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小説 「私を 想って」

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高校二年生の鮎沢鞠毛(あゆさわ まりも)は自分の名前について悩んでいた。 でも、不器用な性格もあって相談できる友達はいない。   父、正臣(まさおみ)の再婚相手の涼花(りょうか)…
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#最終話

私を 想って 最終話

私を 想って 最終話

「お茶でも飲みましょうか」
 涼花さんがリビングにお茶の用意をしてくれた。三人で静かにお茶を飲む。なんだか照れくさいような変な感じがするけど、ホッとした気持ちもある。

「あらためて、お誕生日おめでとう」

 父と涼花さんから、誕生日プレゼントとして、ハーブの絵が描いてあるハンカチをもらった。可愛くて嬉しくてもったいなくて使えないな、と思った。

「それから、これも」

 父が四角い缶をテーブルに

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