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9 どんどん進む「究極の状況判断」プロセス

本noteは連載形式です。全部で約100回の予定となります。本連載「想定外を克服する『究極の状況判断力』」のリンクは最下部に記載してあります。

想定外の大案件を任されて戸惑いながらも、究極の状況判断プロセスを開始したあなた。最高のスタートを切る事ができ、次は”敵”を知るための「情報見積り」プロセスに入った。(専門用語の解説は後述します。今は、どのように事が進むかをイメージしてみて頂きたい。)

9 次のステップへと邁進するあなた

「究極の状況判断力」を学んでいたあなたは、正直、そのことに感謝した。上司のBさんも、もちろん理解の上で互いのプロトコルが一致していたので、案件Aのスタートに必要な段階や思考の程度について、迷い無く検討を進めることができたからだ。

しかし、その上で上司のBさんからは幾つかの指導を頂いた。「ミッションの確認」「状況の分析・提示」「インテンションの確立」の3ステップは、状況判断プロセスの最初の段階だ。(<<前:最高のスタートを切るあなた)ミッションの確認に際しては、Bさんの言うとおり、目的・目標・手段のブレイクダウンが必要だった。目標や手段は下位組織のミッションになる構造だから、より自分が成すべきミッションが厳密に分かるはずだ。

さらに、状況の分析・提示では、全体状況を掴むことが目的であるけれども、全体状況は概観から導き出されるというよりも、状況を構成する個々の要素を適切に配列した上で、それぞれの適切な分析が必要ということだな。そして上司Bさんのインテンションを確立する段階では、特に、現時点の推察であってもどこが勝負を分けるかについて、いわば大胆な仮説が必要であると悟った。

あなたは、これら修正点をあらためて一つずつ慎重に検討し、書き直した。そして、次のプロセスとなる「情報見積り」に取り掛かった。このプロセスは、このA案件に係るターゲットの出方を推定し、自社の状況と照らし合わせながら最適な行動方針を出していくための重要なものだ。

あなたは、状況の分析結果をさらに更新しつつ、顧客の行動について分析を開始した。ターゲットの目的、活動範囲、目標、時期、規模等について整理していくと、いくつかの可能性を列挙することができた。その中から、自分たちのミッション達成に影響を与える行動や、ターゲットが実際に実行可能と考えられる行動に分類、整理した。

それら整理された可能性あるオプションを観察しながら、ターゲットの行動の癖やパターンを洗い出し、A案件に対するターゲットの行動の様式を定義付ける要素をいくつか見出す事ができた。そして、それら要素を評価要素として採用し、ターゲットの可能行動に優先順位をつけた。

こうして、あなたはA案件を立ち上げたとした場合の、ターゲットとなる顧客の最もあり得る行動パターンの1位から3位までを仮定することができた。

>次回:暗闇に光を照らす「行動方針の案出」

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マガジン:想定外を克服する「究極の状況判断力」


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