1021 ユーザーがユーザーを呼ぶ仕組み
我がアナザースカイであるバリ島に毎年行ってるのですが、今年は街でライドシェアサービスの『Gojek』や『Grab』を見ることが増えました。GojekはUberのバイク版、GrabはUberの東南アジア版と考えるとイメージしやすいと思います。両社とも時価総額は1兆円を超えています。
Gojekは数年前にジャカルタで体験して大きな衝撃を受けたのですが、広告宣伝の観点ではドライバーにGojek製の緑色のヘルメットとジャンバーを配っているのが秀逸でした。
ジャカルタでGojekを見たのは2015年ですが、バイクドライバーの7人に1ぐらいがGojekの緑色のヘルメットとジャンバーを着ていました。すごい広告効果。
この『ユーザーがサービスの広告塔になっている』というのはよく見るパターンで、有名所では、伊勢丹のショッピングバッグ。
「あ、この人、伊勢丹で買い物したんだな」というのがわかります。
※引用:https://www.g-mark.org/award/describe/41719
もしくは、スターバックスの店舗。ユーザーというか、店舗そのものが広告塔の役割を果たしています。フラペチーノとか含めると商品もそのまま広告として機能してますね。
引用:https://www.starbucks.co.jp/store/concept/sa/
店舗が広告塔系だとABCクッキングスタジオも、ガラス張りの店舗で中の様子がわかりますね。
引用:https://www.abc-cooking.co.jp/studio/studiolist/studiodetail/?studioID=100000042
BtoBだと受付システムのRECEPTIONISTやACALLも、ユーザー企業の受付が広告塔になってくれるので良いですよね。
あと、ベルフェイスとかも、ユーザー企業がベルフェイスを使えば使うほど、ベルフェイスを目にするユーザーが増えるので、いわゆるネットワーク効果が働き、広告宣伝費が大幅に削減できていると思います。
この「広告宣伝費を大幅に削減できる」というのは、ものすごくパワフルであり、売上に占める広告宣伝費の平均は外食・関連サービス業では5%、化粧品業では10~15%と高いです。ここに対して、上述のような『ユーザーが別のユーザーを連れてきてくれる仕組み』を自社サービスに内包できれば、大幅に広告宣伝費を削減し、大幅に利益を増やすことができます。そして、その利益をサービスレベルの向上や研究開発に投資することができる。結果、より良いサービスをユーザーに提供でき、ユーザーが使い続けてくれるサービスを作れるようになります。※ABCクッキングスタジオは、広告宣伝を一切行わず、会員の紹介のみで新規会員を増やし続けています。
広告宣伝費だけでなく、勘定項目のうち大きな割合を占めるもの(人件費、賃料、材料原価、採用費)のどれかをハックできれば、収益性は大幅に改善でき、サービスレベルを向上させるオプションが手に入ります。
逆に、普通にビジネスをやっていて、収支がトントンのカツカツの状態では、サービスレベルを向上させたり、研究開発に投資するオプションを手に入れるためには、調達(デット/エクイティ)や大きな勇気、英断が必要になります。
ユーザーがユーザーを呼ぶ仕組みを自社サービスに取り入れられないか?は改めて時間を取って考える価値のある問いだと思ったアナザースカイでした。
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