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訪問看護事例:COPD患者の療養支援-段階に応じた看護

ケアマネージャーさんたちと訪問看護の活用を考えるために実施した勉強会で用いた事例です。※生パワーポイントのダウンロードだけ有料にさせて頂きます。

COPD患者の療養支援 ~段階に応じた看護の提供~

利用者プロフィール

 H氏  90代、男性
診 断 名 :慢性閉塞性肺疾患(COPD)、再発性気胸、廃用症候群
介護認定:要介護4
家族構成:長男、嫁、孫と同居。長男は普段同一敷地内の建物に居住
主介護者:日中の食事の介護などを行い、夜間もワイヤレスの呼び鈴により必要時呼び出しを受けている)
生活暦: ~~生まれ。軍人として満州にて生活。その後肺病(年月・病名不明)に罹患し帰国。 20歳〜74歳までタバコを20本/日すっていた。 2004年に気胸(合計5回入院)、2006年にCOPDの診断を受け、2013年に肺炎にて入院(HOT:在宅酸素療法 導入)。 度重なる入院でADL低下し、寝たきりになった。 


訪問開始までの経過

 通院困難のため2014.10月noteクリニックにて訪問診療開始。2014.11月に38度の熱発。肺炎の診断となり、抗生剤投与目的で訪問看護に点滴指示が出て、訪問開始。

初回訪問時

本人の思い:苦しい。病院には行きたく無い。
家族の思い:このまま亡くなる事も覚悟している。
医師の説明:肺予備機能、年齢的に予後はよくない。治癒しても肺炎を繰り返して衰弱していくだろう。
看護師のアセスメント:医師の指示通りの薬剤投与が必要。肺炎であり咳嗽見られるため、体位ドレナージなどにより自己喀痰を促す必要がある。また、ADL低下による褥瘡発生も考えられるため本人の体調を見つつ褥瘡予防・観察が必要である。

肺炎治癒

2014/11/5~2014/11/15点滴投与。11/15に医師の診察で肺炎治癒となった。2014/11/15~肺炎・褥瘡・便秘予防目的で週2回の訪問看護導入。
肺炎予防:体位ドレナージの実施。医師と相談し酸素流量調整。
褥瘡予防:体位変換、褥瘡好発部位にポリウレタンフィルムの貼付。(表皮剥離認められたが治癒)
便秘予防:長男へ食事内容、水分摂取について指導。清潔な便処置について教育。長男が誤った方法で摘便を実施していたため、看護師を呼ぶように指導。2014/12/1~全身状態安定したため体力向上・褥瘡予防・ADL向上目的でリハビリテーション開始。
リハビリ内容:座位訓練、下肢筋力向上トレーニング(ベッド上)、呼吸筋ストレッチ、竹刀を用いた運動(剣道経験あり、竹刀を本人が持っていた)を実施。2015/2月ADL向上し、座位・ベッド上の移動軽介助にて可。上着の着脱自立。本人から「桜を見たい」と希望聞かれる。

桜をみる

2015/4リクライニング車椅子にて外出した。
現在までの経過まとめ:肺炎:発症なし
呼吸状態:SpO2安静時99%、労作時92%。口すぼめ呼吸など呼吸困難時の対応出来る。
褥瘡:訪問看護導入直後に表皮剥離認められたが治癒。その後褥瘡発生なく経過。
便秘:浣腸や摘便などの処置をせずに2日に1回程度の排便が見られる様になった。
リハビリテーション:寝たきりからリクライニング車椅子にて外出できるようになるまでADL向上した。

まとめ


身体状況にあわせて病状管理や予防、ADL向上と段階を追って看護介入が出来たケースと考える。本人の希望をふまえてリハビリプログラムを組む事で、実現する事が出来た。本が好きな患者のために本を持参したり、「どんな事がしたいか?」を聞いたりする事で信頼関係を構築でき、本人の希望に沿ったケアが実施出来たと考える。今後も、患者の人生に寄り添っていけるケアを続けて行きたいと考える。

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