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8 最高のスタートを切るあなた

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

想定外の大案件を任されて戸惑いが隠せなかったが、あなたは「究極の状況判断」プロセスを開始した。解答案が見出せない中でも、あなたは、そのプロトコルを適用してグイグイと前に進み始めた。(専門用語の解説は後述するとして、どのような流れになるか是非イメージして頂きたい。)

8.  上司と部下のあるべきやり取りとは

あなたは、上司のBさんをサポートするため、彼が持つべき「インテンション」の素案を概ね作り上げる事ができた。インテンションを確立できれば、あとは精緻な「情報見積りの提示」作業で更に状況を掌握する作業に移行でき、その後は「行動方針の列挙・整理」が可能となる。あなたは、上司のBさんと会議の予定を調整し、資料を整えた。

会議当日、Bさんは、あなたから提示された資料を見て思った。自分のイメージをより明確にしてくれている。そして、不透明ながらも、情報を更に分析するために必要な方向性と努力の程度がしっかりと盛り込まれている。多忙で煩雑な仕事に忙殺されてしまっており、ここまで自分で冷静に指示できなかったことを省みた。

Bさんは、あなたに対し、「ありがとう。作業を開始するための土台ができあがったようだな。」と伝えた。同時に、上司のBさんは、あなたに対して内容に関する指導を与えた。会社のミッションと所属部門のミッションの体系付けはできているが、ミッションは目的、目標及びそれを達成する手段に明確に区分して表現することが必要だという。

上司のBさんは更に、「状況の分析・提示」の内容について洞察を与えた。自社のミッションから導出された所属部署のミッションを踏まえ、取り巻く環境を分析するための項目が不十分であると指摘。社会的状況などの全般状況は流暢に語られているが、各種の制約事項が網羅的では無い、とか、競合他社や顧客の慣習的な行動分析が甘い、など。

それでも、最終的な「インテンションの確立」には概ね納得できる、と上司のBさんは感じていた。会社及び所属部門が達成すべきミッションを実行するにあたっての、基本的な考え方は示されていたし、スタッフによる今後の作業のための指針も含まれていた。ただ、ミッション達成のための概略の方法の中で、どのような段階設定を設けるかという点と、どの段階が勝敗を分ける点であるかについての意図表明が薄いと評価した。

さらに、上司のBさんは、スタッフによる今後の作業のための指針において重要となる、Bさんが決定すべき事項に関して明確にする必要があると気付かされた。そこで、あなたの作業の再修正を求めつつも、決定すべき事項の大まかな要素を3点示し、その理由について「インテンションの確立」プロセス全般の流れを踏まえて、あなたに示した。

究極の状況判断プロセスは、こうして始まる。

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