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チームが共鳴する場を生み出すディレクターになる為に

新米ディレクターのコウタです。

...新米どころか、まだ苗を植えている、いや、土を耕すところから始めないといけない僕は、正直なところ、まだ「ディレクター」とはなんぞやというイメージを掴み切れていない!

「とりあえず...ディレクションについての本でも探して読んでみるか...」

そんなことを思っていた矢先、大先輩から「呑みに行こう」とお誘いが。いやはや、さすが大先輩です...土を耕すことを手助けしてくれました!

そんなこんなで、僕が大先輩と話して理解したことを、自学のためにも、世の新米ディレクターたちのためにも、思い出しながらもう一度自分で考えてみて、お伝えします。

たくさんのことを話してもらったので、2回に分けてエントリーしようと思います。

それでは、よろしくお願いします!

相互理解と協働により、共鳴場を生み出す

大先輩の話は、「共鳴場」に触れるところから始まりました。

この記事によると、

- イノベーションには必ず、ブレイクスルーが存在する。ブレイクスルーを起こす鍵は「創発」「回遊」

- 下りると決めたら、「土壌の下」まで徹底して下りる。土壌の下まで下りることではじめて、「創発」(Abduction)することができ、新しいパラダイムを見つけられる。そのためには、知を創発する研究者・科学者と知を具現化する技術者・開発者の「共鳴場」を形成することが重要になる。

だといいます(記載した記事を読むと、なんとなく理解できますので、気になる方は目を通してください)。

要するに、共鳴場とは、「知を創発する研究者・科学者」と「知を具現化する技術者・開発者」が語らい、互いのことを理解し、協働する場であり、この営みが、ブレイクスルーを起こす上で非常に重要だというこということでしょう。

つまるところ、この共鳴場を生み出すことこそディレクターに求められる仕事ではないか、ということです。

どういうことか、少し説明してみます。

ディレクターとチームマネジメント

ディレクターの仕事には、プロジェクトの進行管理や企画、チームとのコミュニケーションを促進することなど、様々なものがあります。

それらを、ざっくりとまとめて一言でいうのならば、「チームマネジメント」ではないかと思っています。

ディレクターはチームマネジャーとして、シナジー効果が生まれる状態、より生産性の高い仕事(= 少ない資源投入量で、大きな成果を生み出す)ができるよう状態を作りだす必要があります。

ピーター・ドラッカーによると、二つあるマネジメントの役割のうち、第一の役割について、

部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。それは、オーケストラの指揮者に似ている。オーケストラでは、指揮者の行動、ビジョン、指導力を通じて、各パートが統合され、生きた音楽となる。したがってマネジャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強み発揮させると共に、あらゆる弱みを消さなければならない、これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。

と述べています。(まさに共鳴ではないでしょうか)

文章中のどこをとっても、大切なのですが、特に、「自らの資源、特に人的資源のあらゆる強み発揮させると共に、あらゆる弱みを消さなければならない」というのは、チームを組んで仕事をする上で、見逃すことはできない部分です。

ちなみに合わせて観ると面白いと思うので、あとでこの動画をどうぞ。

ディレクターとしての第一歩

ここまできた時に、チームメンバー(人的資源)を「理解する」ことを、ディレクターとしてまず行うべきだと考えられます。

もう少し具体的にいうと、「それぞれの性質を理解する」ことが必要不可欠だと思います。クリエイターと働くのであれば、ディレクターとして、クリエイターを活かすことが求められますし、その為にはクリエイターという人間の性質についてしっかり理解することが必要です。

これは、ディレクターとして仕事をする上でも、共に働くひとりの人間としても、絶対に蔑ろにしてはいけないと思います(実際、難しかったりするのですが...)。

そして、理解が、共鳴へとチームを導くのではないでしょうか。

新米ディレクターは、まずそこから取り組み始め、ずっと取り組み続けることになると、考えています。

ディレクターは、「横や上」へ

もちろん、チームメンバーを理解するだけでは十分ではありません。

ディレクターには、横に広げたり、上に芽吹かせる役割があります。僕の中では、「横へ」とは、縦割りになっている各分野をつなぐ、内と外をつなぐ...「つなぐ」イメージです。

では、「上に芽吹かせる」とは何かというと、クリエイターたちが掘り進んで発見した「新素材」を、多くの人に価値のあるプロダクトになるまで持って行き、世の中に公開することで「既知」にすることだと思っています。

つまり、プロジェクトの進行管理をすることの他、ディレクターの仕事の重要な一側面として、

- 分野間をクリエイター同士のコラボレーションを促進して、横断させること
- クリエイターたちが、情熱を燃やして、持っているクリエイティビティを余すことなく発揮できるように、はからうこと

があり、いわば架け橋となることが求められます。ひとりひとりのクリエイターを理解し、彼らの強みを掛け合わせ、創発する(共鳴する?)場を生み出すのです。

それではクリエイターとは、一体何者なのでしょうか?

クリエイターは「下へ、下へ」

これに対し、クリエイターは、「研究者的性質」を持っていると、現時点では考えています。

皆さんは研究者に会ったことがありますか?あるいは、研究者と一緒に働いたことがありますか?僕はあります。一人だけなので、数は多くないですが、研究者の横で働いてきました。

その経験から思うのは、研究者はとにかく、未知のことを明らかにすることに情熱があるということです。興味関心の強い分野を下へ、深く、深く掘り下げていくことをします。

最初にも書いたように、クリエイターは、この「研究者的性質」を持っています。クリエイターが情熱を燃やしているのは、世の中にまだない、新しい、面白いものを生み出すことです。

「知を具現化する人」という意味では、技術者、開発者的な存在かもしれませんが、クリエイターたちは、それぞれの分野でゴリゴリと下へ掘り進んで行くのです。その意味でかなり研究者的だと思います。

(次のエントリーに続く)

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