父娘ゲンカの間に入った話~中編~
訳合って愛知の名産を調べていますが、40年以上中部地方に住んでいながらまだまだ僕の知らない銘菓があるようです。なんだよ、きしめんパイって。
こんにちは、コッシーです。
さて、お待たせ致しました。今日は先日の続きです。前編を読まれていない方は先に読まれる事をお勧めします。
簡単に前編のおさらいを。
先月にうちの入居施設を見学に来られたある父娘、あまり仲がよろしくないようで、どうやら娘さんが地域包括に相談をしている模様。地域包括から入居を促すようお願いされた僕は、父娘に家に一人向かうのであった…※詳しくは記事を見てね
というわけで、本来は地域包括の仕事だと思いますが、乗り掛かった舟です。訪問日を決めるために早速娘さんに連絡しました。
やはり年末はバタバタされるとのことで、年が明けてから訪問をすることを約束しました。地域包括はヤキモキしていましたが、こればかりは相手の都合があるため仕方ありません。
そして先日、約束の日を迎えご自宅に訪問をしました。奇しくもその日は午前中入居者と一緒に救急車に乗った日でした(前編参照)。
ご自宅はうちの施設から歩いて行けるくらい近くで、それもうちの施設を見学に来られた理由の一つでした。
表札にはお父さんの苗字と結婚後の娘さんに苗字が並んで書かれていました。
チャイムを鳴らすとすぐに娘さんが玄関を開けられ、慌てた様子で「ヤバイかもしれません」と言われました。
詳しく話を聞くと、一昨日の夜に入居の件で言い合いになったとのことでした。怒ったお父さんが娘さんに詰め寄ろうとした時、娘さんが思わず押してしまったらしいです。お父さんは靴下を履いていたそうで、滑ってしまい腰を強打されたみたいでした。
娘さんはすぐに病院に行こうと言ったそうですが、「大丈夫だ」の一点張りで結局病院に行かずに二日が経過し、今朝様子を見に行ったところ腰が痛くてベッドから全く起き上がれない状態とのことでした。
すぐに救急車を呼ぼうとしたらしいのですが、それもお父さんに制止されどうしたらいいか分からないまま僕の訪問を待っていたみたいでした。
2階の奥にお父さんの部屋があり訪室するとベッドで寝たままの状態でした。僕が「大丈夫ですか?」と声をかけても、全く起き上がるそぶりも見せず寝たまま「大丈夫です」と答えていました。#全然大丈夫じゃない
下手すると腰椎を骨折している可能性もあります。すぐにでも病院に行くべきですが、起き上がれない大人の男性を1人で階段から降ろす自信は僕にはありませんでした。むしろ悪化するか二人仲良く階段から落ちて要救助者が増える予感しかしませんでした。すぐにでも救急車を呼ぶべきだと思いました。
「○○さん、動けますか?すぐに病院に行った方が良いと思います。救急車を呼びますよ!」
「いや大丈夫ですから。救急車は止めてください。」
「でも骨折してるかもしれませんよ。骨折を放置するとどんどんひどくなって歩けなくなるかもしれませんよ(ウソ)」
「え…」
「大丈夫です。僕はこう見えて何度も救急車を呼んだ経験があります(ホント)。今朝も1台呼んだばかりです(ホントにホント)」
「え?ホントですか!?」
「本当です(笑)。だから任せてください。」
「分かりました…」
なんとかお父さんを説得して娘さんの了承を得て救急車を手配しました。自宅にやってきた救急隊員は午前中施設に来てくれた人と同じでした。
「こんにちは!救急隊員の○○です!ん?あれ?」
「はい…。また呼んでしまいました…(笑)」
「別の場所から同じ人に呼ばれるのは珍しいですよ(笑)」
そんな辱めを受けましたが、救急隊員に状況を説明し病院に搬送することになりました。本来なら家族が救急車に同乗しますが、娘さんには生まれたばかりの赤ちゃんがいます。ギャン泣きする赤ちゃんを抱きながら「ど、どうしたらいいでしょうか…?」と涙目で訴えられたら、そりゃ僕が乗るしかありませんよね。
というわけで、本日2回目の救急車に乗って病院に同行しました。救急車では救急隊員と「今日はもう呼ばないでくださいよ(笑)」「呼びませんよ!」「でも二度あることは三度ありますよ(笑)」「いや本当に勘弁してください…」というやり取りをしました。
診察の結果、骨折はしておらず打撲とのことで入院することなく帰宅できました。その日は安静にする必要があるとのことで、結局何も話をせずにお家を後にしました。#一体お前は何をしに行ったんだ#救急車に乗っただけ
壮絶な1日の翌日に地域包括支援センターから連絡がありました。
地域包括としては今すぐにでも入居を進めたいとのことでした。懸念されているのが娘さんによるお父さんに対しての『虐待』でした。
お会いしてお話させていただいた娘さんの印象としてはその可能性はかなり低いと僕は思いますが、それはあくまで僕の判断なだけで見る人によっては違うかもしれません。
わざとではないにせよ、実際に娘さんに押されて転倒し怪我をしています。その事実から見ると虐待に発展する可能性も否定できません。虐待の芽を事前に摘む、さすがは地域包括です。安心して後は地域包括に任せたいと思います。
「またコッシーさんに訪問していただき、なんとか説得してもらえないですかね?」
もう!なんでだよ!それは地域包括の仕事でしょうよ!虐待に発展しそうかどうかは実際にその目で確かめないと分からないでしょうが!それも人任せにするなんて、地域包括支援センターは何を包括して何を支援するんだよ!
と激しく思いましたが、僕も一緒に救急車に乗った仲です。この父娘がどうなるかやっぱり気になりますし、見届けたいと思っていたので、渋々地域包括のお願いを了承しました。
もう『地域統括責任者』を名乗っても良いよね。#地域統括責任センター
そして僕は再び父娘がいるお家を訪ねるわけですが、そのお話はまさかまさかの次回へ続く…#怒涛の三部作
再訪問するコッシーに待ち受けていた試練とは?果たしてコッシーはお父さんを入居させることができるのか!?
次回予告『コッシー、地域統括責任者になる』絶対見てくれよなっ!
※本当にごめんなさい。文才無さ過ぎてまさかの三部作になってしまいました。次回には必ず完結します!
現場からは以上です。それではまた。
コッシー