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013「最果ての季節」台詞数の少ない、褪せた映像のロードムービーが始まっていた。

「どうして、そんなに情けないのよ」
 映画はとっくに終わっていた。
 交替を済ませ、見当たらない柁夫の姿を探してわたしは館内へ入っていった。薄暗い隅の座席に、彼はなお深く腰をおろしていた。すでに泣きはらした目は、こすったのだろうまぶたとそろって赤く充血し、腫れあがっていた。

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1,287字
学生時代にとある公募で一次審査だけ通過した小説の再掲。 まさかのデータを紛失してしまい、Kindle用に一言一句打ち直している……

❏掲載誌:『役にたたないものは愛するしかない』 (https://koto-nrzk.booth.pm/items/5197550) ❏…

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