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大切にするから、大切なものになる。

季節の移り変わりを感じられるというのは、日常の中にある、当たり前の大切さに気づく一つの要素だと思う。

春は桜を見て、夏は海に行き、秋には紅葉、冬は雪。

”四季折々の美しさ”とは言ったものだなと感じる。

僕がワーホリの2年間を過ごしたブリスベンは、1年を通して暖かい日が多い。冬は寒いけれど、日本のそれほどではない。(ウルトラダウンあればOKくらい)

オーストラリアには暖かいイメージが強かったから、ブリスベンの冬の意外な寒さにはびっくりしたけれど、日本ほど明確な四季を感じる事はなかった。

日本の梅雨のような季節はあるけれど、夏が終わったらなんだか急に寒いし、冬が終わったら急に暑い。服装が悩ましい日が多くなる。

その代わり、と言っては語弊があるかもしれないけれど、ブリスベンは空が広かった。ブリスベンの中心部は高いビルも多いけれど、広い川がドンっと流れているせいか、開放感が気持ち良い。

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それに引き換え、今住んでいるメルボルンの中心部は東京のような感じがする。工事中のビルがひしめき合って、空を隠しているような。

でもその代わりに、四季がある。南半球にあるオーストラリアは、日本と季節が逆だから今は冬に向かっていく途中。

だから、今ここには秋がある。
ブリスベンではあまり感じる事ができなった秋がある。

同じオーストラリアなのに、ちょっと不思議な感じがするんだ。

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日本では当たり前のようにあった秋も、こっちで感じるとちょっと特別な気がする。なんだかこの特別は、大切にしなければいけない気がした。

この感覚は、特別だから大切にする!じゃなくて、大切なものだから特別なんだって事を実感させてくれる。

と同時に僕ら人間は、そんな大切なものを、どうしていつだって失ってから気づくんだろうと不思議になる。

失う前に、これって大切なのかもしれないって気付きたい。

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あとになって”気づけたものだから”、大切なものっていう考え方もあるかもしれない。だけど、僕は後から思うんじゃなくて、今思いたい。

カメラを構えていると、当たり前に過ぎていく事に気がつけるような気がする。大切なものに今、気がつくためには、毎日を意識するしかないと思う。

過ぎていく時間を大切に過ごす。大切に過ごすというのは、1秒1秒に意識を向ける事だと思う。

カメラのシャッターを切らなくても、ファイダーを覗かなくても、心にシャッターを持つ事はきっと誰にも出来る。

秋の落ち葉をファインダー越しに見ていると、カメラには写らない、何か目の前に落ちている大切なものにレンズを向けているような気がしてくる。

当たり前でなんとも思っていなかった季節の移り変わりに気がつけたのだから、きっと他にも落ちている、すでに大切なものにも目を向けられる気がする。

失う前に、後悔する前に、気づけることは気づきたい。

そして、ちゃんと大切にして、ちゃんと大切なものにしていきたい。

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こーた

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