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君と僕との酸欠日記

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高校生の夏、彼女は帰る場所の定義について考えた。人が苦手で息苦しく感じている社会人男性との話。更新停止中。
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#生き方

明日が来るまであと百時間

悲しみに沈む夜、それは永遠だった。 指の数までしか物事を数えられなかったあの頃、大きな数…

幸村  柊
4年前
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叫ぶ秒針と沈黙の箱

全く食欲が湧かない。 彼女の胃袋がどのくらいの大きさなのかは知らないが、少なくともおれは…

幸村  柊
4年前
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しろくまくんには苦労をかけるよ

ニトリに来るのなんていつぶりだろうか。NクールとNウォームの寝具を揃えたのは社会人になった…

幸村  柊
4年前
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魔法のカードは僕名義

(あらすじ)玄関扉を開けると見知らぬ女子高生が立っていた。話を聞くと、彼女は遠い親戚で、…

幸村  柊
4年前
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きっと僕らは幸せにならなくたっていい。 #幸せをテーマに書いてみよう

「君たちは幸せを切り取るのが上手じゃないか、ほら、インスタとかって最高だった日々の絵日記…

幸村  柊
4年前
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ふたつの嘘とひとつの覚悟

(あらすじ)玄関扉を開けると見知らぬ女子高生が立っていた。話を聞くと、彼女は遠い親戚で、…

幸村  柊
4年前
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高校生の夏、彼女は帰る場所を手放した

きっといつか必要になるだろう。 彼女の精神衛生のためか、僕の潔白の証明のためか、その日にならないと分からないけれど。 僕は使っていないノートを取り出し、日記をつけることにした。 ・2019. 08. 02 (金) ひどい一日だった。 仕事から帰ってきて食事を済ませたころ、インターホンが鳴った。 まだ何も知らないおれはアマゾンで買ったゲームソフトがようやく届いたかと、覗き窓から外を確認せずに玄関扉を開いた。 初めて見る彼女はすがるような目でおれを見ていて、驚きのあ