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21 一番大事なリーダーの「決心」

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

先行きが見えない、初めての難題に取り組む時に有効な「究極の状況判断力」。導入編の後半では、「状況判断」を含むExecutionまでの全体像を確認し、究極の状況判断のための基本的なロジックの理解に備える。

21 一番大事なリーダーの「決心」

状況判断によって行動オプションを整理したら、次に当面どのオプションで行動するかを決める必要がある。この行動オプションを決めることを、リーダー(指揮官)の「決心」という。この過程は、リーダーの身によって行われるもので、一旦、リーダーが行動オプションを決めたならば、スタッフは斉一的に、組織的に次の行動、すなわち計画化のための作業に移行する流れとなる。

重要な点は、「決心」はリーダーの特権事項であるということだ。裏を返せば、リーダーが確実に責任を負うことを定義付けた仕組みである。「この行動オプションは○○君が決めたことだから、お前が悪い」などと、決して言ってはならず、言えないのである。あらゆるオプションを整理・検討し、評価した後に、リーダーがチームの運命を決める。

この、何をリーダーが責任を持って決めるのかという点について、実は曖昧に捉えらえていることが多いように思う。時には、行動オプションを数案に絞ることまでも求める甘えたスタッフがいたり、優しい上司が多くの業務をこなしてしまい、本来は組織的に多くの頭で確認し合いながら進めるべきオプションの評価を一人の偏った考えで、しかも少ない時間で片付けようとしてしまう。

一見、目に見えない作業過程であるため、リーダーに求められることと、スタッフがこなすべき作業が不明瞭となり、そのバランスがチームや組織ごとにバラバラになる可能性がある。秀逸な上司が存在するのも事実ではあるが、多くのリーダーが同じ感覚で動くことができれば、更に強い組織となるのは明白だ。

リーダーの「決心」は、チームを動かす上で基礎となるものであり、よほどのことが無い限り、決定した内容を変更してはならない。そして、決めるタイミングも迅速で適時に行う必要がある。このことは、リーダーが行動オプションを「決める」という行為がいかに大変で、いかに重要であるかを物語る。

従って、スタッフはリーダーの思考環境を整え、「決心」に集中出来るよう最善を尽くさねばならない。その相互理解があって初めて、アナーキーな外的環境に対しても継続的に対応し、次から次へと想定外な変化にも対応できるチームワークが生まれるのである。

指揮実行の五段階.001


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