父娘ゲンカの間に入った話~前編~
今日出勤すると道路が白くなるほど雪が吹雪いており、嬉しくなって外に出て携帯でパシャパシャ写真を撮って施設に戻ると「犬か!」と言われました。#犬は喜び庭駆け回る
こんにちは、コッシーです。
さて、先日の記事の冒頭でも書きましたが、人生で初めて1日に2回救急車を呼びました。
1件目は施設内での出来事でした。朝食時に入居者の1人が急に傾眠し始めました。食べてる途中にも関わらず頭をコックリさせています。
「まだご飯終わってないよー。起きてー(笑)」なんて言って最初は笑っていましたが、こちらの問いかけにもしっかり答えず時折生あくびをされます。
「もしかすると、脳梗塞かもしれない」と思いすぐに救急に連絡しました。ほどなくして救急車がやってきて同乗して病院に行きました。
結局脳梗塞ではなく血圧が急に下がったことによる意識混濁だったとのことで、状態も回復して帰ってくることできました。大事にならず本当に良かったです。
救急車を呼んだもう1件は施設内ではなく外部での出来事でした。うちの施設への入居を希望されているある父娘のお家を訪問した際に起こりました。
その父娘がうちの施設を見学に来られたのが先月の中頃でした。
入居を希望されているお父さんは65歳とまだお若く会話も足取りもしっかりされてる元気な方でした。ただ軽度の認知障害があり、お薬を飲んだかどうか忘れて余分に飲んでしまったり、病院受診を忘れてしまったりすることがあるとのことでした。
現在娘さん夫婦と同居をされており、娘さんがお父さんのお薬や受診等の管理をしているとのことでしたが、3カ月ほど前に娘さんが出産をされたらしく、お子さんの面倒が大変でお父さんにまで気が回らなくなり、入居を検討しているとのことでした。
施設を見学されてお二人ともうちを気に入ってくれてる様子でした。ただ気になるのが意見の食い違いからちょいちょい揉めるところでした。
例えば、服薬管理をどうするかを確認した際には、
娘「父は薬を飲み忘れることがあると思うので、こちらで管理していただけるとありがたいです。」
父「最近は自分で飲めてるから大丈夫だ」
娘「何言ってるの!私が言わないと忘れてる日もあるじゃん!」
父「そんなことはない!ちゃんと飲めてる!」
娘「だから!私が言ったことも忘れてるんだって!もういいから黙ってて!」
父「なんだと!」娘「なによ!」
コッシー「まあまあまあ…(汗)」
例えば、入居予定日を決める際も、
娘「なるべく早めにお願いしたいです」
父「そんなに焦ることないだろ」
娘「○○(お子さん)の面倒が大変でお父さんにまで手が回らないんだって!」
父「ほとんど自分で出来てるから大丈夫だろ」
娘「私がいつも言ってるから出来てるだけでしょ!」
父「そんなことはない!ちゃんと出来てる!」
娘「だーかーらー!私が言ったことも忘れてるんだって!もういいから黙ってて!」
父「なんだと!」娘「なによ!」
コッシー「まあまあまあ…(汗)」
という感じで事あるごとに揉めていました。#ケンカはやめて
まぁケンカするほど仲が良いと言いますからその時は似た物父娘だなぁと気楽に考えていましたが、事は僕が思っているよりは深刻でした。
一応お二人とも入居には前向きでしたが、お父さんの方がもうちょっと考えたいとのことで、その日は帰られました。
その次の日に地域包括支援センターから連絡がありました。見学に来られた父娘の事でした。
どうやら以前から娘さんから相談を受けていたとのことで、その内容は父娘関係があまり上手くいっておらず、父と離れたいという相談みたいでした。
娘さんの方からうちに見学に行ったという報告を受け、こちらに詳細確認の連絡をされたとのことでした。
地域包括としては、娘さんの状態を考えるとこのまま同居を続けると暴力に発展する恐れがあり、すぐにでも入居を進めたいとのことでした。
なるほど、地域包括の言いたいことはよく分かります。見学の様子を見る限りでは父娘の関係はあまりよくなく、いつも言い合いをしている姿が目に浮かびます。その状態ではお互いにストレスが溜まりいつか爆発してしまうかもしれません。
家庭内暴力や虐待などの可能性がある事案は地域包括としては早めに手立てを打ちたいところでしょう。さすが地域包括支援センターです。その町の生活者の暮らしを守るのが地域包括の大きな役割であることをしっかりと理解されてるようです。
じゃあ入居日が決まりましたら連絡ください、うちも出来る限り最速で対応しますから、そう伝えようとしたところ地域包括からまさかのお願いをされました。
「申し訳ありませんが、そちらからご本人と娘さんに入居を促してもらえませんか?出来れば訪問してもらって」
え?それって地域包括の仕事じゃね?
ただの入居施設候補のうちの仕事じゃ無くね?
しかもこのコロナ禍で訪問まで求めてくるのおかしくね?
訪問して生活環境を確認するってそれこそ地域包括の本業じゃね?
うちはあくまで入居施設であり、申し込みがあって初めて入居希望者とみなし、具体的に話を進めることになります。本来であれば申し込みを待つしかないのが現状だと思います。お二人の状況を心配されて早めの入居を促すのは絶対にうちの仕事ではなく完全に地域包括の仕事だと思いますがどうでしょうか!#教えて詳しい人
と激しく思いましたが、悪知恵だけは働く僕ですから、ここで動けば地域包括に恩を売るチャンスだぞと腹黒く考えまして、「分かりました。とりあえず一度訪問してきます。ただ大っぴらに入居を促すことはさすがに出来ませんのでご了承ください。」と伝え、地域包括も了承しました。
こうしとけば、本人が納得して入居になったとしても僕の手柄だし、本人が拒否して入居を拒んだとしても、地域包括の指示で動いたわけですので地域包括のせいです。僕には何の汚点もありません。グヘヘヘ#悪知恵のあるヤツの笑い方
というわけで、前置きが大変長くなりましたが、僕は一応地域包括の命を受けて見学に来られた父娘の自宅に向かったのでした。
ただそこは僕が気楽に考えていたところではなく、父娘の感情渦巻く修羅の家でした。
そして物語は後編へ続くのだった。#まさかの前置きだけで前編が終わる
のほほんと気楽な気持ちで訪問したコッシーを待ち受けていた試練とは…!?コッシーは2回目の救急車を呼ぶのか呼ばないのか!?(呼ぶよ)果たして父娘の関係は修復されるのか!?お父さんは納得して入居するのか!?
次回予告『コッシー、他人の家から救急車を呼ぶ』絶対見てくれよなっ!
※ごめんなさい。めちゃくちゃ長くなったので2回に分けました。
現場からは以上です。それではまた。
コッシー
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