1018 企業のコンテンツ発信はどこまで必要なのか
今日、新規の商談をした方から『メディアで御社の記事をよく読んでいたので、はじめてお会いした感じがしませんでした』と言われた。
どんな考えを持っていて、どんなノウハウがあるのか、コンテンツを通して事前にわかるので検討がスムーズに進めやすい、ということらしい。
一般的には、BtoB商材は商談から受注までのリードタイムが長く、発注前にその会社がやってるセミナーに複数人で参加して、『安心して任せられそうだよね』ってことで、意思決定の参考にしたりすることまである。Web制作会社を選ぶなら、コンペ段階でデザイン案を提出してもらうことまでする。
これほどまでにBtoBの購買は意思決定が慎重に行われる。
その理由は、BtoBの特性である
・複数人、複数役職が検討に関与する
・単価が高い
・情報の非対称が高い
などが影響している。
これがBtoC的な
・自分一人で決められて
・単価が1000円ぐらいで
・情報の対称性が高い
→例えば、食べログで口コミをチェックできる
など、ラーメン屋に行くかどうかなら、当然、意思決定は早くなり、1ヶ月も検討する人はいないだろう。
一方、toCの意思決定でも、転職は
・自分だけでなく、配偶者が検討に関与(もしくは親戚からの評判も考慮
・コストが高い
→金銭的コストもあるし、仕事に費やす時間的コストも含め
・情報の非対称が高い
→転職先の会社の内情は、まだまだ事前にわかりにくい
ため、BtoBのような検討期間の長さになる。
入社する会社の採用オウンドメディアの記事を全部読んだ、とか、10人にOB訪問したなどの話があるのは意思決定前の不安感の高さ、意思決定コストの高さが影響している。
つまり、BtoB商材や転職のように事前の不安感が大きく、意思決定コストが高い商材は、お客さんの視点に立った時に判断・意思決定がしやすくなるため、コンテンツやストーリーの発信が重要になる。
当たり前だけど、ストーリーがあるから、コンテンツがあるから商品が売れるわけではなく、選ぶコストが高い商品の場合は、ストーリーやコンテンツが効果を発揮しやすい、ということ。
例えば、お客さん側の意思決定コストが高そうな戦略コンサルティングファームは、各社、論文を出したり、本を書いたり、セミナーをやったり、いろいろな濃いコンテンツを出してますよね。
一方、コンビニのおにぎりを選ぶのに、製造元のコンテンツは見ないし、ストーリーを調べたりはしない。BtoBでも、世界でその会社しか作れない製品があるなら、コンテンツやストーリーに関係なく、その会社に発注するだろう。
そう考えると、新卒・中途採用をしている企業の99%は採用系のコンテンツを充実させた方が良いのだろうな。意思決定前の不安感が高く、意思決定コストが高いものの最たる例だな。うちの採用サイトはもっと充実させないとな、、と思った商談でした。
※まだまだ情報が不十分ですが、BtoBマーケティングコンサルタントを募集しております!
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