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波乱だった過去【14:自殺未遂】

シンナーでボロボロだった17歳のある日
私は親友だと思っていた
中学からの友達に裏切られた



そのショックと悔しさで
彼に話を聴いて欲しくて連絡をしても
当時は携帯もなく
パチスロに出かけていて連絡が取れない



自分の周りに誰ひとりとして
慰めてくれる人も
心の奥を理解してくれる人も居なくて
猛烈な寂しさと孤独感に襲われる



子どもの頃からずっと感じていた
「なぜこんな寂しい思いしてまで生きてるんだろ」
という虚しい想い

「もういつ死んでもいいや」
という投げやりな想い

そして
「私なんか死んでも誰も悲しまないし
誰も泣いてくれる人なんて居ない」
という想いから

この日私は
家中にある薬を大量に飲んだ


シートになってるものも瓶に入ったものも
薬という薬を片っ端から飲みまくった


これで死ねるかなんてわからないけど
うまくいけば死ねるかもという
僅かな期待と
死んだら誰かが
『沙織ちゃん、辛かったんだね』
と、最後に気づいてくれるかも…
という想いが入り混じりながら
だんだんと意識が薄れていく中で
ひいおばあちゃんが呼んだ救急車で
私は病院に運ばれた



天井から猛烈な灯りが照らす救急室で
何やら色々されているけど
意識は朦朧として
身体の感覚はほとんどない


でも鼻と口に
たくさん管が通されてるのは分かった


本当なら痛くて苦しいはずなのに
遠のく意識の中で
幸い痛みは全然ない


ただ先生達のざわつく声だけが聞こえ
看護婦さんたちが
色々な器具を持ってバタバタしてる



鼻に通された管から
色々な液体が流されていたらしく
身体の中で何かが起きてるのは分かるけど
何かを考えたりすることもできないくらい
意識は薄れていく




そして数時間後
目が覚めたら私はベッドにいた



猛烈な吐き気で目が覚める



どうやら胃洗浄をされたようで
その後の反応として
嘔吐が何度も何度も襲ってくる


この時の猛烈な吐き気の連続は
のちにかかった胃腸炎やノロウイルスに
勝るとも劣らない


本当に苦しかった…

何度吐いても液体が出てくるだけで
吐き気は一向に治らない


吐き続ける私のそばには
ひいおばあちゃんが居た


心配そうな顔をしながら
ただ私の背中をさすってくれていた


何時間そんなことが続いていたのか
まったく分からないが
運ばれて半日以上が過ぎた頃
母が救急室に来た



「さおちゃん、大丈夫?
なに?死のうとしたんだって?」



とにかく嘔吐嘔吐で
私は話せる状態ではなく
軽く頷きながら
また嘔吐する


30分か1時間は居たであろう母が
「じゃあ、ママもう仕事行くね」
そう言って帰って行った


何も言い返せないまま
心の中で私は

”私が死のうとして、こんな状態でもお店行くんだ?
こんな日でさえも、私のそばには居てくれないんだ?
やっぱり私は愛されてないんだ
これでよくわかった
居ても居なくてもどっちでもいいんだ…”



嘔吐の苦しみの中
そんな風に感じた




その後
看護婦さんが私の様子を見に来て
苦しんでいる私にこう言った



「人間、そう簡単には死なないのよ」



この時の看護婦さんの言葉は
今でも忘れない


この言葉から私は

人間はそんなに弱い生き物じゃない
そう簡単に死なないくらい本当は強いのよ”

そう勝手に感じ取った

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