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MSGMと、僕らの精神・魂・姿勢

皆さんこんにちは。作曲家で音楽プロデューサーの齊藤耕太郎です。最近はトラックメイカーと呼ばれることも増えてきました。作曲家だとピアノとか管弦楽やってそうで、トラックメイカーの方が、なんかビート刻んでいる印象がありますね、どっちでもいいんですけど(笑)

さて、アルバムリリースまでいよいよあと2週間ちょっとになりました。いよいよだな、そんな気持ちで8月7日(金)を迎えるんだろうな。


そしてそんな最中に、

アルバムリリースに向けて、
僕と肇さんのアー写を一新しました!

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写真を変えると、いよいよ僕らの冒険が始まる。そんな気持ちになります。撮影に参加してくれたスタッフの仲間たち、場所を提供してくれたAloft東京銀座の皆さん、そして、全面的に衣装協力してくださったイタリアの人気ブランド「MSGM」東京チームの皆さん。

たくさんの方々のご協力のおかげで、僕らが世界に発信していきたいメッセージを自らの写真で体現してもらうことができました。

今回は衣装として僕らが着ているMSGMに対して、僕が長年のファンとして抱いている想いを読んでいただければ嬉しいです。



ファッションとの出会い

お洒落かどうかは別にして、僕は中学時代からファッションという概念に強く憧れを抱いていました。現体験は、インドに駐在していた頃にケーブルテレビで流れていた「fashion TV」のコレクション映像。

当時、インドにはまだそこまで高級ブティックはなく、3ヶ月に一度ほど家族で日本食や調味料を買い出しに行くタイ・バンコクのデパートでショー・ウィンドウを眺めることが僕の大きな楽しみでした。

洗練されたデザインと、生地が織りなす美しいドレープ、トルソーが着る一切の無駄がなく艶やかに光るスーツ、大人になったら自分もこういう服を着てみたい、と漠然と思っていました。

ちなみにその頃から、化粧品カウンターのフロアも何故かとても好きでした。フローラル、シトラス、ウッディなど様々な香りが入り混じるフレグランスコーナーや、リップやアイシャドーが整列され、カラフルに並ぶ様が好きで、「自分は使うことはないかもしれないけれど、いつかこういう仕事に自分も関わってみたい」と思っていました。

日本に帰国して、高校時代は地元のお店で限られた原資でストリートブランドを買って着ていました。お洒落な友達に、色々レクチャーしてもらいながら、サイジングや生地と生地の合わせ方を自分なりに模索していたなぁ。


より好きになったのは、大学入学と同時に上京してから。

ファッションが好きで、学生時代は生徒でもないのに服飾専門学校のファッションショーの演出もやったりしていました。

今となってはすっかり音楽機材バカですが、シンセに向けている情熱をそのまま、服にかけていた時代もありました。バイト代を半年間貯めて買った服は、今でもクローゼットの中に鎮座しています。今思えば不相応な服を着ていたと思いますが、こうして今、ファッションやビューティーの音楽を担当していて、脈々とMSGMとの縁につながった。振り返れば必然的だったのだと感じます。


僕のファッション・ビューティー広告のお仕事たち

前述の通り、ファッションシーンから受けた音楽的な影響は大きく、僕の音楽仕事にこのジャンルが非常に多いのも、間違いなくその影響。是非、僕がこれまで手がけてきたお仕事をご紹介させてください。

KOTARO SAITO WORKS FOR FASHION & BEAUTY

まだまだいっぱいありますが、特に好きなものたちを揃えてみました。

ファッションやビューティ。
僕にとってその魅力は「細部のエレガンス」

どれだけ攻めていようと、細かいところまでプロフェッショナルな技術が行き届いて、初めて美として成立していると常に感じます。洋服の生地感や色味、着てみたときのシルエットって、僕は詳しくないですが、音楽の細部を少し変えるだけで印象がガラッと変わってしまうことに似ているはず。

それを感じられる作品に携われると、僕も僕のクリエイティビティを刺激され、高いモチベーションで仕事に臨むことができます。今もアルバム制作やプロモーションと同時並行で、とある企業のCM音楽を作っています。この企画で僕が追求しているエレガンスを、是非早く観てもらいたいです。


MSGMとの出会い

前置きが長くなりましたね。ここからが本題。

ファッションがお好きな方は、知らない方はいないであろう、今やイタリアを代表するストリート×モードブランドに成長したMSGM。

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MSGM Instagramより引用。

その世界観にはストリートを基調としたスタイルの中に、インディ魂あふれる音楽やアートの精神がふんだんに盛り込まれている。遊び心が溢れながら、きちんと必要なところはラグジュアリー、そんなところが僕は大好き。

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ちなみに一つ前のアー写をで着ているジャケットやショーツもMSGM。特にこのジャケットは、完全に一目惚れして即買い。豹柄をブリーチしてグラデにするとかヤバい。久しぶりの衝撃だった。似合うかどうかも考えず、買いますって言ってた。スタイリストのNoLさんからも褒められて嬉しい。


出会いは、ブランドが日本に上陸してきた頃のこと。

僕には、20代前半からお世話になっている、僕にとって憧れだったファッション業界の中核で生きる「業界の母」のような方々がいます。その方々が僕に、人と人の縁をどう大切にして生きていくかを教えてくださった。その「業界の母」とも言うべき方々のお一人が、MSGMの国内展開をされており、ブランド上陸後程なくしてその存在を知りました。

当時は博報堂に勤めながらどうにかして音楽の世界に足を踏み入れたくて仕方なかった頃。MSGMはカルチャーに対する深い愛情が服に全面に現れていて、一瞬で惚れ込み、以来僕のクローゼットのMSGM率は右肩上がり。

僕が博報堂に入社して間もない、人生で最も調子に乗っていた頃から知るその方。いついかなる時も優しく、大切なことを僕に教えてくださるその姿に、僕はずっと尊敬の念を抱いています。会社を辞める時も、独立して間もない頃も、僕が前作「BRAINSTORM」をリリースした時も、ずっと応援してくださっていた。僕自身が、頑張ろうと思えるモチベーションの少なくない部分を支えてくださっています。


転機となった、渋谷音楽祭

ここで、初めて衣装協力をいただきました。

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僕にとって久しぶりのライブとなった渋谷音楽祭。現体制での初めての試み、どうしても気合を入れて臨みたかった。

そんな僕の思いに、東京のMSGMチームがお力を貸してくださり、バンドメンバー全員の衣装を提供していただきました。長年の歴史と、気持ちで動いてくださったMSGMチームの皆さん、本当にありがとうございます。


僕らの中で、何かが大きく変わった。

それぞれのキャラクターに合わせて選んだ衣装を着てステージに上がると、メンバーのテンションも最高潮。この時の記憶が、今年の僕らの大きな目標である「ライブを中心とした音楽を作る」に大きく結びつくことになります。そう考えたら、渋谷音楽祭でMSGMと共にステージに立たなければ、今僕らが作っている「VOYAGER」というアルバムは存在しえなかった。

それまで、いかに録音物を聴く人々のライフスタイルに溶け込む形で届けようか、と考えていた僕にとって、そんな気持ちで作った曲がライブによって、何倍も魅力的に鳴り響いたことは衝撃的でした。


MSGMを通じて僕らが伝えたかったこと

衣装は僕らにとって、ものすごく重要な自己表現の一つです。以前、人は見た目が〜という本が流行ったかと思いますが、アーティストとして音楽を世に届けていく上で僕らの音楽をどう届けたいか、に大きく影響する。

MSGMは僕らのそんな想いを届けるために必要不可欠な存在です。特に今回、僕の音楽パートナーである巨匠こと、内山肇さんのビジュアル作りに僕はこだわりを注ぎました。肇さん、まぁもう、いい歳の人。そんな肇さんと僕の関係性をどうビジュアライズしたかを書いてみます。


①課題の整理に時間がかかった

今回のアルバムリリースにあたってアーティストイメージをどう打ち出すか、アルバム制作前から僕はかなり考えを巡らせていました。

何せ、「別に取り立ててイケメンでもない、アラサーとアラ還のオッサン」というのが僕らの自己評価。見た目で勝負するタイプのアーティストでは絶対にないし、かと言って決してもう僕自身も若いとは思っていないので、僕らが作るサウンドに対して、2人並んだ像が違和感を与えている気がする。

年齢を超えて仲の良い僕らの関係性は、
身内には十分伝わっているけれど、
あんまり外にそれが伝わっていないんじゃないか。

その思考が課題設定のキッカケになりました。僕らが意気投合して、自然と毎日会話を重ねるようになって、趣味も合って、ようやく音楽を作る段階にまで至った関係性を、第一印象から見せていこうと。

そこに、MSGMという存在は切っても切れない縁なのです。


②リアルに、僕ら2人が好きな服でなければいけない

僕らは互いに、与えられたキャラを演じることができるような器用さはありません。僕ら自身がリアルな姿でしか、この世の中に自分として立てません。だから絶対に、無理をしてはいけない。今の時代、無理はバレるから。

そうなった時、2人が心底好きなブランドといえば、このMSGM。

すごく面白いのですが、実は僕以上に最近、肇さんがMSGMばっかり着ているんですよね(笑)このMV、僕は完全に普段着で別のブランドの服を着ていたのですが、肇さんはMSGM。誰にも会わない箱根スタジオなのに。

おそらく1週間分は余裕で別の服でMSGMコーデが組めるほどのフリーク。まだ知って1年くらいしか経っていないのに、買いすぎ(笑)どうやら音楽的でストリート、それでいて上品さも兼ね備えているその世界観に心底惚れ込んでいる模様。確かに、ここ1年で肇さんのスタイルは大きく変化しました。


③肇さんのアー写が、あまりにも今の彼とかけ離れている

これが、これまでの肇さんの、きっと世の中への印象。

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渋い。1万曲のCM音楽を書いているって言われてマジで納得の一枚。


でも、肇さん、今全然こんなんじゃないんですよ。
肇さん、こんな業界の重鎮みたいな佇まいでいないんですよ。
完全に、少年そのものなんです。本当に。


僕が普段みている肇さんはまさにこんな感じ。ちょっとキレイめだけど。

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トムフォードのサングラスに、MSGMの服。短パンまたは黒のジャージパンツに、靴はAir Force I。肇さんのトレードマークはまさにこんな感じ。既存の枠組みにこんな人いない!もっとそんな一面を知ってもらいたい。


で、撮影してきたのが以下。


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伝わります?ヤンチャなんですよ(笑)
どこまで行っても、肇さんは、ただのギター少年なんです。

僕らチームにとっての肇さんは、完全なるムードメーカー。雨が続くジトジトした空気を吹っ飛ばすような、太陽神。溢れ出る人間エネルギーと、何かあるとすぐに「Reasonだな(日本語訳:最初から決まっていたんだな)」「それは何のReasonなんだろう(日本語訳:その出来事には何の意味があるのだろう)」しか言わない姿勢。

前向きで、良いことだけに目を向けて生きるその姿、僕はとても羨ましいし、今の時代を生き抜く上で必要な思考だと思うんです。(肇さんが良いことしか見ないから俺が後始末するんだけどな、はぁ。笑)


ともかく、ようやく本来の肇さんらしさを形にできました。彼の持つ天性の明るさ、女子みたいに細やかな気配りと相反する、ライオン的なオスらしさの共存する姿を、アルバムリリースを皮切りに映像表現やライブでも切り取っていこうと考えます。お楽しみに!


④僕は、斜に構えた人のままでいい。

さて、じゃあ自分はどうするのさ、と。

目立ちたい欲は人よりあるタイプだと自認しますが、僕が向いていて、自分らしいと思えるのは「人の個性を活かして自分を示していくこと」だと思っています。なので、僕は肇さんより目立つタイプにはなりたくなかった。

そして周りの仲間から、「あんなに繊細なピアノを弾いているのに、ヒップホップやDJやってる人にしか見えないところが面白い」と言ってもらえているので、今回はより一層ナチュラルに、僕の見た目と音楽性のギャップを打ち出してみようかなと思いました。

で、撮影してもらったのが、以下。


テーマ:「世の中を斜め上から眺める気取ったプロデューサー」

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なんだそのテーマって感じですけど。

僕は多かれ少なかれ世の中のことを、自分ごとにしながらも本来自分が好きな世界のことにしか興味がない。

一時は過度に、必要以上にネガティブに見られたり敵を作る必要ないじゃん、って自分に言い聞かせていた時期もあった。でもこんな時代になって、人の絆の本質をえぐられる世の中になって。他人と仲間の区別がはっきりと分断されている現実世界で、そんなの気にして生きるの、馬鹿っぽくね?って今は思う。

逆説的だと思うけれど、僕の誠意は心で触れる、つまり人格や音楽作品に直に触れてくれた人に対して精一杯伝えられればそれで充分だと今は思っているんです。それが、今の僕にとって一番ナチュラルな自分らしさだから。

MSGMは僕に、素直でいられる場所を与えてくれました。最高の着心地と、いつでもパンクな気持ちを忘れずにいられる空気感。まさに、世の中に羽ばたいていくための翼そのものです。


ファッション、それは、絆。

僕は自分自身が夢見てきた、煌びやかな世界のファッションとは違う一面をここ5~6年ほど慈しむようになりました。

それは、僕が着ている服に介在している、大切な仲間の存在です。

MSGMは世界的に有名なブランドではありますが、僕らにとってのMSGMは、ずっとお世話になっている方が日本に卸している服、という前提で成り立っている。プロダクトそのものに、精神性や作り手、届ける人たちの人となりが宿って初めて、「着たい」と思える。

どんどん服が、自分たちを着飾るものではなく、リスペクトを込めて、内面の気持ちを外に示すものへと変化しているんです。仲間との絆を示す、「制服」みたいな感覚に近いのかもしれません。

ファッションって、今の僕にとってアーティストのファンベースと近いんじゃないかな。アーティストが好きだから、物販を買う。今の僕にとって、そんな服との付き合い方がとても楽しく、1番の喜びです。

音楽も服も、何でもいいって言い出せば何でもいいけれど、自分が好きなもので囲んだ時に、こんなに幸せなものってないと僕は思う。その気持ちを叶えてくれるMSGMを、今後も着たいと思うし、もし機会があれば、デザイナーであるマッシモ氏にもお礼が言いたいな。


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