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本はコスパが良い

本はコスパが良いんだよなあ
と言ったら言い方が悪いと言われたけれど、しかしやっぱりコスパが良いと思うんですよね。


僕は昔から頭の中に物語を創りたがる人間でした。
お風呂に入っている時とか、1人の時間ができると、自然と頭の中で「ここではないどこかの世界で起きている物語」が始まったものでした。
その物語は毎日少しずつ進んでいって、まるでゲームのセーブをしているかのように、翌日には続きからロードができたんです。

恐らくそうなったのは、自分が一人っ子であることも要因ですが、昔夢中で読んでいたファンタジー小説やRPGゲームの影響があったことは間違いないでしょう。

ただ、良く言われるイマジナリーフレンドのような存在は僕の頭にはいませんでした。
いつも少し上から、俯瞰する目線で物語は進行していました。
自分が別の世界へ行ったり、別の世界に触れるわけじゃないけれど、頭の中には別世界が広がっている。そんな感じでした。

その感覚は、本を読んでいるときの感覚に似ています。
本を読み始めると、頭の中で本の中の世界が広がってのめり込んでいきました。
本を閉じてしまうとその世界が消えてしまう。
早く続きが読みたい気持ちをグッとこらえながら布団に入った日は、眠りにつくその時まで、頭の中には本の中の世界が広がっていたような気がします。

●本を開けばそれだけで別の世界に行ける。


ところで子供の頃、絵本等を除いて母親が初めて買ってくれたファンタジーでない本は、青い鳥文庫の夢水清志郎シリーズの『踊る夜光怪人』だったと思います。

母親が日本のミステリーやサスペンスを好む人なので、子供で楽しめそうなミステリーを勧めたんでしょう。
僕はまんまとハマり、夢水清志郎シリーズはもちろん全て読んだし、その後もコナン・ドイルやアガサ・クリスティ、エラリー・クイーンといった定番どころから、今ではフレンチミステリを好んで読むことが多いです。

一方で父親はミステリーやサスペンスには興味がなく、歴史小説やビジネス書を好む人でしたが、同じ物を読ませようという気は無かったようです。
僕には「これくらいは読んでおけ」とスティーブンソンの『宝島』を買ってくれました。
当時の僕には宝島はちょっと読むのに苦戦した記憶がありますが…父親が買ってくれた本を読めないのは悔しくて、必死に読んだのも良い思い出です。(小学校低学年だったかな?)

父親の話で言うと、父親の本棚にある『フォレスト・ガンプ』も、そこから拝借して読んで大好きな作品になりました。
フォレストガンプを読んだことを伝えると、素っ気ない返事だったものの親父の顔は心なしか嬉しそうだったのも覚えています。

本を読めば読むほど、読める本のレベルが上がっていって、入り込める世界が広がっていきました。
そこに加えて、色々な本を読んでいくと大人との共通の話題も増えていったのも、大人に近づいた気になって嬉しかったなあ。

●本は年の離れた人との共通の話題になる。


大学生~社会人くらいになった時には、所謂定番どころのビジネス書や自己啓発系の物も少し読むようになりました。
僕の本棚にあるのはデール・カーネギーの『人を動かす』とか、ビジネス書としてはあまりに有名なスペンサー・ジョンソンの『チーズはどこへ消えた?』とかですかね。

具体的に普段の生活で本に書いてあることを活かすぞーなんてことは思ってないですが、多分どこかに読んだ本の知識が入ってるんじゃないかなとは思います。

まあ自己啓発本に限らず、写真の撮り方とかそういうスキルアップ系の本にも言えることですが、誰かが人生を費やして培ってきた知識を本は教えてくれるってのは凄いことだと思うわけですよ。

そういう話は当然直接お話を聞くのが1番良いんですが、中々そんな機会は無いもので。
自分の好きなタイミングで好きなように知識を得られる本という媒体はとても贅沢ですよね。

●本は普段聞けないプロの知識に触れられる


と、ここまで書いてきたようなことが、1冊1,000円未満くらいからで楽しめるのが本なんですよね。
そりゃ高いものは高いんですけど。

その金額を高いと思う人もいるけれど、僕は安いなと思うんです。
本を読んでる時間、読んだあと考える時間、さらに誰かと話す時間…結構長い時間を楽しめるじゃないですか。


調べ物をするのに、インターネットは非常に便利です。
1つの答えに対して、最短距離でアクセスできる。
ただ専門的なことになると本でしか見つけられないこともあるし、何より本で調べることである種の「回り道」をすることになるんですが、その回り道で身につく知識って意外と大事だったりするんですよね。


ビジネス資料を作る上で余白が重要なように、人生にも余白(ゆとり)が必要だと思ってます。

個人的な感覚で言うと、読書はその余白の1つだと思っていて。
無理して読む必要は無いけど、本を読もうかなと思えるタイミングがあるか無いかって、その時の心の余裕を測る尺度にもなってるんですよ。

人によって本の価値は違うと思うけど、僕にとってはとてもコスパが良い物です。

もちろん良い意味で。

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