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就活をはじめる前によむnote!(前編)

はじめに

 これから就活(就職活動)をはじめようと思っている人に向けて書きます。就活のイロハを学んだり、就活本を読む前に、すべての人が知っていても損をしない「キホンのキ」をここに書いておきます。就活がなにもわからない人に向けて書きます。これを読んだあなたの役に立てば嬉しいです。
 
 簡単に自己紹介をします。僕は、大学院を卒業後にIT企業に勤めたあと、いろいろありまして、派遣会社の面接を受けたり、再びIT企業へ転職したりしてきました。そのたびに面接を受けてきました。数こそは多くないですが、僕は様々な面接を受けてきたといえます。
 学生のときの就職活動は、5社だけエントリして2社から内定をもらうことで就活を終えました。よく耳にするような、多くの企業にエントリーして何度も落ちたわけではありません。また、入社した会社も年収が高い企業でもなく、有名企業でもありません。就職したのは普通の中小企業です。
 
 そのため、この内容は主に「就活ってなんだろう」「これから就職活動をはじめます!」「普通の会社に普通に入社したい」「就活は短く済ませたい」という、いたって普通のあなたに役立つものだと思います。意識高い系と呼ばれる人には、物足りないかと思います。

将来の目標はありますか?

 就活の1歩目は「あなたは何をやりたいのか?」という問いに答えることです。僕にとっては、これは難問です。もしあなたに将来の目標やなりたい職業があれば、あなたは幸せな人です。なぜなら、あなたはすでに就職活動へ進むべき道が示されています。ちなみに、僕は「夢」をもたずに大人になっていました。
 
 たとえば、「医者」になりたい人は医大に進んで、医大を卒業後に病院で勤務することになるでしょう。もちろん、どこの病院で働くのか、将来的に独立して開業医を目指すことができるのか、といった考えることはたくさんありますが、進むべき方針が決まっています。
 進むべき道が見えている人は、就職活動は難しいものではありません。ただ、僕も含めておそらく多くの人は、「進むべき方向がまったくわからない」「自分の人生だけど、どこに行きたいのか自分でもわからない」という人が多いのではないでしょうか。
 就職活動に関する本を読めば「自己分析をしなさい!」と教えられます。詳しいことは就活本を1冊手にとってもらうとして、たとえば以下の2つを考えてみてください。

  1. あなたの好きなこと、将来やりたいことはなんですか?

  2. あなたの得意なことはなんですか?

1.好きなことはなんですか?

 将来の夢がある人は、①の質問に即答できるはずです。保育士になりたい人は、「子どもが好きだから、保育士になりたい」と思うでしょう。「動物が好き」な人であれば、動物園や水族館という道が考えられます。好きなことが、そのまま仕事につながる人は、自分が進みたい方向の1つを見つけることが簡単といえます。
 もちろん、絶対にそちらへ進まないといけないわけではありません。ただ、就活を始めるときの取っ掛かりが見つかっているのです。どういう業界を調べたらいいのか、どういう企業が自分の関心に合うのか考えやすいのは、就活がラクになります。
 
 ただ、①に即答できれば、すべて就活の開始がうまくいくわけではありません。僕は大学院で「哲学」を研究していました。正直に言うと、「哲学」を直接仕事に結びつけるのは困難です。哲学者という道はありますが、道が狭く険しい。「哲学」に関することは好きだけど、僕の場合は、①の観点からは自分の進むべき方向を見いだせなかったです。

2.あなたの得意なことはなんですか?

 「好きなことが仕事に直接は役立たない」「やりたいことがない」という人は、「得意」という②の観点から考えてみましょう。
 僕は、好きなことを仕事にするよりも、得意なことを仕事にするほうがよいと思っています。好きなことを仕事にすると、仕事として付き合うことで好きなことが嫌いになることもあります。また、仕事は効率性を求められるので、個人の好き嫌いよりも、その仕事をうまくこなせるかどうかを求められるところがあります。そのため、得意なことを仕事にしたほうが職場で活躍できるかもしれません。
 
 たしかに、「好きこそものの上手なれ」とはいいますが、「好きでも嫌いでもないけど得意」というのは、時間をかけるまでもなくすでに持った能力なので、ある種の才能ともいえます。それを活かさない手はありません。
 
 「得意なこと・・・なにもないかも」と思う人もいるでしょう。これまでになにかの賞を受賞したことはないし、県大会にも出場したこともない。どんな道にも上には上がいます。どんなに野球が得意でも、大谷翔平には劣るでしょう。
 得意なことは、「あなたが周囲よりも少しでも優れているところ」と考えてください。たとえば、「あなたは友達よりも話が達者ではありませんか?」「学校のマラソン大会で上位に入賞したことはありませんか?」「家族は苦手だけど、あなたは機械の説明書を読むのを苦にしないということはありませんか?」「友達は興味がないけど、あなたはクイズ番組をみるのが好きではありませんか?」「アルバイトをしているときに、後輩の面倒を見てことはありませんか」?・・・。
 
 もし「友達よりも話が達者」だと思えば、「あなたは人と話すの得意」といえるかもしれません。「クイズ番組が好き」だとしたら、あなたは知識を吸収することが好きなのかもしれません。「説明書を読むのを苦にしない」のであれば、読解力や忍耐力があるかもしれません。後輩の面倒をみるのが苦でなければ、あなたは説明力や面倒見がよいかもしれません。
 どれにしても、あなたが周囲より少しでも得意だったものを思い出してみてください。それがあなたの得意なもので、あなたが持っている力です(ちなみに、僕が後輩の面倒見が悪いです・・・)。得意スキルを持っている人は、他人がうまくできない様子を見ると「どうしてうまくできないのだろう?」「どうしてそんなに嫌々やるのか?」と思ったりします。そんな経験はありませんか。

得意なことから就活する業種を導き出す

 「自分の得意なことはなにか」という観点から、あなたの具体的な例を思い出すことができたら、それを「〇〇力」のような形でメモしておきましょう
 たとえば、部活動に専念していた人は「体力」や「忍耐力」があります。後輩に色々と教えていた人は「説明力」「面倒見」がある。もし話すのは苦手だけど、相手の話を聞くのは好きという人は「傾聴力」「質問力」がある。
 
 僕は、塾のアルバイト経験や哲学の研究のなかで、相手に説明する「説明力」や「論理力」が人よりもあると思って、就職活動ではそこを強みだと豪語していました(本音は、そんなに自信はなかったですが・・・)。
 この「〇〇力」やあなたの好みも考慮に入れて、就職活動をする業種を考えてみます。僕の場合は、「論理力」をもとに計算や論理的思考が求められる業種を考えました。いろいろ調べてみると、「金融系」「IT系」「教職系(学校の先生」があてはまるようです。ただ、教職系が大学で教職員資格を取っておかないといけないので、大学院を卒業する自分には手遅れです(あと、子どもが好きではありませんでした・・・)。
 ということで、「金融系」「IT系」の業種や企業を調べることが僕の第一歩でした。結果として、僕は東京の中小IT企業に就職することになったのです。

結局、なんなの?

 「就活の最初に読んで!」と言いながら、前編では就職活動の具体的なことについて何も書きませんでした。ここで伝えたかったのは、「あなたが進みたい方向がどこなのかを決めることが、何よりも大切で、就職活動を楽にします」ということです。
 
 とりあえず、「どこに向かうのかと考える」という一歩目を踏み出してほしいです。というのは、就職活動をしていると、「自分は何をしたいのか?」という問いに何度もぶつかると思います。そのため、就活をしているうちに最初の一歩目を踏み出したときと、考えが変わることもあります。コロコロ考えを変えながら、活動を続けるのが就活ともいえます。就活する中で、いろんな人の説明を聞いて、人事担当者と話をして、面接で一喜一憂するなかで、自分の考えが固まっていくのです。

 後編では、「面接は変わった言葉のやりとり」という観点から、就職活動全体で何をしないといけないのか伝えたいと思います。よろしければ、後編もご覧ください。

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