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デイトレ初心者が勝てるようになるためにやるべきこと【1.リスク管理を学ぶ】

こんにちは。
この記事を開いていただきありがとうございます。

この記事は、僕がデイトレ初心者を卒業し毎月コンスタントに利益を出せるようになった経験から、現在まだ成果を出せていない人がやるべきことをまとめた【デイトレ初心者卒業シリーズ】を構成する2番目の記事です。

まだシリーズ最初の記事を読んでいない方は、そちらから読んでいただくことをおすすめします。


【デイトレ初心者卒業シリーズの記事一覧(暫定)
0.デイトレで勝てるようになるためにやるべきこと(ざっくりまとめ)1.リスク管理を学ぶ  ☜今回はココ
2.テクニカル分析を学ぶ
3.トレード手法を学ぶ
4-①.トレード手法の過去検証をしっかりやる(前編)
4-②.トレード手法の過去検証をしっかりやる(中編)
4-③.トレード手法の過去検証をしっかりやる(後編)

5.ファンダメンタルズ(世界経済)の勉強をする ※準備中 m(_ _)m
6.知識やアイデアをアウトプットする ※準備中 m(_ _)m
※今後の執筆状況によりコンテンツが変更になることがあります。


以下、本文です。
それではよろしくお願いいたします!


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■トレーダーとしてのマインドセット

いきなり精神論からで恐縮ですが、トレーディングに取り組むにあたり、どのような知識や技術よりも、マインドセット・心構えというものが重要です。
トレーダーとしてのマインドセットがしっかりしていないと日々の努力が続かないですし、トレード自体もブレブレになってしまうため、初心者卒業が遠のいてしまいます。
以下は、長い初心者時代を過ごした僕が、心からお伝えしたい考え方です。

トレーダーとは「投機家」です。
価格変化に賭け、値動きの利ザヤを抜く「ビジネス」を行う人です。
証拠金の何倍もの金額を扱える「レバレッジ」を活用し、買い/売りどちらからでも市場に参加します。

資金に高いレバレッジをかけるので、必然的にリスクが大きくなるし、トレードは比較的短期間で完結することになります。

よって、投機家には、ある期間の価格変化(変化の方向、変化の大きさ)を一定の精度で予想し、適切なタイミングのエントリーポイントを見出す能力が求められます。

またそれ以上に、高いレバレッジで資金運用する者として、資金管理・リスク管理の能力、高い規律が要求されます。

リスク管理なきトレーディングは、ビジネスではなく「博打」です。
人生におけるエンタメとして楽しむのであればそれでも構いませんが、儲けることが目的なのであれば、博打にならないようにする「マネジメント」が必須なのです。

そのためには、、、

●「資金を増やす」という目的のために最適な行動のみをとるという強い意志・信念を持って市場に参加してください。

●自分が取り組んでいるトレードのリスク・危険度を数字で認識してください。(破産確率、連敗確率、最大損失額等)

●厳しい自然のように振る舞うマーケットへの畏怖を忘れないようにしてください。

●チャンスを逃すことよりも、損することを恐れてください。

●個々のトレードの勝ち負けに一喜一憂せず、一定期間のトータルの成績をみてください。(勝率・損益比等が期待した値に収束しているか。)

どうか、自分の身の丈に合ったリスクをとり、短期間で資金を溶かすリスクを回避しながら、コツコツと優位性の高いトレードを繰り返す、そんなトレーダーを目指してくださいね。


■リスク管理の基本

どのようなトレードの知識や技術よりも、リスク管理やリスクに向き合う姿勢が重要です。

僕が実践しているリスク管理手法は、以下の4つに体系づけられます。
ⅰ)資金管理
ⅱ)初心者マーク期間の設定
ⅲ)エントリーマネジメント
ⅳ)損切り(ロスカット)の励行

以下、それぞれ解説します。


ⅰ)資金管理

上記で述べた通り、ハイレバレッジなトレードはリスクが大きくなります。
デイトレに投入する資金はあくまで余剰資金の範囲内にしてください、というのは常識以前のことですね。

みなさんが頑張って生み出した余剰資金は、トレード資金として証券会社の口座に入金することになりますが、資金全額を入金するのはおすすめできません。

人間というのは、損失を出して頭に血が上るとすぐに取り戻そうとして倍掛けしたくなる誘惑が強くなりがちです。
そうしたときに、証券会社に余計なお金を入れておかなければ頭を冷やす時間を稼ぐことができるのです。

そして資金管理の肝は、「適切なポジションサイズでトレードする」ことです。
ポジションサイジングについては、すでに他の媒体で様々な解説がなされているので、ここでは僕のやり方を簡単にご説明します。

【ポジションサイズ計算】
・過去検証や実際のトレード結果から、平均的な損失額を計算する。
・その平均損失額が、トレード資金(あるいは証拠金)の2~4%程度に納まるように通常の建玉枚数を決める。 
※一般的には2%程度が安全と言われています。
・エントリーポイントの確度に応じて、実際にトレードする枚数を上記の範囲内で決める。
(下記「ⅴ)レバレッジマネジメント」「ⅵ)分割エントリー/エグジット」で解説)

計算例)
日経225miniのトレードのケース。
トレード手法の平均損失額が1万円/枚で、トレード資金が100万円の場合、1トレードで取引するポジションサイズは2~4枚。
※より厳しい条件を課すのであれば、平均損失額より大きい損失額で計算してもよいです。

やり方は人それぞれですが、多少連敗が続いても資金の大半を失わないような仕組み・ルールをつくるというのが本質となります。

上記は資金管理方法の一例なので、ぜひ自分自身で調べ、またいろいろと試しながら自分に合う方法を探してください。

一般的には「許容損失額を資金の2%に抑えるようにロスカットする」というやり方が有名です。(2%ルール)
上記の僕のやり方は、ややリスク選好寄りです。
※後述する「初心者マーク期間」中の証拠金の考え方は、上記とは異なります。


ⅱ)初心者マーク期間の設定

自分のトレードでコンスタントに利益を出せるようになるまでは、エントリー枚数や入金する証拠金を最低限に抑える「初心者マーク期間」を設けることをおすすめします。(ゲームでいう「縛りプレイ」)

これは、リスクに晒す資金を最小限に抑えながら、必要十分なトレード技術と経験値を獲得するための訓練方法です。

【初心者マーク期間ルール(日経225miniの場合)】
・期間中のエントリー枚数は1枚に限定
・入金する「初期証拠金額」は20〜30万円前後とする
・上記の初期証拠金を2倍にできたら合格
・初期証拠金が尽きたら、デイトレ用資金から追加入金して初期金額に戻す
・トレードルールの過去検証も別途行い、検証済みルールを期間内に使う

※初期証拠金額は、大きい分にはご自身の好きな金額でよいですが、初期証拠金額を高くしすぎると、それを2倍にする難易度も上がってしまいます。
※追加入金力を維持できるように、仕事や節約、バイト等にもしっかり取り組むことをおすすめします。

合格後は、必要十分なリスク管理やトレード技術が身についたと判断し、少しずつ証拠金とエントリー枚数を増やしていきます。
その後も利益を積み重ね続けることができれば、初心者を卒業したと考えてかまわないでしょう。
卒業後でも、勝率や損益比が下がってしまい利益が思うように伸ばせない場合は、証拠金の追加は控えてください。
初心者マークに再び戻るというのもありです。

逆に、初期証拠金を2倍にするまでは、絶対にエントリー枚数を増やさないでください。
20万円程度の規模の証拠金も2倍にできない技術で、大きな金額を扱ってはいけません。


この初心者マーク期間を通じて、実戦において相場で資金が増えたり減ったりする感覚を心と身体で覚えます。
(デモトレードだと、実際に自分の資金を賭けているわけではないので緊張感がないですし、資金を失う際の気分・動揺等のメンタルの動きを味わうことができません。)

また、初心者マーク期間中には、エントリーやエグジットの手法の過去検証を別途行い、検証済みの手法を実践投入していくことも同時に行ってください。実戦でのパフォーマンスを検証しながら、利益を積み上げていけるかのテストを行います。

実戦でもうまく機能することが証明され、証拠金を2倍に増やすことができたら、そのエントリールールはそのまま「あなたの手法」になるのです。


ⅲ)エントリーマネジメント

トレードにおけるポジションの取り方は、3種類あります。
「買い(ロング)」、「売り(ショート)」、そして「なにもしない」です。

「デイトレ初心者が勝てるようになるためにやるべきこと(その1)」でも述べましたが、マーケットにおいて、優位性のあるエントリーポイントは全体のごく一部です。

そのため、デイトレに取り組む上では「エントリーの無駄打ちを減らす」ということがとても重要となります。
まずは、以下のトレーディングの基本動作を徹底してください。

【トレーディングの基本動作】
①ファンダメンタルズから目先と長期の相場の方向性にあたりをつける
②長期足(月足〜日足)のテクニカル分析で、相場の大勢・方向性を確認する
③ファンダメンタルズと長期のテクニカルを加味して、当日のエントリーの方向を決める
④中・短期足(4時間足以下)でエントリーポイントを探す

上記の③において相場の方向性がよくわからない場合や、④で良いエントリーポイントが見つからない場合は、「何もしないという行動」を選択してください。

「トレードを休む」というのも重要な戦略の選択肢なのです。


ⅳ)損切り(ロスカット)の励行

これはもはや常識だとは思いますが、大事なことなので。。
ロスカットをしないことの恐怖感をお伝えするには、やはり「数字」をご紹介するのが一番かと思います。

あなたは、日経225miniの、2016年から2020年の5年間における、1時間足の最大値動きはご存知でしょうか?

僕が調べた限りでは、2016年6月24日 11時の1時間足1本で、始値から安値まで1,060円の下落が発生しています。
(しかも同年4月28日12時の足でも、同程度の下落が発生しています。)
※データ出所は本記事末尾に記載

日経225miniをこの足の始値で買っていたら、ちょっと仕事などで目を離した隙に、1時間で最大10万円の含み損が発生したことになります。
10枚買っていれば、トータルで100万円のマイナスですね。

個人が用意できる余剰資金など一瞬で消し飛んでしまいます。
(ちなみに同日の日足だと、始値-安値は1,400円の下落です。)

ロスカットをしない恐ろしさ、お分かりいただけるでしょうか?
投資の世界は、一寸先はガチで闇です。

真っ暗な洞窟の中を探索するように、慎重に慎重を期して、足元や周囲を探りながら少しずつ進んでください。
どこに文字通りの落とし穴があるかわかりません。

命綱となるロスカットは、常に発動できるようにしておいてください。
常にチャートを見られるようにするか、それが無理なら必ず逆指値注文を入れておくようにしてください。


ちなみに参考情報として、2016年から2020年の期間において、1時間足の始値から高値、あるいは始値から安値の値幅が500円以上発生した本数は23回でした。(2020年中での発生が過半数を占めています。)
意外と深めの落とし穴多いwww

どんなに上達しても、どんなに調子がよくても、必ず自分で設定したロスカットのルールは死守してください。

当然、エントリーする前にはロスカットポイントも決まっていなければなりません。
そしてそのロスカットポイントは、過去チャート検証プロセスを経て検証されたルールに基づいていなければなりません。


ⅴ)レバレッジマネジメント ※2021/4/27 追記

日経225先物のレバレッジは固定で決まっていますが、自分の投資資金に対して、実際にエントリーする枚数を調整することで、自己資金に対するレバレッジを調整することができます。(資金全体に対するリスク資金の割合)

基本的には、上記のポジションサイジングで決めた通常の建玉数を基準として取引を行うのが通常です。
一方で、通常よりもリスクを下げておきたい場合は、それよりもエントリー枚数を少なくすることでリスク資金比率を下げます。
※リスク資金比率:トレード資金(証券口座の資金)全体に対する、一度のトレードでの損失許容額の比率のこと。

リスク資金比率の計算例)
トレード資金100万円、日経225mini 4枚で、平均ロスカット額が-5,000円/玉となるトレードを行う場合、リスク資金比率は2%となる。

4枚×5,000円/100万円 = 2%


参考までに、僕がレバレッジを調整する場合の例をご紹介します。

・検証済みルールどおりのエントリ―ではあるが、少し自信が無い場合(チャートパターンの形が汚い、ダマシが多い 等)
・本来のエントリーポイントから出遅れた場合(基本は見送るが、まだいけると判断できる場合は枚数おとしてエントリーすることがあります)
・異常な連勝数になってきている場合
・検証完了したてのルールを実戦投入したばかりの時期

要するに、「通常と違う状況」にある場合には、エントリー枚数を落とすことでリスクを下げる、という考え方で運用しています。
「レバレッジマネジメント」は「ポジションサイジング」と表裏の関係となっています。
トレードのリスクを抑え、パフォーマンスの安定に役立つ考え方ですので是非身につけてください。

以下では、上記の「レバレッジマネジメント」をより実戦的に解説します。


ⅵ)分割エントリー/エグジット 

エントリ―やエグジット(利食い/損切り)の際に、一括で行うか、分割で行うかを状況に合わせて使い分けることでトレード成績を向上しようという取り組みです。

複数玉でトレードを行う際に、エントリーやエグジットのタイミングを分散させることでリスクも分散させようという考え方となります。
こうした「マーケットタイミングを時間分散する」という行いは、最近認知されてきた「ETF積立投資」などと似た考え方と言えると思います。

本記事でご紹介していることからもお察しの通り、僕は基本的に、状況に応じてエントリーとエグジットの「一括/分割」を使い分ける方法を推奨しています。
もちろん、事前にエントリー/エグジット手法の過去検証を行っていることが前提となります。

エントリーとエグジットをそれぞれ一括/分割で行う場合にはメリットデメリットがありますが、相場観や状況に応じて使い分けることでリスク低減とトレード成績の向上を図ることができます。
エントリ―/エグジットを一括・分割で行う場合の特徴についての僕の考えは以下の通りです。

⑴エントリーとエグジット両方とも【一括】
・ハイリスク・ハイリターン
・勝率低め、損益比高め
・うまく決まれば大きな利益、外すと損失も大きい
・マーケットタイミングがシビア
⑵エントリーとエグジットのどちらか、または両方【分割】
・ミドルリスク・ミドルリターン
・勝率低め、損益比高め
・マーケットタイミングを分散することで損失額を抑えやすいが、その分平均利益も少なめ。
・パフォーマンスの平準化によるストレス低減が最大のメリット


ちなみに僕は、「一括エントリ―⇒分割利食い」を基本戦略としています。
理由は以下の通りです。

・検証がしやすい
・実戦で運用しやすい(利食い指値やOCO注文を入れておくだけ)
・勝率を高めやすい

以下、分割エントリー/エグジットの具体的な運用方法や、運用上の注意点について解説します。

【分割エントリ―の具体的な運用方法】
基本的には「レバレッジマネジメント」の延長線としての考え方で運用します。
一般的な使い方は、ナンピンによるエントリータイミング分散でしょう。
大きく動いた初動の後にくる調整終了を狙う際に、フィボナッチ等のインジケーターと組み合わせて段階的にエントリーすることで、逆行リスクをヘッジします。

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上記のほか、相場に対して「本来のルール通りではあるが、ちょっとチャートパターンの形が汚い」等の違和感を感じているときなどに、分割で入ることでリスク低減するという考え方の運用もありです。

逆に、すごく自信のあるエントリーポイントで、リスクを取って早めにエントリーしたい場合などにも分割エントリ―を使うことがあります。
例えば、本来はトレンドラインブレイクを4時間足の確定を待ってエントリーするところを、1時間足の確定で一部の玉をたてる、という使い方です。
上記それぞれのパターンで、積み増しやナンピンをするかどうかは状況によっての判断となります。

【分割エントリ―の運用上の注意点】
・分割エントリ―を行うルールを明確にする(戦略性のないナンピンや買い/売り増しをしない)
・追いかけの追加エントリーは慎重に(すぐに逆行して利益なくなるリスク)


【分割エグジットの具体的な運用方法】
分割エグジットについては、次の2パターンの考え方があります。
自分のスタイルや相場の状況に応じて上手に運用することで、トレードのリスク低減や利益の確保、ひいては成績の安定を図ることができます。

・エントリー後の伸びに応じて段階的に利食いを行う
・エントリー後、イメージ通りでない場合は一部玉を早めにテジマイ

分割エグジットについては、基本的にペイオフレシオは低下する傾向にあります。
一方で、利益を確保しやすくなるとともに、玉平均の損失を低減することができるため、トレードの勝率を向上することができるのです。

【分割エグジット運用上の注意点】
・エグジットを行うルールは明確にしておく(感情に流されてテジマイしない)
・分割利食いは、なるべく指値またはOCO注文を使う(確実に決済できるように)

「初心者マーク期間」を卒業できた方は、ぜひ少量の建玉から分割エグジットを取り入れてみることをオススメします。


いかがでしたでしょうか?

少々説教臭い内容が多くなってしまいましたが、デイトレで勝てるようになるためには「リスク管理」の知識・技術は最重要なので、テクニック等の事柄よりも先に解説しました。

どのように勝率の高いエントリー技術を習得していても、資金管理やリスク管理がおろそかだと、1度の負けでそれまで稼いだ利益をふっとばしてしまいます。

たまに「プロが運用するファンドが破綻した」というニュースが聞かれることがありますが、あまりにも高いレバレッジをかけすぎていることが原因であることが少なくありません。(まぁプロの投機家はそれが仕事ですが)

プロでもリスク管理の失敗により破産することがあるのですから、初心者こそ、リスク管理について真剣に取り組まなければなりません。

この記事で解説した方法以外にもリスク管理の技術はたくさん存在するので、ぜひご自身でも調べてみて、どんどん実践してください。


※ⅳ)のデータ出所:
 「225Labo」日経225先物分足データ
 https://225labo.com/modules/download/
 無料会員登録すれば、日経225先物をはじめとした四本値データ等が
 ダウンロードできるので過去検証におすすめです。



最後まで読んでいただきありがとうございました!
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>>次の記事「2.テクニカル分析を学ぶ」


【デイトレ初心者卒業シリーズの公開中記事】


※この記事は、主に日経225先物等をトレードしている投資家向けにトレード技術や経済、政治などを解説する目的で作成されています。実際の取引はご自身の判断と責任により行って下さい。


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