【バルト海のいわし】その危険性を考える
先日業務スーパー、あっ、関西では業スーと略しますが、みなさんの地域ではいかがですか?
業スーで冷凍食品コーナーを見ていると、バルト海のいわしを発見。
残り二袋。
おっ、これはつまり売れているな?!と想い、購入してみたわけです。
食品添加物や加工品は一切入っていない。
ラトビア生産の急速冷凍だそうです。
いわしってなんだか体によさそうなイメージですよね?
いわしには、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といったオメガ3脂肪酸が多く含まれています。
これらは心臓の健康を保ち、炎症を抑える効果があるとされています。特にEPAは血液をサラサラにし、血栓の予防にも効果があります。
また、いわしには、強力な抗酸化物質であるセレンが含まれています。
セレンは体内の酸化ストレスを軽減し、免疫機能をサポートします。
特にオメガ3脂肪酸というのは主に青魚から取れるわけで摂取が難しいのもあり、安価なラトビアいわしに飛びついたわけです。
危険性は?!
実はこのバルト海、近年汚染がかなり激しいらしいんですね。
そこで、ちょっと調べてみました。
ただし、なんでもかんでも危険!
という発想は完全に思考停止です。
現代社会で海が汚染されている、だから食べない・・・はあまりにも無理があり、程度によりますが、多かれ少なかれ現代人が口にする食べ物は汚染されているでしょう。
最後の「でももうちょっと考える」まで是非読んでみてくださいね。
バルト海はこんな感じでバルト三国と、フィンランド、ノルウェーやスウェーデンに隣接。
あっ!!そうそう。
スウェーデンといえば、最近妻がスウェーディッシュマッサージという日本ではかなり珍しいマッサージサロンをはじめました。
スウェーディッシュ専門のサロンとしては神戸で初めてにして唯一だそう!
看護師資格のある妻が一人一人にしっかりカウンセリングして進めていくマッサージなので、個人的にも結構おすすめです。
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話がそれてしまいましたが、こんな国々に囲まれた海で、うん、、、確かに溜まりそう。
気はもちろん、いろいろな物資がたまっているようです。
汚染物質
バルト海は長年にわたって深刻な汚染に直面しており、現在もいくつかの問題が指摘されています。
船舶からの汚染: 最近の研究では、船舶が排出する「スクラバー水」がバルト海の汚染の主要な要因の一つであることが明らかになっています。スクラバーは船の排気ガスを浄化するために使用されますが、その過程で有害な物質を含んだ水が海に放出されており、この処理水がバルト海に大きな影響を及ぼしていることが報告されています。2024年の報告によると、この排水は海洋生態系に有害で、数億ユーロ規模の経済的損失をもたらしているとされています。
有毒な金属(タリウム)汚染: さらに、バルト海では有毒な金属であるタリウムの濃度が増加しており、これも深刻な問題となっています。タリウムは、産業活動(特に第二次世界大戦後のセメント生産や石炭の燃焼)によって海に流れ込んでおり、魚類やその他の海洋生物への悪影響が懸念されています。
その他の汚染問題: さらに、農業や森林伐採による栄養塩の流出や気候変動による影響もあり、バルト海の生態系は非常に脆弱な状態にあります。一部の研究では、バルト海が炭素吸収から逆に温室効果ガスの放出源となる可能性があることも指摘されています。
近隣の国々もバルト海の汚染に関しては、注意喚起しているようです。
特に健康関係に敏感なスウェーデン政府は様々なレポートや対策を取っているようです。
スウェーデン政府の対策
スウェーデン政府や研究機関は、バルト海の汚染問題に対して様々なレポートを発表しています。
バルト海は世界でも最も汚染された海域の一つともいわれており、スウェーデンは他のバルト海沿岸国と協力し、その環境保護に取り組んでいます。
例えば、船舶からのスクラバー水(排気浄化装置の廃水)による海洋汚染に対して厳しい措置を講じており、2023年には、スクラバー水の排出を禁止する新しい規制を導入しました。
実はこの廃水には硫黄や重金属などの有害物質が含まれており、年間で数億リットルがバルト海に流れ込んでいたことが判明したんです。
他にもスウェーデンの地質調査局(SGU)の調査によれば、バルト海の堆積物には高濃度のPFAS(パーフルオロアルキル化合物)が含まれており、特にボスニア湾でそのレベルが高くなっていることがわかりました。
また、カドミウムや鉛などの金属も堆積物で確認されています。
これらの物質は、工業活動や船舶から排出されており、海洋生態系に深刻な影響を与えているとされています。
これらの健康被害とは?!
GPTに尋ねてみたところ、カドミウムや鉛などの有害金属は、魚を介して人間に蓄積されることで、かなり深刻な健康被害を引き起こす可能性があるそうです。
いわしなどの魚を通じてこれらの金属が人体に入る場合、長期間の摂取により蓄積し、以下のような健康被害が懸念されます。
1. カドミウムの健康被害
カドミウムは人体にとって非常に有害な重金属であり、以下のような健康問題を引き起こすことがあります:
腎臓障害: カドミウムは体内に蓄積されやすく、特に腎臓に影響を与えます。長期間のカドミウム摂取により、腎機能が低下し、慢性的な腎障害が発生することがあります
骨軟化症(骨折のリスク増加): カドミウムは骨からカルシウムを奪うため、骨の脆弱化を引き起こし、骨折のリスクを増加させます。これは「痛い痛い病」とも呼ばれる骨軟化症の原因となることもあります。
がんのリスク増加: 国際がん研究機関(IARC)は、カドミウムを発がん性物質として分類しており、長期間の曝露が肺がんや前立腺がんのリスクを高める可能性があります。
2. 鉛の健康被害
鉛は人体に非常に有害で、特に長期間の摂取や蓄積によって深刻な影響をもたらします。特に、以下の健康リスクが挙げられます:
神経系への影響: 鉛は神経系に重大な影響を与えます。特に幼児や胎児においては、神経発達の遅延や認知機能の低下を引き起こすことが知られています。大人でも、慢性的な鉛中毒によって記憶力や集中力の低下が見られることがあります
貧血: 鉛は血液中のヘモグロビン合成を阻害するため、慢性的な鉛曝露は貧血の原因となります。
心血管疾患のリスク増加: 鉛の長期曝露は、血圧の上昇や心血管疾患のリスクを高めることが報告されています。
でももうちょっと考える
なんでもかんでも危険!
という発想は完全に思考停止です。
現代社会で海が汚染されている、だから食べない・・・はあまりにも無理があり、程度によりますが、多かれ少なかれ現代人が口にする食べ物は汚染されているでしょう。
実は海洋汚染の魚への影響は食物連鎖の階層を考える必要があるそうです。
いわしは、他の大きな捕食魚に比べて体内の有害金属濃度が比較的低いとされていますが、それはなぜか?
ちょっとだけ考察してみます。
いわしは比較的安全?
いわしが他の大きな捕食魚に比べて体内の有害金属濃度が比較的低い理由は、食物連鎖における位置の違いに関連しています。
いわしは食物連鎖の比較的低い位置にあり、主にプランクトンや微小な生物を食べています。
そのため、有害物質が蓄積する機会が少なく、他の大きな捕食魚と比べて有害金属が体内に蓄積するレベルが低いと考えられています。
バイオアキュムレーション
有害金属(カドミウムや鉛など)は、食物連鎖の上位に位置する捕食者ほど体内に蓄積しやすい現象(バイオアキュムレーション)を起こします。
大きな捕食魚(例:マグロ、カジキなど)は、より多くの小魚を食べることで、その小魚の体内に含まれていた有害金属がさらに体内に蓄積されるそうです。
これに対し、いわしは主にプランクトンを食べているため、直接的に有害金属を摂取する機会が少なく、体内に蓄積する金属の量が比較的少ないとの見方。
寿命の違い
また、いわしは寿命が短い魚であり、大型捕食魚に比べて長期間有害金属にさらされる機会が少ないことも、有害金属の蓄積量が少ない理由の一つです。
大型の魚は長い時間をかけて有害物質を体内に蓄積していくため、いわしは相対的に有害物質の蓄積が少ないまま捕獲されることが多いです。
具体的にはいわし(特に、カタクチイワシなど)は寿命が約4〜5年とされています。
いわしは成長が早く、1年で成熟し、短命な魚種に分類されます。
寿命が短いため、環境中の有害物質に長期間さらされることが少なく、体内への有害金属の蓄積が他の長寿の魚に比べて少ないわけです。
種類別の寿命の例:
カタクチイワシ: 約4〜5年
マイワシ: 約3〜4年
これらの短い寿命により、バイオアキュムレーション(食物連鎖を通じた有害物質の蓄積)が少なくなります。
なので、汚染されているバルト海で取れているから危険!
食べちゃダメ!
みたいな発想はよくないですね。
筆者はこれらの情報をもっと精査しながら、考えていきたいと思っています。
なにせ人生ではじめて言った外国がスウェーデンだったりしますので、なんか親近感があるわけです。
例えば内臓の処理をしっかりするとか対策はとれるのかな?
鉛の健康被害を考慮すると、幼児には影響が大きそうなので子供には避けた方がよさそう?
少なくとも買ってしまった袋は捨てたりせず、命に感謝しながらいただこうと思います。
ちなみにいわしのアニサキス寄生率は0.2%。
充分加熱するようにしましょう。
では。