派遣(バイト)の品格
学生の頃やってたバイトの思い出って、めっちゃあるよね~!!
僕は仕送り無しで一人暮らししてたので、奨学金貰いながら生きるためにバイトしてたんだけどね。
これが社会か…!って思ったもんですよ。
派遣ではない仕事だとコンビニとホテルのレストランで働いてたんだけど、コンビニでは恵方巻きの販売リーダーやって近隣の住宅にチラシ配って営業したり、ホテルでは職場内でのドロドロ不倫現場見たりとっても良い社会勉強になったなー!
僕は『お金を稼ぐことは生きること。生きることは本気でやること』みたいな信条?があるので、バイトでも本気だったんだけどね。
そんなバイトの中でも派遣のバイトはインパクト強めの思い出が多いんよね。
1.子ども向け大規模イベントスタッフ
1つ目はイベントのスタッフ。
始発の電車に乗って行った仕事。
この頃僕は偉そうに建物入口がオートロック、部屋のドアはナンバーキーのマンション住んでたんですけど、(家賃はなぜか安かった)この日はカードキーを入れた財布を忘れてマンションから出てしまいましてね。
家に帰れないしそもそも会場までの電車賃も無いってことに気づいて、慌ててマンションの裏に回り込んで、壁をよじ登り有刺鉄線でズタズタに肌を傷つけられ、なんとか家に帰り、血を流しながら会場に行った覚えがあります。
(それで侵入できちゃうセキュリティどうなんだって話だけど)
で、会場につくと僕はムシキング的な、ああいうゲームの躯体担当になって、子どもたちを盛り上げる役目を仰せつかったんですよ。
参加してくれる子どもたちが楽しめるように道化を演じろということです。
他の派遣がローテンションで子どもたちと接する中、僕は
「うおおおおお!いっけええええ!!!」
「そこだ!決めろ!!」
「流石!」「かっこいい!!」「完璧だぁ!!」
って朝から晩までめちゃくちゃ叫んでたんですよ。
明らかに僕のいるゲームのとこだけ異様な盛り上がりを見せたんですわ。
イベントのバラシに入った時、イベント主催者の方が僕のとこ来て、
「君、いいね。お笑い好き?」
って急に聞いてきて、好きだと答えると、
「今から流れ星のちゅうえいさんのところに差入持ってくけど、君も来る?」
って言われて連れてってもらいまして。
一緒に写真を撮ってもらいました。
オンバトの頃から夢中で観てた芸人さんが、目の前にいることに珍しく興奮して緊張して言葉が出てこんかったなあ。
頑張っている姿は誰かが見てくれているし、頑張っていれば報われることもある、と思った現場でしたね。
2.ブック●フ入口でのアンケート調査
ブッ●オフの入口でお客様からアンケートを取る、というシンプルな仕事。
問題は今まで行ったこともない県外の知らない市のブ●クオフだったことですね。
これも始発で出て乗り換えまくってギリでした。
僕よりもっと近い人おったんちゃうの。
ただ派遣たるもの、与えられた仕事はまっとうするしか無いので行きました。
そもそもね、●ックオフって僕も好きですけど行くときのテンションってそんな高くないでしょみんな。
あ~暇だな〜とは思ってるけど、誰かと会話したいテンションでは無いじゃないですか。
そんな入口でアンケートに答えてもらうのって結構しんどくて。
でもそんなお客さんも多くなかったから、ノルマ達成するためには打率上げてくしか無かったんですよ。
別に監視役がいるわけでもないし、ちょろまかそうと思えばちょろまかせるんですけど、それしたらアンケート調査の意味が無いじゃ無いですか。
何かをより良くするためのアンケート調査なんだから生の声ちゃんと拾わないと。
俺は今この瞬間はブックオ●の店員なんだ、と自分に言い聞かせ1日中入口に立ちました。
で、『お客様が一番最初に目にする店員風な男が僕になる』ということは、すなわち僕の印象がこの店の印象を決めるんだと思ったので、めちゃくちゃ姿勢正して
「おはようございます!」
「いらっしゃいませ!こんにちはー!」
とか声掛けしてたんですよ。
そしたら途中から僕の声に反応して店の奥からも本来の店員さんが「いらっしゃいませー!」って復唱するようになって。
やたら活気のある店になりました。
そんなブックオフ僕嫌ですけど。
常連っぽいじいちゃんが、店員さんに「なんじゃ、今日は本社の人間が監視に来とんのか」と言っているのを聞いて、なんかよくわからんけど勝ったなと思いましたね。
3.某アイドルグループの通称“剥がし”
この現場は奴隷のような扱いでした。
僕がいた頃の方々はもういないと思うんで時効だと思って書きます。
現場にはいくつもレーンがあって、そこに目掛けて多くのお客様方が列をなすので、決まった時間になったら次の人に順番を譲っていただく仕事なんですけどね。
スーツ着用でひたすらそこに立ち続けるのもしんどいんですが、とにかく扱いが酷くて。
「おいそこのお前!!」とか呼ばれたらすぐに駆けつけなきゃいかんしね。
時間になったらお客様の裏から「すみません、お時間です」と声をかけながら肩を軽く叩いて動いていただくんですが、ニコニコとした表情のまま、頑なに動かないお客様が結構いらっしゃるんですよ。岩かよ、と言いたくなるくらい動かないんですよ。
両手で肩に手を当て、こちらも丁寧なまま無理矢理動かすことになるんですが、まさに“剥がす”感覚です。
お客様方からすると、無理矢理現実に引き戻すスーツの男達が敵なのはわかるんですが、僕達にとっての敵はお客様だけでは無いんですよ。
昼過ぎくらいに
「お前ちょっとこっち来い!」と怒鳴られかけつけると、
「お前あいつと場所変われ」と言われるわけです。
なんか僕やらかしましたかと尋ねると、
「お前じゃねぇよ」と言われまして。
どうやら変わった先のアイドルがスタッフに、「アイツ(剥がし)がジロジロ見てくんのキモい」と言って、剥がしをチェンジさせたらしいことがわかったんですけど、そんなアイドルのレーンに代わりに行きたくないわけですよ。
いざ行ったらそのアイドル、合間合間にガン飛ばしてくるんですよね~
うぜ~お前みたいな女に興味ねぇよ〜
と思いながら、目合わせたら飛ばされると思ったんで、ガン無視して仕事に専念しました。
まあ顔も印象に残ってない有象無象の1人なんでね。
プロのアイドルの方々がみんなそうだなんて全く思ってないんですけど、人間の2面性というか、裏側を覗いた気がした仕事でした。
それ以降も剥がしの案内はあったんですけど、2回目以降は断ったな~あの現場は凄いストレスだったんですよね。
まとめ
…いやーこう振り返ると、色んな経験させてもらいました。
僕は他にもMCの仕事もらって謝礼もらったり、依頼もらってジャグリングしに行って小銭を稼いだりもしてましたが、雇われて働くことの安定感ってやっぱ違いますよ。
でも雇われて、となると経験できることって自然と狭まっていく。
だからこそ、大学生の頃とか柔軟に身動き取れるときに、派遣に登録しとくのは結構アリなんじゃないかなーと個人的には思いますね。
基本的にはその場限りのドライな人間関係で、色んな世界に飛び込めるチャンスなんで。
で、やるからには本気でやった方が良いと思います。
適当にやっても本気でやってももらえる金額は一緒かもしれないけれど、本気でやれば誰かが見てるし、何より記憶に残るから話すネタにもなるしね。
大人になればわかるけど、話の引き出しは多ければ多いほど面白い人だなと思いますんで。
普通の人が経験してないような経験ができるのも派遣の良いとこだと思います。
若人よ、とにかく若いうちに色んな世界をその目で見たほうが良いぞ。
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