高校生の夏、彼女は帰る場所を手放した
きっといつか必要になるだろう。
彼女の精神衛生のためか、僕の潔白の証明のためか、その日にならないと分からないけれど。
僕は使っていないノートを取り出し、日記をつけることにした。
・2019. 08. 02 (金)
ひどい一日だった。
仕事から帰ってきて食事を済ませたころ、インターホンが鳴った。
まだ何も知らないおれはアマゾンで買ったゲームソフトがようやく届いたかと、覗き窓から外を確認せずに玄関扉を開いた。
初めて見る彼女はすがるような目でおれを見ていて、驚きのあ