例えば、メールマーケティングは死んだのか 1204
この業界に長くいると、「◯◯は死んだ」「◯◯は終わった」というワード・言説に出会うことがあります。
・メールマーケティングは死んだ
・SNSは死んだ
・ソリューション営業は終わった
・MAの屍
などなど。
しかし、「◯◯は死んだ」と書かれたことが実際に死んだケースをあまり見たことがありません。
例えば、メールは一昔前から「死んだ」「なくなりつつある」「もうすぐ使われなくなる」と言われ続けていますが、最近も何度かメールマーケティングのプロジェクトに関わる限りでは、
・見込み顧客に自社のことを覚えておいてもらい、検討タイミングで思い出してもらう
・メールをきっかけに、いくつかのコンテンツ(記事、ホワイトペーパー、セミナーなど)に触れてもらい、好意度を上げてもらう
・インサイドセールスが架電する時のシグナルに利用する
には汎用性高く使えて、効果が出ています。
また、メールを他のコンテンツへの誘導やインサイドセールスの架電シグナルに使うのではなく、ホリエモンのメルマガやソフトブレーンの宋文洲さんのメルマガのようにメール自体をコンテンツにする方法もあります。前者は月4回配信で、月額864円の有料会員が2万人以上いますし、後者も無料会員が13万人もいるようです。コンテンツ力の高い企業であれば、こちらも汎用性高く効果が出ている印象があります。
当然、スパム的な営業メールを送っていては顧客体験は悪化し、ハウスリストは枯れていく一方。新製品のお知らせやセミナーのお知らせばかり送っていると、たしかに開封率やクリック率は下がっていきます。逆に、ユーザーに役立つ情報であれば、購読者の体験も良く、メールマガジンに対して「次も楽しみにしています!」という返信が生まれることも。
つまり、「◯◯は死んだ」「◯◯の時代は終わった」と言われるようなものの多くは、正確には、「お粗末な◯◯は死んだ」「お粗末な◯◯が通用する時代は終わった」なのではないでしょうか。
例えば、マーケティングのチャネルとして使われるプラットフォーム(Twitter、Facebook、LINE、Googleなど)の初期はハックする要素が多く、質より量が評価される傾向があります(プラットフォーマーが、より多くのプレーヤーをプラットフォームに呼び込もうとするため)。
しかし、遅かれ早かれ、プラットフォーマーは質を重視するようになりますし、プレーヤーが増えるに従い、ユーザーも質が高いものを、より自分にマッチするものを取捨選択するようになります。
その時、初期のボーナス期間は終了し、悪貨が駆逐されるため、「SEOは死んだ」と言われるようなことが起きるのかもしれません。「粗悪なSEOで効果が出る時代は終わった」ということですね。
最近だと「インフルエンサーマーケティングの終焉」という言説を何度か目にしましたが、世界的に見て、インフルエンサーマーケティングへの支出額は増える一方ですよね。これも正確には「粗悪なインフルエンサーマーケティングは死んで、良質なインフルエンサーマーケティングはまだまだこれから伸びまくる!」というフェーズなので、注意が必要です。
もちろん時代の変化はあるので、本当に何かが終わることもありますが、そうでないことも多いので、何が死んだのか、何が終わったのかはWeb記事や書籍を鵜呑みにするのではなく、ちゃんと自分の頭で考えていきたい、という話でした。
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