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小説Jugdement Time第2話。会長のしらべ。

「そうか、君はあまねって言うんだね。天音、よろしく。」
「私もあなたの、お名前をお聴きしたいです。」
「僕は君と同じ村上、そして玲音。れいん、同じ雨の音だ。」
「あら、やだ同じだなんて、こんな宇宙広しといえどそうそうありませんわ。」
「そうだね、僕も君と初めてあった気がしなかったよ。」
そして彼女はまた喰言に、、、なった。
「それでは村上様、お互いの名を知った所で僭越ながら私が会長室にお連れ致します。」
「この学園のトップは会長、この学園は生徒成果主義の為。学園の全てを掌握しているのは、ブラッサオンゼの会長となります。」
「会長含め委員会は5人で構成され、私は3番目に辺ります。会長は音楽に関しては天才ですが、大変トリッキーな性格の持ち主の為、お話される時は村上様のお心遣いが必要となります。」
「そして、村上様。あまり硬くならないで頂きたい。会長は一度心許せばお喋り好きの愉快な方です。」
「それでは以上となりますので、村上様何か質問があったらどうぞ。」
「会長は誰?」
「はい、会長は天理天笠、当然あなたも一度は聴いた事がある名だと存じます。」
「ちょっちょっと待って。」
「はい。」
「会長は天理天笠だって、彼女は13歳でオリジナル曲「SEX」の楽譜を300万冊出版して、一躍時の人になった人じゃあないか。」
「はい、この音楽界の常識でございます。」
「まさか、同じ2年生でこの学園のトップだって、どうなっているんだ。」
「はい、では簡単にかいつまんでお話しいたします、会長はあなたが入る3ヶ月前にこのブラッサオンゼに編入されました、そして教室での最初の挨拶でクサナキスのシナファイを初見で弾いてみせたのです。」
「そして会長は自分が天理天笠だと名乗りました、そしてクラスメートは全てを理解し、クラスメート達は前会長の退任要求を申請しました。」
「そして前会長の斑目なつきと天理天笠のピアノでのデュエルマッチが行われました。」
「課題曲はバッハのゴルドベルグ変奏曲です、先行は会長ですが。最初の32小節のアリアは弾いた段階で、グレン・グールドを超えてしまい、前会長の
斑目なつきは、膝をつき歓喜の涙をながしました。」
「その会長のしらべと斑目なつきの涙の美しかった事は私の永遠の思い出として心にきざまれつづけるでしょう。」
「こうして、前会長は演奏する事なく、天理天笠、そう彼女は玉座の椅子に座る事となりました。」
「それでは、村上様会長室にお連れいたします。」
会長室のドアがBPM80で開く。そして銀の髪をした女性がピアノを弾きながら、ゆっくりとこちらを向いて 一言
「この世で大切な事は2つだけ、フランソワ・トリュフォーとジャン・リュックゴダール、後のものは全て下らない宇宙のちりになるといい。」
「盗聴してたから、名前は知ってる。ようこそ玲音、、ブラッサオンゼへ歓迎するわ、Ⅶえ紅茶を。」
「はい。どうぞ。」
「どうも。」
「もう、いいわね。知っての通り私は天理天笠、皆からは会長と呼ばれているわ。うん紅茶のスプーン音を立てないで、今の音はファだわ。私はピアノでCのコードを弾いた所だったから、アボイドノートだけど。ふふふ可笑しいあなたって、これをナチュラル11度って考えるタイプ?あなたっておもしろい。」
「あなた、なかなか筋があるわね。いいわ今から私がピアノでリストのメフィストワルツを弾くから、誰の演奏か当てて頂戴。玲音、それがあなたの最初のテストよ。 いい、あと4カウントで弾くわ、免罪符はないものと思って、そして外したらあなたは非協力者生徒のリストにのる。」
「非協力者生徒ってなんだ、天音。」
「非協力者生徒はこの学園のカースト制度最下層にあたり。他の生徒の命令を無条件で受け入れる事になります、一度落ちたら這い上がる事はほぼ不可能です。」
「そんな。。。」
そして会長天理天笠はリストのメフィスト・ワルツを弾き始めた。
村上玲音「なんだこの8分音符は表と裏の強弱差が激しくて、跳ねてるように聴こえるぞ。」
天理天笠「♪」
天理天笠「♪♪♪♪」

続く。



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