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男3人生活4日目:風になりたい

8月23日(日)AM 5:30。長男トムセープが最近覚えた歌を朝から元氣に熱唱していた。

「てん〜ごくじゃなくても〜らく〜えんじゃなくても〜」

「あなたにあっえったしっあっわっせ〜!」

「かんじてえええええかぜにいいなりいいたくないいいい!」

ん?なりたくない?眠気まなこをこすりながら、「なんで風になりたくないの?」朝から問いを投げかけてみると、

「だって、風になったら、口がなくなるからゴハンが食べられないでしょ?ポーさん(私)にも会えないし、メーさん(嫁)にも会えない。のどがかわいてもなーんんも飲めないし、息もできないから、や!」

実におもしろい男である。

ゆとりがもたらす効果

昨日(男3人生活3日目)はかなりの試練な1日だったので、今日はゆっくり家のまわりで過ごそう。そう決意したので、朝からゆったりとした時間をもつことに。

朝ごはんは定番メニューと化してきたポーさんおにぎり(これ、子どもがめちゃくちゃ喜ぶから今度作り方のせよう)に、今日は味の母で整えた卵焼きとソーセージに、手作り梅シロップのジュースをつけてあげると、非常に効果てきめんであった。

洗い物をしていると、どこかに出かけていった2人。ちょっとしたら

「ポーーーー!!!!!」

と私を呼ぶ声が。なんだなんだと玄関を開けると、畑でとれたトマトを丸かじっている2人の少年の姿がありました。普段、山で生活している彼らは、少しでも赤く実ったトマト、大きくなったゴーヤ、にょきにょきのオクラなどを見つけると<ニヤニヤした顔>でご馳走にありつくわけです。ちゃんと見分けができる4歳と2歳、我が子ながら逞しいなと嬉しくなる瞬間。

買い出しのため、山陰が誇る地元寄り添い型のスーパー キヌヤ へ。ゴーヤが採れたので、チャンプルーにする食材と、長男リクエストの冷やし中華の食材を調達し、店を出るとまさかのゲリラ豪雨。でも、いつも山で過ごしている2人の少年たちにとっては「雨に濡れる」という行為が非常にポジティブなわけです。そして日常的に長靴を履いているので「雨だー🎵」と飛び出しては水たまりにダイブしていくんですね。そんな姿にも、非常に嬉しくなるわけです。

お昼は残り物をつかったチャーハンを食べて、次男ラープは寝かしつけに。必殺の耳クリクリと背中針(これも今度紹介しよう)を使って、2分で落ちたラープくん。結果、2時間以上寝てとてもスッキリしていたラープですが、その時間は一緒に寝ることなく、長男トムセープとの時間に費やしました。(トムセープは休日は寝なくても体力的にもつこともありながら)月1程度でポーさんと2人きりの時間を堪能することで、「ポーとの濃密時間ストック」が増え、それがトムセープの気持ちの安定に繋がるのです。

結構、これは我が家にとっては大事なことで、この「濃密タイム」がないと、次男ラープへのあたりが強くなったり、ぐずりの頻度が増えたりするので、定期的にタイミングを見つけてその時間を意識的にとっています。

ラープが起きたのがPM3:00頃。この時期、津和野ではSLが走り出すんですね。線路近くまで近寄れる場所もたくさんあるので、てっちゃんたちがこんなとこにもいるの?というぐらい、押し寄せる時期でもあります。そのSLが川で遊びながら見られるスポットがあるので、2人に行ってみる?と聞いたら即答で「行く!」

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まじで汽笛はうるさいし、黒煙、半端ないです。でも、一度は乗ってみたいとおもうしSLがこの距離で見られると結構テンション上がる。

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なんてことない川なんだけれど、次男の手を引いてあげる長男の姿。でも自分のサンダルが脱げて流れると泣きそうになったり(ポーさん結構下流まで取りにいきましたw)。石ポン(石投げ)してケラケラ笑ったり。

今日のゆとりやばい。

心や時間に余裕があるってすごく大事ですね。すごく在り来たりだけれど、「幸福感の充実」がとんでもないですわ。

I feel happy ってより、just happy、そこに幸せは在るって感じで、もう終始笑顔でした。

そんな気分なので、晩御飯の冷やし中華に「トムセープはきゅうりいらん!」とか言われてもそうだよね、今日はいらんのよねってなるわけです。非常に心楽に共感ができる。これが「きゅうり食べや!」となると、お互いにまたギリギリの攻防が始まってしまうわけで、これまたゆとりの効果だわと。

いつもいってる山の代表がオンラインイベントに出るんで、そのイベントを3人で拝聴。「まゆみさんだ〜」とか言いながら、2分で飽きて釣りごっこにいそしむ2人。一緒に遊びながらも、半分拝聴の自分の耳に飛び込んできたのが

「自然な場所で学べること。それは、自然の中での体験だけじゃなくて、人との自然な関係を学べること。」

あれ、これ、今日1日感じていたことを言語化してくれたな、と腹落ちした瞬間だった。

しあわせを感じるのは、そよ風を頬に感じることと似ている。とても気持ちよいのだ。

天国でも楽園でもなくても、あなたに会えた幸せを感じて、風になりたいと行った宮澤さんの氣持ちが、今ならよく分かる。(勝手な解釈で)

幸せを感じたら、次は自分がその幸せのgiver=風、となっていきたい、とポーさんは感じました。

ときは寝かしつけに。

「ねえトムセープ、ポーさん今日ずーーーっと幸せな気分だったんよ。でね、あの歌あるやん?天国の歌。ポーさんはやっぱり風になってみたいなって思ったんよ。幸せを届けられる風に。」

「でもポーさん、風は口がないから、しゃべれんよ?」

「しゃべれなくても、幸せを感じさせることができるんよ、風には」

「ポーさん、いましあわせ?」

「うん、しあわせだよ。」

「ポーさんは、ポーさん!風は、風!トムセープは、トムセープ!それでいいの!おやすみ!」

ハッ!!!…そうだよね。自分は自分。自分でしっかり選択して、風にならなくっても、たくさん幸せ撒いていけばいいよね。

そんな気づきを与えてくれた長男トムセープに、ありがとう。ラープは昼寝たくさんしたからまだまだ寝そうにないけれど、君はもう寝てしまったね。

でも、ポーさん、やっぱり一回だけでも風になってみたいなぁ。

good night.


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