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22 ○○仕込みの「究極の状況判断力」

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

先行きが見えない、初めての難題に取り組む時に有効な「究極の状況判断力」。導入編の後半では、「状況判断」を含むExecutionまでの全体像を確認し、究極の状況判断のための基本的なロジックの理解に備える。

22 ○○で叩き込まれるプロセス

勝てるサバイバル・サイクルたる「指揮実行の五段階」のうち、「状況判断」とは一定のプロトコルに基づいて組織的に行われるものであり、行動オプションを提示することであった。また、次の「決心」とはリーダーの責任において、どの行動オプションにするか意思決定を行い、その後の計画化の基礎となるものであった。

普段、何気なしに行っている様々な判断は、簡単なものから想定外なものまで多種多様だ。それぞれの場面に合わせ、与えられた条件で瞬時に、あるいはじっくりと時間をかけて対処していくこととなる。これまで本noteでは、不透明で不確実な想定外の場面に遭遇した時、どのようなプロセスを経るべきかについて概略をご紹介してきた。

今後、更に詳細にご案内することになるが、まずここで覚えて頂きたいのは、サバイバル・サイクルたる全体の対処フロー(指揮実行の五段階)が存在し、その中の「状況判断」と「決心」が計画に先立つこと、そしてその2つのステップにはリーダーとスタッフのそれぞれが果たすべき役割分担がある、ということである。

加えて重要なことは、想定外の事案に対応するには上司と部下が共通のプロトコルを持っていることである個人ではなくチームとして、あるいはより広い組織の中で普遍的な手段として共通の理解が確立できるか否かということが大切となる。仮に一人で理解できたとしても、それをチームのルールとして採用できなければ、効果は低くなる。属人的なスーパー・リーダーやスーパー・スタッフに依存せざるを得ない体質は脆弱だ。

これまで紹介してきた「究極の状況判断力」は、軍隊・自衛隊仕込みである。幹部自衛官は、最初の幹部候補生学校で必ずこのことについて学び、そして実際の実地訓練の中でもその実践的な意味について叩き込まれる。そして卒業後、全国各地の基地で最初から数十名の部下を持つリーダーとして第一線を任される。

一つの方法論を理解した組織を脈々と作り上げ、体に染み込んだ反射神経としてリーダーたる面々全員が斉一的に想定外に対処する。なぜそこまで徹底するのか。それは、軍隊・自衛隊には人の生命・財産を守るという任務があるからである。私は、ビジネス一つ一つにも大切な意義がある思うし、この手法は大いに活用できると信じている。


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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」

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