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私の脳で起こったこと

※今日の記事は3分程度で読めます

こんにちは、こたろうです😊
今日はこの本を紹介します。

本著は若くして
レビー小体型認知症の診断を受けた
樋口直美さんによって
2015年に書かれた本で、

私は2017年に初めて読みましたが
忘れられない、
衝撃を受けた本でした。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症を
ご存知ですか?

アルツハイマー型認知症の
次に多い認知症で、
ありありとしたリアルな
幻視と

パーキンソン病のような
身体のこわばりや歩行障害を
特徴とします。

著者の樋口さんは40歳を過ぎた
頃から、身体やこころの不調を
自覚され、
50歳でレビー小体型認知症の
診断を受けます。

レビー小体型認知症は
ある種の薬剤に過敏性があり
処方で体調が悪化します。
これ、とても大事です。

樋口さんも、うつ病の
診断で処方された薬で
逆に体調が悪くなって
しまいます。

高齢者と関わりの少ない
皆さんには
あまりなじみのない
病気かもしれませんが

これからますます増える病気
だと思いますので、

知識を持つことで
病気を早期に疑ったり
合わない薬を避けることで
自分や大事な人を守れるかも
しれません。

本の感想

著書は樋口さんの日記や
記録が
詳しくまとめられています。

内科医の私は、
レビー小体型認知症の
患者さんを日々診ています。
病気の特徴はもちろん
知っていました。

しかし、レビー小体型認知症は
高齢発症の方が多い病気なので
患者さん御本人から
体験や感じたことを詳細に、
言葉にして受け取ることは
ほとんどありませんでした。

私が感じた衝撃の正体は、まず

■ある日道端で矢印を見ても
意味が分からない
■知っているはずの言葉が
見知らぬ単語に聞こえる
■リアルな幻視の詳細

といった、あまりにも生々しい
認知症症状の描写でした。

特に幻視は、体験そのものが
恐怖であると同時に、
疾患が悪くなっていく、
自分が正常ではなくなっていく
象徴として何度も語られ、

ただそこに「見えているだけ」の
虫の幻視に、どれだけ患者さんが
苦しみ、
絶望的な想いをされているのか、
という心情が書かれていました。

そして、もう一つの衝撃は、
これだけ毎日のように
患者さんを診ていた私が
分かったようなつもりに
なっていただけで、

患者さんがこんな想いを
していることを
きちんと想像出来て
いなかったことです。

認知症の患者さんは
こんなことを考えたり
悩んだりするものではない、
という、
後述するような思い込みや
偏見が、
私にもあったのだと思います。

認知症の患者さんへの偏見

疾患そのものに加え、
周囲や医療者の無理解や
心無い言葉に傷つけられている
苦しみについても
樋口さんは語られています。

「認知症なのに話せるんですか?」
というような言葉をあちこちで
何度も聞いたそうです。

『認知症』と診断され、
レッテルを貼られることで
急に人格のない
迷惑を掛ける存在とされてしまう。

そんな悲しみを、樋口さんは語ります。

樋口さんの今

本日の内容のように
私たちは認知症の患者さんを
外からみることはあっても

当事者の戸惑い、悲しみ、
孤独を知る機会は
なかなかありません。

進行することの多い
レビー小体型認知症ですが、
樋口さんは2021年7月現在も

認知症について
多くの人に知ってもらうための
活躍を続けておられます。

昨年出版された、
『誤作動する脳』についても
機会があればまた
改めて紹介させて頂こうと
思っています。

まとめ

樋口直美さんが経験された
レビー小体型認知症の
闘病記録が書かれた本を
紹介しました。

認知症の当事者が
どんな想いで
過ごしているのか。

それを考える
ヒントになる
稀有な本だと
思います。

最後までお読み下さり
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