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院卒のエンジニア就活について(就活の記録)

今情報系のM1なのですがエンジニアとしての就活の雰囲気をまとめておきます。正直院卒であっても研究職に就く人の方が少なく、情報系の院生は何かしらのエンジニアとして就職する人が多いのではないかと思います。院卒でのエンジニア就活は色々思い悩む節があったのでいつか誰かの役に立つといいなという気持ちで書いています。
本当は就活サイトの招待リンクを貼りまくろうと思っていたのですが、サポーターズ以外退会しちゃったのでそれだけ貼っときます。頑張って5000文字ぐらい書いたので25卒の方は是非登録していただけると嬉しいです。
サポーターズの方は開発経験を書く必要がありますが、無いあなたも心配ないです。今から数日で何かしら作ってから登録すればいいのですから。(圧)

エンジニアの職種について

まず、エンジニア就活をする上で初めに、エンジニアといっても様々なエンジニアが存在することを知る必要があります。今回は主にハードウェアプログラミング(マイコンとか)を通らなかった情報系学生が就くであろう2つのエンジニア職種を紹介します。

SWE

スマートフォン・ブラウザ・ハードウェアなどで動作するアプリケーションの設計・開発を行う人たちです。あらかじめ作るもの(自社サービスなど)が決まっていて、それをどう開発していくかを考え、実際にコーディングまで行う職業です。服装や勤務時間の面ではお客さんに合わせて動くSEよりも先に作るものが決まっているSWEの方が自由な印象があります。よくネット広告で見かける離島とか田舎でPCカタカタしてるのはSWEの可能性が高いです。テレワークできる企業も多いと思います。

SE

お客さんがいて、そのお客さんが作りたいものをヒヤリングし、どういったものをどのように作れば良いかを考え、仕事の切り出しを行う職業で一般にコーディングの機会はSWEよりも少ないとされています。
クライアントワークの側面が強いので服装などはSWEよりもきっちりしてることが多いと思います。こちらについてもコロナ禍をきっかけにNTTグループを筆頭にテレワークできる企業も多いと思います。

待遇としてはどっちも同じぐらいで、結局どの会社に属するかだと思います。SWEは外資系企業やメルカリ・スマートニュースなどが、SEはNRIや日本IBMなどが定番の高給企業なのではないでしょうか。
幸いなことにエンジニアは自分の待遇を積極的に公開する生き物なので、OpenworkOpenSalaryなどを覗いてみるといいと思います。

各業種の就活の特徴

どっちが向いているかわからない方は両方のインターンに行くことをお勧めします。

共通点

・インターンからの囲い込みが激しい
悪いことは言わないので、いきたい企業があったら絶対にインターンに行ってください。いい企業・人気の企業ほどインターンから学生を囲い込んでます。ただ、一般にインターンの選考の方が本選考より厳しいのでインターンに落ちたからといって絶望する必要はないです。

SWE

・コードを書ける人が重宝される
学生のうちからハッカソンに出たり企業で開発のアルバイトしてたりするコードを書いている人が重宝されます。インターンや本選考でコーディングテストがある企業も少なくないです。ただ、あくまでコーディングに対してのポテンシャルさえあればアプリを作ったことがなくても採用されると思います。

・学歴はあまり見られない
一部の企業を除き、学歴を重視されることはありません。その代わりにコーディング力とCSの基本的な知識が重視されます。

SE

・ポテンシャル採用
基本的に入社時に多くのITスキルが求められることはないため、SWEよりも学歴重視っぽくなりがちです。スキル面でのアピールが難しいためインターン・本選考ともにSPIとESが重要になってきます。

・大量採用
SEを雇う企業はSWEを雇う企業よりも大きいので採用人数が多いです。(だからと言って簡単なわけではありませんが)

企業の特徴

SWEを雇う企業

代表的な企業としてはDeNA・サイバーエージェントなどのメガベンチャーやSansan・ラクスルなどのミドルベンチャーが挙げられます。
基本的にスキルで給与を決める風潮が強く、新卒であっても500万以上の年俸を提示する企業も少なくなく、昇給もスキルに基づくため速い昇給も見込めます。その代わり新卒の場合は30後半~40代で年収が700~1000万程度で頭打ちになる企業が多いイメージです。
また、人材の入れ替わりが激しいため、平均勤続年数が3~10年で新卒:中途の比率が2:8~4:6ぐらいであることが多いです。

SEを雇う企業

代表的な企業としては富士通・NTTグループ各社・NEC・NRIなどが挙げられます。
基本的に横並びの年功序列を採用している企業が多いです。最近はスキル基準の給与体系への変更を目指しているようですが、ベテランの社員さんが多いのでなかなかうまくいかないらしいです。
基本的に新卒から終身雇用の会社が多いので社員さんの平均年齢はSWEの企業よりも高いことが多いです。
組織が巨大なので部署ガチャの影響がSWEの企業よりも大きいため注意が必要です。

企業を比較する上での注意点

・一般にSWEの企業の方が平均年齢が10歳程度低いことが多いため、年収などを比較する際に考慮する必要がある。同じ金額でも平均年齢が低い企業の方が生涯賃金は高い。
・企業の成長の可能性・成長速度
・転勤や勤務地、リモートワークの有無

身の上話

ここまでエンジニアの一般知識をつらつらと書いてきましたが、ここからは自分の就活も交えつつどのようなスケジュールを送ったかを書きます。

  1. 授業外のプログラミングの開始(B1冬)
    競技プログラミングに興味を持ち友人と一緒に始めました。
    友人も自分とちょうど同じぐらいのレート推移だったので競いつつプログラミングするようになりました。(その後萎えてやめましたが)

  2. プログラミング学習支援のアルバイトの開始(B2秋)
    授業外のプログラミングの姿勢を評価していただくことができ、プログラミング学習支援のアルバイトに採用していただけました。自分がコードを書くSWEをキャリアとして考え始めたのは、ここでエンジニアの働き方に触れたことが大きいです。本当に paiza さんには頭が上がりません。ほんとに。

  3. 開発系のプログラミングに触れる(B3夏)
    元々院進するか迷っていたので B3の夏にインターンに行ってどちらにも転がれるようにしておこうという気持ちでインターンの選考を受けていました。この頃はエンジニアの職種は特に考えていませんでしたが、主にコードを書く系のインターンを受けて、その選考過程でちょっとしたアプリ開発を求められたため勉強しました。
    結果的にはコードを書くようなインターンには受からなかったものの、1社(A社)プロトタイプ開発の有給インターンに行くことができました。
    また、その経験を活かそうということで競プロ一緒にやってた友達とハッカソンに出たりしました。(就活のいい話のタネになりました)

  4. 院試(4年夏)
    GPAは壊滅していたのですが、奇跡的に推薦を取ることができた(おそらく専攻内最下位レベル)ので院試を受け、無事合格しました。

  5. 業務プログラミングに触れる(B4冬)
    友人から紹介をいただき開発系のプログラミングのアルバイトの紹介をいただき、テレワークで働かせていただきました。既に開発された膨大なコードに入っていくことの難しさ・オンラインでのコミュニケーションの難しさをとても感じました。結果的に研究との兼ね合いやコミュニケーションがうまくいかずに数ヶ月で離れることになりました。本当に申し訳なく思っています。自分以外の学生は本当に全員ゴリゴリに開発できる人たちでとても刺激になると同時に自分の力不足を感じました。これを機に新卒で入る会社は出社でコミュニケーションが取れる会社がいいと思うようになりました。

  6. インターン逆求人イベント(M1春)
    高校時代の学部卒でエンジニア就職した友人に紹介を受けサポーターズの選抜型逆求人イベントに参加しました。そこでメガベンチャー1社(B社)から長期インターンのお誘いを、ミドルベンチャー1社(C社)からインターンの選考一部免除をいただくことができました。

  7. インターン選考(M1夏)
    逆求人イベントで面談した会社を中心に数社インターンの選考を受け、2社通過(B,C社)で4社(コーディングテスト1,面接1,書類1,SPI1)落ちました。
    SE系の企業も出していたんですが、SPIやESの練度が低く落ちました。先述の通りインターンが選考に直結することが多いのでSE系の人気企業のインターンに参加するためにはこの時点でSPIやESの練度を上げておく必要があると思います。

  8. SWEのインターン参加(M1夏休み)
    C社の1週間の社員さんとの合同ハッカソン型の有給インターンとB社の1か月の有給インターンに参加しました。夏休みなのに土日しか休みがなくて長期休みという感じは全くしませんでした。基本的に労働が好きではないのできつかったでしたが、まあ選考の優遇とお金もらえるならええか…という気持ちで耐えました。おかげでM2MacbookAirとiPhone13miniを買うことができました。インターンで接した社員さん全員がすごくいい人で一緒に働きたいと思える人たちばかりでした。

  9. SEのインターン参加(M1冬休み)
    SEを募集している2社のインターンに参加しました。一方は技術職による顧客からのヒヤリングと用件定義体験、もう一方はちょっとした開発をするインターンでした。
    やはりSE系の企業は扱う事業の規模が大きく話を聞いていてとても面白かったですが、やはりSWEのインターンよりも硬い雰囲気を感じました。また、大規模ゆえに業務における文章作成や会議の占める割合が高そうな印象を持ちました。このインターンで自分がSEよりもSWE向きなのではないかと自覚しました。

  10. 本選考(M1秋冬)
    ありがたいことにインターン中の振る舞いを評価していただくことができ、A社は1次免除、B,C社は最終面接スタートで本選考に参加させていただけることになりました。最終的に自分はB社の内定を承諾しました。
    もっと多くの会社から内定を頂いてから承諾しようか迷いましたが、自分の中でSEよりもSWEとしてキャリアを始めたいという気持ちと、正直自分の今のスキルではB社よりいいところの内定は厳しいという自覚があったので内定を承諾しました。

    A,B,C社以外にも外資系や国内企業をいくつか受けていましたが、選考途中で落ちたり辞退したりしました。

で、結局学部卒と比べた時の院卒のアドバンテージって何

個人的に院進して良かった点は次の4点だと思います。

  • 就活が有利になる
    学部3,4年という大学の中でも卒研を始めとした勉学が濃い時期の話を就活で話せるため、単純に学部卒と比べて話題にできる時期が倍になる上、プログラミングスキルやCS知識について学年を重ねるごとに理解が深まると思うので学部卒の方よりも倍以上濃い話ができると思います。
    また、修士の方を「学部卒よりも思考力がある人」と見てくれる企業は多いと思います。

  • 自分を見つめ直せる
    大学に入って2年で自分のやりたいこととそれに基づいた就職先を決めるのは難しいと思います。理系は学部の内容が仕事に直結することが多いため自分の興味関心がそのまま仕事になる可能性が文系の方よりも高いです。そのため、仕事選びには慎重になる必要があると思います。進学にともなう日頃の勉強や研究を通して自分がしたいことの確度が上がったと思います。

  • モラトリアムを楽しめる(?)
    不純な動機ですが、間違いなく社会人よりは自由な時間があります。(金はありませんが)

  • 勉学にけじめがつく
    学部の頃以上に研究者の頭の良さがわかるようになり、民間企業で働いて生きていく決意がつきます。また、自分の成果を形にする機会を得ることで区切りがつきます。(例外あり)

裏を返せば、これら4点が学部の時点で満たされている、次のような方は院進せずに学部で就活した方が良いと思います。

  • 学部の就活の時点で修士卒に負けないような話せることがある or 志望業界が学歴を重視していない

  • やりたいことが決まっている

  • 早く働いて金を稼ぎたい

  • 勉強したくない

まあ、今時は転職も盛んですからやりたいことと仕事が違ってもそこまで失望しなくてもいいと思います。

ここまでをまとめて自分の就活と院進については、次のように思っています。

  • 正直内定先にSWEとして入るぶんにはあまり学歴は関係ないが、まああって損するものではなく入社後の昇進などにどのような影響を及ぼすかは明らかではないためどちらが良かったという強い肯定も後悔もない。周囲もなんだかんだで修士卒の方が結構いた。

  • 院進によって生まれた時間の分、職業選択の納得度はまあまあ高くなったのではないかと思う。

  • 以前はそこまで強くエンジニアを志望しているわけではなかったため学部卒の時点でB社に入れていたかというとそれは高確率で No なので結果的に院進して良かったとは思う。

終わりに

院進や就活の決断の手伝いになれば幸いです。
25卒の方がいらっしゃいましたら、記事料だと思って以下の就活サイトに登録して一緒にお金をもらっていただけると嬉しいです。
僕も実際に使っていたサイトなので良さは保証します。

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