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ガンジス川の洗礼

インドと言えばヒンドゥー教の聖地バラナシにあるガンジス川だろう。インドで絶対にやりたかったことの一つが沐浴だ。沐浴は宗教上、自身の罪を洗い流すいわば禊のようなものだが、そんなことよりもとにかく人生に1度でも沐浴をしたかった為、バラナシに滞在することを決めた。ただ、沐浴するにあたって一つだけ注意しなければいけないのが、ばい菌。亡くなった人やゴミ、ありとあらゆるものが流れている為、想像以上に汚いと聞いていた。しかし、いざ来てみれば湘南の海とそんな変わらない。
なんなら湘南より綺麗なんじゃないかと思えるくらいだった。病気になったらどうしよう、俺のJr.が機能しなくなったらどうしようとか雑念はあったが、考えてもきりがないので、そのうち島原は考えるのをやめた。
いざ沐浴。

念のため粘膜には水が触れないよう顔から下は入らなかったが、身体にはなんの異常もない。
汚いだの、病気になるだの、言われているが大したことないと思った。その日は沐浴の後昼食をとり、その辺をブラブラして夕食も食べて寝た。

次の日、朝日と共に目覚めた。
最悪の気分だ。
ガンジス川に入ったことを後悔した。
全身に寒気が走り、下痢が止まらない。ただ、果たしてこれは沐浴が原因なのか?
というのも、体調不良の思い当たる節がありすぎる。衛生面的にど底辺クラスの激安屋台飯か、はたまた新品のはずなのに開けた瞬間カチッと音のしない、入れ替えられてる感満載の土の味のするペットボトル水なのか、ガンジス川なのか。全くわからない。とにかく気分が悪かった。ゲストハウスのトイレは不幸なことに和式で、日頃からストレッチをしておけばよかったと後悔した。膝と内臓が悲鳴を上げている。トイレと睨めっこで1日が終わり、うまく寝付けず次の日を迎えた。すると、昨日まであった極度の寒気が消え去り、下痢も少しおさまった。動けるようにもなった為、昨日行こうと思っていた火葬場に今日行くことにした。川沿いを歩き火葬場に向かった。俺は安心していた。しかしそれが命取りになった。火葬場まで後もう少しのところで大腹痛に襲われた。トイレしに帰るか。いや火葬場は目の前だ。火葬場に行ってからトイレに向かってもまだ間に合う。そう言い聞かせなんとか火葬場に着いた。火葬の一連を見てすぐ様ゲストハウスに向かった。走ると出てきそうだったので、競歩の選手みたいな走り方で帰った。途中犬に吠えられ、人混みを潜り抜けありとあらゆる障害を越えた。やっとの思いでゲストハウスに到着し、安堵した。とその瞬間、思わず出してしまった。誰にもバレないように処理した。ガンジス川の洗礼を受けた。なんとも貴重な体験であった。
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