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『レスパイトケア』疲れる前に休みましょう。

今、誰かの介護をしているあなた。

胸に手をあててみてください。

体は疲れていませんか?
心は疲れていませんか?

「まだ大丈夫」

そう答えたあなた、
その大丈夫、本当に大丈夫ですか?

そんなあなたへ、
これから『レスパイトケア』の話をしたいと思います。

『レスパイトケア』とは?

一般的には、あまり聞いたことのない言葉だと思います。

レスパイトケア(英: Respite care)は、子どもまたは大人を介護する人に提供される計画的、もしくは緊急の、一時的なケアである。言い換えれば、「ケアする人のケア」である。Respiteは英語で「小休止」の意味。
ウィキペディアより

つまり、介護をする人は休みましょう、ということなのです。

介護を必要としている人には、必ず、介護をしている人がいます。
それは、いちばん近くにいる家族です。

日々の介護で、疲れ切ってしまう前に、介護をする人に休息を。
これが、『レスパイトケア』という考えです。

サービスを利用して休む

では、どうすれば休めるのか?

介護の場合、主に以下のようなサービスがあります。

①デイサービス(通所介護)
②ショートステイ(短期入所生活介護)
③ホームヘルプ(訪問介護)
④レスパイト入院(介護家族支援短期入院)

①〜③は介護保険で、
④は医療保険で受けられるサービスです。

わかりやすく、詳しい説明がされている記事はこちら↓

https://kaigoworker.jp/column/435/?gclid=Cj0KCQjw_7KXBhCoARIsAPdPTficDfQI7o8v6BI8qHfNQUZKsU1kubPil-4ni9nanvm1GffP3LeJKekaAtYKEALw_wcB&gclsrc=aw.ds

とはいえ、どんな時に、どれを利用すればいいの?

そんな時は、担当のケアマネージャーに相談してみてください。

「買い物に行きたい」
「友だちと旅行に行きたい」
「映画を見に行きたい」

きっと、それぞれの希望にあったサービスを、提案してくれると思います。

ここまでで、『レスパイトケア』について、少しわかってきたでしょうか?

次は、『レスパイトケア』の実例として、私の母の話を書きたいと思います。

デイサービスを利用しよう

【前置き】
私は介護福祉士として、高齢者施設で介護の仕事をしています。
ですので、介護サービスの知識はある程度あり、父が認知症とわかったと同時に、何かしらのサービスは利用しようと考えていました。

「ゆっくりテレビが見れない」

父がアルツハイマー型認知症とわかり、実家へ様子を見に行った時、母が私にこう言いました。

「お父さん、しょっちゅうチャンネル変えるから、ゆっくりテレビが見れないのさ」

どうやら父は、ずっと同じ番組をみることはせず、リモコンで、何度もチャンネルを変えるらしいのです。

「でもなぜか、野球はずっと見てるから、
私も野球ばっかり見てるわ。まあ、ファイターズ応援してるからいいかな」

母はそう言って笑っていました。

「これはいかん。早急に手を打たないと、母のストレスがたまっていく

私の経験からくる直感が走りました。
早速、介護サービスを利用するため動き出しました。

“ケアマネージャーを決め、
デイサービスを利用したいと相談、
いくつか施設を紹介してもらい、
父に合いそうな所を決め、
ケアプラン(介護計画書)を作ってもらい、
担当者会議をし、
デイサービスの契約をする”

仕事を調整しながら実家に通い、
なんとか、ここまでたどり着きました。

(サービスを利用するまでの詳しい過程は、またいつか書きたいと思っています)

デイサービスへ行く父を見送る母

「おいしいカレー屋さんができたんだって」

無事、デイサービスを利用して、ゆっくりテレビを見る時間ができた母。

父も、ずっと家にいるよりは良いみたいで、結構、楽しんで通っています。

そんなある日、父が出かけている間に、買い物へ行くことにしました。
庭で使っているホースがこわれてしまい、
買いたいけど、大きくて重いので、自分では買ってこられないと、母からのヘルプ。

こんなやつ。

それと、

「ホームセンターのとなりに、おいしいカレー屋さんができたんだって」

ホースを買ったあと、そのカレー屋に行きたいとリクエストがありました。

そういえば、父が認知症になってから、外へご飯を食べに行くなんて、全然できなくなっていたことに気づきました。

以前は、アクティブで色んな場所へ出かけたり、おいしいものを食べに行ったりしていた母。

私が、もう少し近くに住んでいたら、買い物も、外食も、もっともっと連れて行ってあげられるのに。

きっと、ずっと我慢していたんだろうな。

そう思うと、胸がチクっとしました。

ホームセンターでホースを買い、例のカレー屋へ。
おいしそうにカレーを食べる母を見て、

「もう少し、こういう時間を作ってあげたいな」

反省した、50過ぎの娘です。 

満面の笑みで完食した80才

がんばっている “ごほうび”

介護をする人にとって、
『レスパイトケア』はとても大切なケアです。

介護は終わりが見えません
途方にくれる日々が続きます。

小休止。
体や気持ちがリフレッシュできる大事な時間。
しかし、介護から完全に解放されるわけではありません。
大変でつらい現実に引き戻されます。

この長い長い、出口の見えないトンネルを、一気に突き進もうとすると、途中で倒れ込んでしまうかもしれません。

だからこそ、休みながら進む。

休むことは、サボることではありません。

いつもがんばっている "ごほうび" です。

あなたが大切に守っている人のために、
あなたを守ってほしい。


『レスパイトケア』
疲れ切ってしまう前に、休みましょう!



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