってしばらくは、サークほどではないもののやはり緑の乏しい、乾いた大地が続いて…

Mel
5年前
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三・美女と優男

 久しぶりのみどりだな。  そんなことを考えながら、リュートは先に行かせたケイルとセイラ…

Mel
5年前
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四・小枝と王子様

 正午をすこし回った位の日の光の下。例によってケイルたち一行は魔物の群れに囲まれていた。…

Mel
5年前
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五・さらば愛しの君よ

 「おおっこれはえーっとあの、セイラ、そうだセイラとかいう者ではないか。」  何やらほと…

Mel
5年前

六・夜風

 「宿までお送りしますよ。」  「あなたに送っていただくわけには参りませんよ、リュートさ…

Mel
5年前
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七・石造りの塔

「でっかい・・。」  呆れたようにリュートが言った。レイラ、ケイル、セイラの三人もその後ろに並んで立って、眼前にそびえ立つ、意味がわからないくらい巨大な門を、ほとんど口をあけんばかりにして見上げていた。    サークを思わせる荒れた砂漠を何日も歩いてやっと辿り着いたその門は、一体どこからと思わせるような太い太い材木を組み上げた異様に背の高いもので、もちろんその幅もゆったりあった。それに繋がり、果てしもなく左右に伸びる、同じく木造りの頑丈そうな塀。  「どうやって開けよう・・。

八・約束

 勘定をすれば丁度ケイルがシーアを出発するかしないかという頃になるようだ。  永い眠りか…

Mel
4年前
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九・懸命

 はあはあ、と荒い息が、がらんとした暗い部屋に響いていた。リュートの胸に、足元の床に、返…

Mel
4年前
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十・記憶

 むこうに焚き火があってケイル様とセイラがいる。あたりは真っ暗で冷えたにおいがする。ほん…

Mel
4年前
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十一・決着

 はっと意識を取り戻した、と同時にリュートの神経を、締め付けられるような痛みが襲った。全…

Mel
4年前
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十二・風の行方

 そこはきっと客間だったのだろう。至って質素な大院の部屋の中でそこだけが少しばかりの装飾…

Mel
4年前
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