【小休止】好きな本(2)海外小説編
今日から数日なぞのロックダウン緩和@バングラデシュで、チームはオフィス出勤のもよう。と言いつつ、来週からまたバングラデシュのロックダウンが続きそうなので、好きな本紹介第2弾です。
最近になって海外小説も読むようになりました。海外留学・ビジネスを通じて、国は違えど結局同じだよなというポイントがあったり、逆に全く異なる生活が身に染みて感じられ、本の内容をよりリアルに想像できるようになった気がします。
1. 「日はまた昇る」アーネスト・ヘミングウェイ
留学先がスペイン(バルセロナ)だったこともあり、書かれている街や人の感じが懐かしい。パンプローナ自体は行けずじまいだったけれど、祭(闘牛)への熱狂は十分に想像できます。
日がな一日、カフェで待ちいく人を見つめる、そういう長期旅行ならではの時間の使い方が贅沢。
2. 「大聖堂」 レイモンド・カーヴァ―
短編集。アメリカの富裕でない人の普通の暮らしを切り取った本。表題作の「大聖堂」は、普段だらけた男が大聖堂を盲目の人にどう説明するか考えている話。シンプルな表現に、所々人間のずるい、汚いところが見え隠れするトーンを気に入っています。
3. 「サーカスの息子」 ジョン・アーヴィング
ジョン・アーヴィングの本は「ガープの世界」「ホテル・ニューハンプシャー」も含めて全部気に入っています。
とにかく長い、読みながらどこに連れていかれるか分からない、非現実的なエピソードの連続な癖に全体は現実的で登場人物の個性が際立つ、それでいて「いいもの読んだな」という謎の満足至極な読後感。
4. 「シッダールタ」 ヘルマン・ヘッセ
読んでいて申し訳なくなるくらいストイックな主人公が悟りの境地に至るまでの話。姿勢を正したくなる時に読むべき本と思います。
5. 「自由の牢獄」 ミヒャエル・エンデ
これと、「鏡のなかの鏡」も合わせて、大人向けという印象。どの話も輪廻転生、というか、同じところをグルグル永遠に回る… という不思議な感覚です。話自体より、その話を読む行為を楽しむ本?といった位置づけ。
6. 「アルケミスト」パウロ・コエーリョ
有名な本ですね。「星の王子様」、(上記の)「シッダールタ」的な要素のある、羊飼いの少年が本当に大事なものを探しに行く話。
7. 「さすらう者たち」 イーユン・リー
中国出身の作家の本で、人物描写がめちゃくちゃ細かい。なので、頁数の割に時間軸がすごくゆっくり。
文革期に処刑された女性を中心に、ある土地に住む人々(老若男女)の人生を書く本。中国の村の雰囲気を想像しながら、時に「こういう反応、日本にはないよな」という圧倒的な違いを楽しみながら読む。
8. 「体の贈り物」 レベッカ・ブラウン
こちらは、アメリカが舞台の短編集。はじめて柴田元幸氏の訳本を読んだがすごく読みやすくて一気に好きになった。
エイズ患者の末期に寄り添うケアワーカーの話で、対象に踏み込みすぎず、でも(本当はしないだろう)ホスピス訪問を「自分がその人に会いたいから、する」と判断したり、温かい。アメリカの人ってこういう物の考え方をするのか…というのが、じわり伝わってくる。
9. 「神曲」 ダンテ
これを小説と言って良いのかは定かでないですが、初めて文章をきれい、と感じた本。確か天国編にあった、「ロウソクが幾つもあつまって一つの温かさを作る」みたいな表現が妙に記憶に残っています。(忘れているけど、、)
10. 「フィフティ・ピープル」 チョン・セラン
韓国の作家の、割と最近の本。色んな人の一日の話に、他の章の主人公が少しずつ入り混じっている(映画でいうとラブ・アクチュアリー的な)。そして最後にすっと、一つにまとまる(=一堂に会す)。
これを読むと、政治絡みで色々ありつつも、一般の人の通常の考え方は対して日本と変わらないな、と思えます。これに限らず、偏った考え方していないか?というときに、海外作家の書いた文章を読むのは重要と思います。
それでは!